ソフトウェア関連発明・ビジネスモデル特許の特許請求の範囲

はじめに

  • ソフトウエア関連発明においては、特許要件の中でも、特に、「発明に該当するか」と「進歩性があるか」が重要です。ここでは、「発明に該当するか」について、特許請求の範囲の記載振りを、特許庁資料に基づき確認してみます。なお、「発明に該当する」ものであっても、新規性や進歩性などの他の特許要件を満たしていない可能性はあります。
  • 本頁末尾の掲載日時点の弊所把握情報です。
  • 基本的には、特許庁編「特許・実用新案審査ハンドブック」の附属書B「コンピュータソフトウエア関連発明」の抜粋です。最新かつ正確詳細な情報は、特許庁ホームページでご確認ください。
  • ソフトウェア関連発明(ビジネスモデル特許を含む)について、どのように権利請求するのか(たとえば、方法の発明とするのか、物の発明とするのか、両方の発明とするのか)や、特許請求の範囲をどのような記載振りとするのかは、出願人自身が決めるものです(特許法第36条第5項)。ただ、「発明に該当する」記載振りで整える必要があります
  • たとえば、入退場管理システムについて特許出願しようとする場合を考えてみます。この場合、システム全体(入退場管理システム)の他、このシステムに用いるサーバ端末入退場ゲート装置、これらに用いるプログラム、このプログラムを記録した記録媒体、入退場管理方法など、様々な権利請求の仕方が考えられます。権利行使のし易さも考慮して、特許請求の範囲を決定します。もちろん、「発明に該当する」記載振りで整えます。

 


特許請求の範囲の記載要件

明確性要件(第36条第6項第2号)

ソフトウエア関連発明のカテゴリー

出願人は、ソフトウエア関連発明を、「方法の発明」又は「物の発明」として、下記のように、請求項に記載することができる。

(1) 方法の発明
 出願人は、ソフトウエア関連発明を、時系列につながった一連の処理又は操作、すなわち「手順」として表現できるときに、その「手順」を特定することにより、「方法の発明」(「物を生産する方法の発明」を含む。)として請求項に記載することができる。

 

(2) 物の発明
 出願人は、ソフトウエア関連発明を、その発明が果たす複数の機能によって表現できるときに、それらの機能により特定された「物の発明」として請求項に記載することができる。
 出願人は、プログラム、構造を有するデータ及びデータ構造については以下のように記載することができる。

(i) コンピュータが果たす複数の機能を特定する「プログラム」を、「物の発明」として請求項に記載することができる。
 例1:コンピュータに手順A、手順B、手順C、…を実行させるためのプログラム
 例2:コンピュータを手段A、手段B、手段C、…として機能させるためのプログラム
 例3:コンピュータに機能A、機能B、機能C、…を実現させるためのプログラム

(ii) データの有する構造によりコンピュータが行う情報処理が規定される「構造を有するデータ」又は「データ構造」を、「物の発明」として請求項に記載することができる。
 例4:データ要素A、データ要素B、データ要素C、…を含む構造を有するデータ
 例5:データ要素A、データ要素B、データ要素C、…を含むデータ構造

(iii) 上記(i)の「プログラム」又は上記(ii)の「構造を有するデータ」を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を、「物の発明」として請求項に記載することができる。
 例6:コンピュータに手順A、手順B、手順C、…を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
 例7:コンピュータを手段A、手段B、手段C、…として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
 例8:コンピュータに機能A、機能B、機能C、…を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
 例9:データ要素A、データ要素B、データ要素C、…を含む構造を有するデータを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

 


発明が明確でない例

以下の場合は、ソフトウエア関連発明は不明確であり、明確性要件違反となる。

(1) 請求項の記載自体が不明確である結果、発明が不明確となる場合

例1:× コンピュータを用いて、顧客からの商品の注文を受け付けるステップと、注文された商品の在庫を調べるステップと、当該商品の在庫がある場合は当該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、当該商品の在庫がない場合は当該商品が発送不能であることを前記顧客に返答するステップを実行する受注方法

