特許表示とその例

  • 特許は、技術的なアイデア「発明」を保護します。
  • 特許表示の解説と、身近に見つけた特許表示の例をご紹介します。
  • 関連情報:商標登録表示とその例

乾電池への特許表示

 


特許表示とは

法律上、特許表示は、物の特許発明にあっては、「特許」の文字と「特許番号」の表示により行い、物を生産する方法の特許発明にあっては、「方法特許」の文字と「特許番号」の表示により行うことが規定されています。

つまり、物の発明の場合は「特許第○○○○○号」、生産方法の発明の場合は「方法特許第○○○○○号」と表示して行います。

しかしながら、実際上、デザイン的観点から、単に「PAT.」、またはさらに特許番号を付けて「PAT.○○○○○」と記載して行うことも多いようです。

具体的には、後述の、特許表示の例をご覧ください。

 


特許表示などの登録表示(権利表示)は、義務ではなく、励行です(努めなければならない)。

しかしながら、登録表示を行うことは、第三者による模倣を躊躇させるので、侵害の未然防止に役立ちます。また、特に特許品の場合には、革新的で優れた製品である旨を間接的にアピールできるので、市場での優位性確保にもつながります。

一方、第三者としても、その製品や商標が他人の権利に係るものと分かれば、その権利を尊重して、通常あえて似た製品や商標を採用しませんから、侵害してしまうことを未然に防止することができます。

そこで、権利者としては、できるだけ登録表示を行うのが望ましいといえます。

 


なお、虚偽表示にならないように注意します。つまり、特許に係る物以外の物に、特許表示やこれと紛らわしい表示を付す行為などは禁止されます。たとえば、出願しただけで特許になっていないのに「PAT」を付すことは虚偽表示です。また、以前に権利を持っていたが、現在は権利が消滅してしまっている場合に、引き続いて特許表示を行うことも虚偽表示です。

さらに詳しく知りたい方は、後述の、特許表示・実用新案登録表示・意匠登録表示の条文、虚偽表示の条文をご覧ください。

また、商標登録表示については、商標登録表示とその例をご覧ください。

 



特許表示の例

以下では、身近に見つけた特許表示の例をご紹介します。
但し、法律上の特許表示ではないことも多いです。
法律上の特許表示は、上述した特許表示の解説をご確認ください。

 


修正液の包装への特許表示(2012.12.16)

 修正液への特許表示

  • 「特許登録済・実用新案登録済・意匠登録済」の表示(特許権、実用新案権、意匠権を保有している。)

 


シャープペンシルの包装への特許表示(2012.12.16)

 シャープペンシルへの特許表示

  • 「PAT.P」の表示(「Patent pending」の略。「特許出願中」の意味。特許出願済であるが、まだ審査をパスして特許に至っていない段階である。)

 


修正テープの包装への特許表示(2012.12.16)

 修正テープへの特許表示

  • 「JP.PAT.P. JP.Des.1279962」の表示(日本において、特許出願中であると共に、意匠登録済である。意匠登録番号を表示。)

 


キャンディーの個包装への特許表示(2012.12.19)

キャンディーへの特許表示

  • 「特許製法」「純粋はちみつを固形化」の表示

 


レンズ付きフィルムへの特許表示(2010.04.05)

  • 「This film package is protected by US patents 4833495, 4890130, 4954857, 4972649, 5235364 and other patents.」の表示(数々の米国特許により保護されている。)

 


餅の加熱に用いる電子レンジ用トレーの包装への特許表示(2013.03.24)

 電子レンジ用トレーへの特許表示

 電子レンジ用トレーへの特許表示

  • 「特許登録済・意匠登録済・商標登録済」の表示(特許権、意匠権、商標権を保有している。)
  • 参考:特許第4340983号(実用新案登録第3116210号に基づく特許出願)、意匠登録第1333172号、商標登録第5079802号

 


定規への特許表示(2013.07.20)

 定規への特許表示

定規への特許表示

  • 包装下部に「Made in Denmark ・ Patented」(デンマーク製・特許済)の表示
  • 製品裏面に「Made in Denmark Pat. pend.」(デンマーク製 特許出願中)の表示

 


LANケーブルの包装への特許表示(2013.10.11)

LANケーブルへの特許表示

LANケーブルへの特許表示

  • 「特許出願中」の表示(発明の特徴部であろう宣伝文句とイラスト付き)

 


保存容器への特許表示(2014.05.18)

保存容器への特許表示

  • 製品裏面に「PATENT PENDING」(特許出願中)の表示

 


リーフ差替式ノートへの特許表示(2019.12.24)