(説明)「コンピュータを用いて、…ステップ」という表現では、各ステップにおける動作の主体が特定されたことにならない。そのため、本願発明は、以下の(i)及び(ii)という類似の性質又は機能を有しない方法を含むものと解釈できる。
 (i)「コンピュータを(計算道具として)用いて、(人間がコンピュータを操作して)各ステップを実行する受注方法」という「コンピュータという計算道具を操作する方法」
 (ii)「コンピュータを用いて(構築された受注システムにおいて)、(コンピュータが備える各手段が)各ステップを実行する受注方法」という「ソフトウエアによる情報処理方法」
 上記のとおり、請求項には「コンピュータを用いて」という曖昧な日本語表現が含まれており、請求項のその他の記載を考慮しても、請求項の記載からは一の発明を明確に把握することができない。したがって請求項に係る発明は明確ではない。

 

例2:× 顧客からの商品の注文を受け付ける受注手段と、注文された商品の在庫を調べる在庫調査手段と、当該商品の在庫がある場合は当該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、当該商品の在庫がない場合は当該商品が発送不能であることを前記顧客に返答する顧客応対手段とを備えたプログラム

(説明)「プログラム」は、コンピュータを手段として機能させるものではあるが、「プログラム」そのものが「手段」として機能するものではない。したがって、「プログラム」そのものが機能手段を備えていることはあり得ない
 なお、請求項に係る発明が「◎ コンピュータを、顧客からの商品の注文を受け付ける受注手段と、注文された商品の在庫を調べる在庫調査手段と、当該商品の在庫がある場合は当該商品が発送可能であることを前記顧客に返答し、当該商品の在庫がない場合は当該商品が発送不能であることを前記顧客に返答する顧客応対手段として機能させるためのプログラム」であれば、コンピュータを手段として機能させるものであることが明確である。

 

(2) 発明特定事項同士の技術的な関連がないため、発明が不明確となる場合

例3:× 特定のコンピュータプログラムを伝送している情報伝送媒体。

(説明)情報を伝送することは伝送媒体が本来有する機能であり、「特定のコンピュータプログラムを伝送している情報伝送媒体」との記載は、特定のコンピュータプログラムが、情報伝送媒体上のどこかをいずれかの時間に伝送されているというにすぎず、伝送媒体が本来有する上記機能のほかに、情報伝送媒体とコンピュータプログラムとの関連を何ら規定するものではない。

 

(3) 請求項に係る発明の属するカテゴリーが不明確であるため、又はいずれのカテゴリーともいえないため、発明が不明確となる場合

例4:× コンピュータに手順A、手順B、手順C、…を実行させるためのプログラム信号列。

(説明)「物の発明」であるのか「方法の発明」であるのかが特定できないので、請求項に係る発明は明確ではない。

 


発明該当性(第29条第1項柱書)

判断の手順

請求項に係るソフトウエア関連発明が、「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるか否かの判断の手順は以下のとおりである。

まず、審査官は、後記【A】に記載されるように、審査基準「第III部第1章 発明該当性及び産業上の利用可能性」により、請求項に係るソフトウエア関連発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるか否かを検討する。

審査官は、審査基準「第III部第1章 発明該当性及び産業上の利用可能性」により、請求項に係るソフトウエア関連発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるか否かの判断がされる場合は、「ソフトウエアの観点に基づく考え方」による検討を行わない。

そうでない場合は、審査官は、後記【B】に記載されるように、「ソフトウエアの観点に基づく考え方」による判断を行う。

審査官は、これらの判断に当たっては、請求項の一部の発明特定事項にとらわれず、請求項に係る発明が全体として「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるか否かを検討する。

 

図 ソフトウエア関連発明の発明該当性の判断の流れ(特許庁資料)

ソフトウェア関連発明の発明該当性の判断の流れ

 


【A】審査基準「第III部第1章 発明該当性及び産業上の利用可能性」により判断される例

ソフトウエア関連発明であっても、以下の(i)又は(ii)のように、全体として自然法則を利用しており、「自然法則を利用した技術的思想の創作」と認められるものは、ソフトウエアという観点から検討されるまでもなく、「発明」に該当する。

(i) 機器等(例:炊飯器、洗濯機、エンジン、ハードディスク装置、化学反応装置、核酸増幅装置)に対する制御又は制御に伴う処理を具体的に行うもの
(ii) 対象の物理的性質、化学的性質、生物学的性質、電気的性質等の技術的性質(例:エンジン回転数、圧延温度、生体の遺伝子配列と形質発現との関係、物質同士の物理的又は化学的な結合関係)に基づく情報処理を具体的に行うもの

 

例1:(発明に該当する)
 複数のユーザ端末から、当該ユーザ端末が記憶するユーザのスケジュール情報を受信する手段と
 前記スケジュール情報に基づいて、前記ユーザの推定帰宅時刻を推定する手段と
 前記推定された複数のユーザの推定帰宅時刻に基づいて、最も早く帰宅するユーザの帰宅時刻の直前に炊飯が完了するよう、炊飯の開始時刻を設定する手段と
 前記設定された開始時刻において、炊飯器に炊飯を開始する指示を出し、前記炊飯器に炊飯を開始させる手段と
を備えるサーバ

 

例2:(発明に該当する)
 発電装置の発電電力を商用電力系統へ送ることによる売電と、前記商用電力系統の系統電力を蓄電池及び電気機器へ送ることによる買電と、前記発電装置の発電電力を前記蓄電池へ送ることによる蓄電と、前記蓄電池の蓄電電力を前記電気機器へ送ることによる放電と、に関する電力制御を行う電力制御システムであって、
 前記電気機器の予測負荷消費電力量と、前記発電装置の予測発電電力量とに基づいて、前記電気機器の負荷消費電力を前記蓄電池の蓄電電力から賄った場合に売電可能となる前記発電装置の発電電力量に売電単価を乗じた値に、買電不要となる系統電力量に買電単価を乗じた値を加算した値を、各時間帯における電力価値として算出する電力価値算出部を備えるサーバと
 前記サーバとネットワークを介して接続され、前記電力価値算出部が算出した前記電力価値が予め定められた所定値より高い時間帯において、前記売電、蓄電及び放電を行い、前記買電は行わないよう制御する電力制御部を備える電力制御装置とを有する、
電力制御システム

 

例3:(×発明に該当しない)
 発電装置の発電電力を電気事業者に売却する売電と、前記電気事業者から電力を購入する買電と、蓄電池の蓄電電力によって電気機器の電力を賄う放電とを、電気の売買価格に基づいて電気消費者の経済的利益を増大させるように制御する電力制御システム。

 

例4:(発明に該当する)
 荷物供給機構を備える輸送車と、自律飛行が可能なドローンとから構成される配送システムにおける配送方法であって、
 前記輸送車は、前記ドローンに荷物を自動的に供給する荷物供給機構と、前記荷物供給機構の直上に位置する離着陸スペースとを、その天井部に備え、
 前記荷物供給機構及び前記ドローンは、管理サーバと通信可能であり、
 前記管理サーバから送信される指示に基づいて、
 (a)前記荷物供給機構が、離着陸スペースに着座する前記ドローンに荷物を供給するステップ
 (b)前記ドローンが配送先まで飛行し、前記荷物を解放するステップ
 (c)前記ドローンが前記輸送車まで飛行し、前記離着陸スペースに着陸するステップ
を一回以上繰り返す、配送方法

 

例5:(発明に該当する)
 車両の端末機から受信した前記車両の加速度及び速度から、前記車両に衝撃が発生し、前記車両が停止したことを確認する機能と
 前記確認の後、前記車両の周辺の車両の速度を分析して周辺の車両の速度が低下しているかどうかに基づいて事故発生か否かを判断する機能と
 前記車両の周辺の車両に事故発生の情報を転送する機能と
をコンピュータに実現させる2次事故防止プログラム