リーフ差替式ノートへの特許表示

  • 裏面バーコードシールに「REG. PAT. D.PAT.」(特許および意匠登録済)の表示

 


ポテトチップスの容器への特許表示(2020.03.30)

ポテトチップスの容器への特許表示

  • 容器底面に「特許出願中」と出願番号「特願2016-****」の表示
  • 容器底面に「意匠登録出願中」と出願番号「意願2016-***」の表示
  • 容器自体の発明・意匠と思われる(つぶしやすさ)

 


回転寿司の折込広告への特許表示(2020.04.10)

回転寿司の折込広告への特許表示

回転寿司の折込広告への特許表示

  • 「2013年特許取得」の表示(発明の特徴部であろう宣伝文句とイメージ写真付き)
  • 特許番号「特許第5416288号」と「発明の名称:飲食物搬送用収容体」の表示
  • 「鮮度くんは、くら寿司の登録商標です。」の表示

 



特許表示・実用新案登録表示・意匠登録表示の条文

特許法 第187条(特許表示)
特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、物の特許発明におけるその物若しくは物を生産する方法の特許発明におけるその方法により生産した物(以下「特許に係る物」という。)又はその物の包装にその物又は方法の発明が特許に係る旨の表示(以下「特許表示」という。)を附するように努めなければならない。

特許法施行規則 第68条(特許表示)
特許法第187条の特許表示は、物の特許発明にあつては「特許」の文字およびその特許番号とし、物を生産する方法の特許発明にあつては「方法特許」の文字およびその特許番号とする。

 

実用新案法 第51条(実用新案登録表示)
実用新案権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、登録実用新案に係る物品又はその物品の包装にその物品が登録実用新案に係る旨の表示(以下「実用新案登録表示」という。)を附するように努めなければならない。

実用新案法施行規則 第20条(実用新案登録表示)
実用新案法第51条の実用新案登録表示は、「登録新案」の文字およびその登録番号とする。

 

意匠法 第64条(意匠登録表示)
意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る物品若しくはその包装、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等若しくはその包装に当該物品、建築物又は画像が登録意匠又はこれに類似する意匠に係る旨の表示(以下「意匠登録表示」という。)を付するように努めなければならない。

意匠法施行規則 第17条(意匠登録表示)
意匠法第64条の意匠登録表示は、「登録意匠」の文字及びその登録番号とする。

 


虚偽表示の条文

特許法 第188条(虚偽表示の禁止)
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 特許に係る物以外の物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為
二 特許に係る物以外の物であつて、その物又はその物の包装に特許表示又はこれと紛らわしい表示を付したものの譲渡等又は譲渡等のための展示をする行為
三 特許に係る物以外の物の生産若しくは使用をさせるため、又は譲渡等をするため、広告にその物の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
四 方法の特許発明におけるその方法以外の方法を使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその方法の発明が特許に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

 

実用新案法 第52条(虚偽表示の禁止)
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 登録実用新案に係る物品以外の物品又はその物品の包装に実用新案登録表示又はこれと紛らわしい表示を附する行為
二 登録実用新案に係る物品以外の物品であつて、その物品又はその物品の包装に実用新案登録表示又はこれと紛らわしい表示を附したものを譲渡し、貸し渡し、又は譲渡若しくは貸渡のために展示する行為
三 登録実用新案に係る物品以外の物品を製造させ若しくは使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその物品が登録実用新案に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

 

意匠法 第65条(虚偽表示の禁止)
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
一 登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等以外の物品若しくはその包装、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等若しくはその包装に意匠登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為
二 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等以外の物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等であつて、当該物品若しくはその包装、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等若しくはその包装に意匠登録表示又はこれと紛らわしい表示を付したものについて行う次のいずれかに該当する行為
 イ 当該物品、建築物又は画像記録媒体等の譲渡、貸渡し又は譲渡若しくは貸渡しのための展示をする行為
 ロ 当該画像の電気通信回線を通じた提供又はそのための展示をする行為
三 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等以外の物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等について行う次のいずれかに該当する行為
 イ 当該物品又は画像記録媒体等の製造若しくは使用をさせるため、又は譲渡若しくは貸渡しをするため、広告に当該物品又は画像記録媒体等が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
 ロ 当該建築物の建築若しくは使用をさせるため、又は譲渡若しくは貸渡しをするため、広告に当該建築物が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為
 ハ 当該画像の作成若しくは使用をさせるため、又は電気通信回線を通じた提供をするため、広告に当該画像が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

*ご参考:令和元年意匠法改正(虚偽表示の禁止)

 


(作成2001.09.02、最終更新2020.04.10)
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