 

例6:(×発明に該当しない)
複数の車両に関する情報に基づいて事故発生か否かを判断する機能をコンピュータに実現させる2次事故防止プログラム。

 


【B】ソフトウエアの観点に基づく考え方

請求項に係るソフトウエア関連発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かが、審査基準「第III 部第1 章 発明該当性及び産業上利用可能性」により判断されない場合は、審査官は、以下に示された基本的な考え方に基づいて判断する。

ソフトウエア関連発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」となる基本的な考え方は以下のとおりである。

(i) ソフトウエア関連発明のうちソフトウエアについては、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」場合は、当該ソフトウエアは「自然法則を利用した技術的思想の創作」である。
 「ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」とは、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働することによって、使用目的に応じた特有の情報処理装置又はその動作方法が構築されることをいう。

(ii) ソフトウエア関連発明のうち、ソフトウエアと協働して動作する情報処理装置及びその動作方法並びにソフトウエアを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体については、当該ソフトウエアが上記(i)を満たす場合、「自然法則を利用した技術的思想の創作」である。

 

例1:(×発明に該当しない)
 数式y=F(x)において、a≦x≦bの範囲のyの最小値を求めるコンピュータ。

 

例2:(×発明に該当しない)
 売上げを予測しようとする予測日及び対象商品の入力を受け付け、
 過去の所定期間における当該予測日と同じ曜日の当該対象商品の売上げ実績データに基づいて、当該予測日における当該対象商品の売上げを予測する、
 コンピュータ。

(説明)「過去の所定期間における予測日と同じ曜日の対象商品の売上げ実績データに基づいて」という記載のみでは、予測日における対象商品の売上げを予測するという使用目的に応じた特有の演算又は加工を実現するための具体的手段又は具体的手順が記載されているとはいえない。

 

例3:(×発明に該当しない)
 文書データを入力する入力手段、入力された文書データを処理する処理手段、処理された文書データを出力する出力手段を備えたコンピュータにおいて、上記処理手段によって入力された文書の要約を作成するコンピュータ。

(説明)「処理手段によって入力された文書の要約を作成する」というだけでは、要約作成という使用目的に応じた特有の演算又は加工を実現するための具体的手段又は具体的手順が記載されているとはいえない。

 

例4:(発明に該当する)
 複数の文書からなる文書群のうち、特定の一の対象文書の要約を作成するコンピュータであって、
 前記対象文書を解析することで、当該文書を構成する一以上の文を抽出するとともに、各文に含まれる一以上の単語を抽出し、
 前記抽出された各単語について、前記対象文書中に出現する頻度(TF)及び前記文書群に含まれる全文書中に出現する頻度の逆数(IDF)に基づくTF-IDF値を算出し、
 各文に含まれる複数の単語の前記TF-IDF値の合計を各文の文重要度として算出し、前記対象文書から、前記文重要度の高い順に文を所定数選択し、選択した文を配して要約を作成するコンピュータ。

(説明)請求項には、入力された文書データの要約を作成するための、特有の情報の演算又は加工が具体的に記載されている。

 


発明該当性に関する事例

〔事例 2-1〕 計算方法及び計算装置

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 自然数nとm(ただし、1≦n≦m<256)との乗算sを、
ソフトウェア関連発明の発明該当性の判断の流れ
によって計算する計算方法。

【請求項2】(×発明に該当しない
 自然数nとm(ただし、1≦n≦m<256)との乗算sを、
数式
によって計算する計算装置。

【請求項3】(×発明に該当しない
 自然数nとmを入力する入力手段(ただし、1≦n≦m<256)と、
 演算手段と、
 上記演算手段による演算結果sを出力する出力手段、
 とを備えることによって、
数式
を計算する計算装置。

【請求項4】(発明に該当する)
 自然数nとmを入力する入力手段(ただし、1≦n≦m<256)と、
 k番目にkの値が格納された二乗テーブル(ただし、0≦k<511)と、
 加減算器及びシフト演算器からなる演算手段と、
 上記演算手段による演算結果sを出力する出力手段、
とを備え、上記演算手段が上記二乗テーブルを参照して二乗の値を導出することにより、乗除算器を用いることなく、
数式
を計算する計算装置。

[説明]
・請求項1について
請求項1に係る発明は、数式の計算そのものであり、自然法則を利用していないものに該当するから、自然法則を利用した技術的思想の創作ではなく、「発明」に該当しない。

・請求項2について
請求項2には、「計算装置」というハードウエア資源は記載されており、乗算を計算するための数式は記載されている。しかし、これだけでは、乗算を計算するという使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工を実現するための具体的手段又は具体的手順が記載されているとはいえない。

・請求項3について
請求項3には、計算装置が入力手段、演算手段、出力手段を備えることは記載されており、乗算を計算するための数式は記載されている。しかし、これだけでは、乗算を計算するという使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工を実現するための具体的手段又は具体的手順が記載されているとはいえない。

・請求項4について
請求項4の記載から、乗除算器を有しない計算装置において乗算を計算するという、使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工が、二乗テーブルと、該二乗テーブルを用いて演算を実行する演算手段等の、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって実現されていると判断できる。

 


〔事例 2-2〕 ネットワーク配信記事保存方法

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 受信手段が、通信ネットワークを介して配信される記事を受信するステップ、
 表示手段が、受信した記事を表示するステップ、
 ユーザが、該記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かを判断し、存在した場合に保存指令を記事保存実行手段に与えるステップ、
 前記記事保存実行手段が、保存指令が与えられた記事を記事記憶手段に記憶するステップから構成されるネットワーク配信記事保存方法。

【請求項2】(発明に該当する)
 受信手段が、通信ネットワークを介して配信される記事を受信するステップ、
 表示手段が、受信した記事を表示するステップ、
 記事保存判断手段が、該記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かを判断し、存在した場合に保存指令を記事保存実行手段に与えるステップ、
 前記記事保存実行手段が、保存指令が与えられた記事を記事記憶手段に記憶するステップから構成されるネットワーク配信記事保存方法。

[説明]
・請求項1について
請求項1には、受信手段、表示手段、記事保存実行手段等の手段が記載されているものの、これらの手段は、情報の受信処理、表示処理、記憶処理といった、コンピュータが備える一般的な機能を実現するものにすぎない。さらに、記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かの判断が、特定の手段ではなく、ユーザ(人間)の精神活動に基づいて行われている。

・請求項2について
請求項2の記載から、文章中に所定のキーワードが存在すると判断される記事のみを保存するという、使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工が、記事保存判断手段、記事保存実行手段及び記事記憶手段という、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって実現されていると判断できる。

 


〔事例 2-3〕 商品の売上げ予測プログラム

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(発明に該当する)
 種々の商品の売上げを予測するためにコンピュータを、
 売上げを予測しようとする日を入力する手段、
 予め過去の売上げ実績データを記録しておく売上げデータ記録手段、
 予め変動条件データを記録しておく変動条件データ記録手段、
 予め補正ルールを記録しておく補正ルール記録手段、
 過去数週間の予測しようとする日と同じ曜日の売上げ実績データを売上げデータ記録手段から読み出し平均して第1の予測値を得る手段、
 変動条件データ記録手段から商品の売上げを予測しようとする日の変動条件データを読み出し、該変動条件データに基づき補正ルール記録手段に記録された補正ルールの中から適用すべき補正ルールを選択する手段、
 適用すべき補正ルールに基づき第1の予測値を補正して第2の予測値を得る手段、及び
 第2の予測値を出力する手段、
として機能させるための商品の売上げ予測プログラム

【請求項2】(発明に該当する)
 種々の商品の売上げを予測するためにコンピュータを、
 売上げを予測しようとする日を入力する手段、
 予め過去の売上げ実績データを記録しておく売上げデータ記録手段、
 予め変動条件データを記録しておく変動条件データ記録手段、
 予め補正ルールを記録しておく補正ルール記録手段、
 過去数週間の予測しようとする日と同じ曜日の売上げ実績データを売上げデータ記録手段から読み出し平均して第1の予測値を得る手段、
 変動条件データ記録手段から商品の売上げを予測しようとする日の変動条件データを読み出し、該変動条件データに基づき補正ルール記録手段に記録された補正ルールの中から適用すべき補正ルールを選択する手段、
 適用すべき補正ルールに基づき第1の予測値を補正して第2の予測値を得る手段、及び
 第2の予測値を出力する手段、
として機能させるための商品の売上げ予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【請求項3】(発明に該当する)
 種々の商品の売上げを予測する装置であって、
 売上げを予測しようとする日を入力する手段、
 予め過去の売上げ実績データを記録しておく売上げデータ記録手段、
 予め変動条件データを記録しておく変動条件データ記録手段、
 予め補正ルールを記録しておく補正ルール記録手段、
 過去数週間の予測しようとする日と同じ曜日の売上げ実績データを売上げデータ記録手段から読み出し平均して第1の予測値を得る手段、
 変動条件データ記録手段から商品の売上げを予測しようとする日の変動条件データを読み出し、該変動条件データに基づき補正ルール記録手段に記録された補正ルールの中から適用すべき補正ルールを選択する手段、
 適用すべき補正ルールに基づき第1の予測値を補正して第2の予測値を得る手段、及び
 第2の予測値を出力する手段、
からなる商品の売上げ予測装置

 


〔事例 2-4〕 ポイントサービス方法

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 テレホンショッピングで商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
 贈与するポイントの量と贈与先の名前が電話を介して通知されるステップ、
 贈与先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈与先の電話番号を取得するステップ、
 前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈与先のポイントに加算するステップ、及び
 サービスポイントが贈与されたことを贈与先の電話番号を用いて電話にて贈与先に通知するステップとからなるサービス方法。

【請求項2】(×発明に該当しない
 インターネット上の店で商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
 贈与するポイントの量と贈与先の名前がインターネットを介して通知されるステップ、
 贈与先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈与先の電子メールアドレスを取得するステップ、
 前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈与先のポイントに加算するステップ、及び
 サービスポイントが贈与されたことを贈与先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈与先に通知するステップとからなるサービス方法。

【請求項3】(発明に該当する)
 インターネット上の店で商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
 贈与するポイントの量と贈与先の名前がインターネットを介してサーバに入力されるステップ、
 サーバが、贈与先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈与先の電子メールアドレスを取得するステップ、
 サーバが、前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈与先のポイントに加算するステップ、及び
 サーバが、サービスポイントが贈与されたことを贈与先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈与先に通知するステップとからなるサービス方法。

[説明]
・請求項1について
請求項1に係る発明は、「電話」、「顧客リスト記憶手段」といった技術的手段を使用するものであるが、全体としてみれば、これら手段を道具として用いた人為的な取決めそのものである。

・請求項2について
請求項2に係る発明は、「インターネット」、「顧客リスト記憶手段」、「電子メール」といった技術的手段を使用するものであるが、全体としてみれば、これら手段を道具として用いた人為的な取決めそのものである。

・請求項3について
請求項3の記載から、顧客からインターネットを介して贈与ポイントと贈与先の通知を受け、顧客リストに登録されている贈与先のポイントを加算すると共に、登録されている電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈与先に通知するという、使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工が、顧客リスト記憶手段を備えたサーバによる一連の情報処理という、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手順によって実現されていると判断できる。

 


〔事例 2-5〕 ゲーム方法

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 複数のプレイヤが複数のプレイエリアに分かれてプレイするゲームを進行させる方法であって、
 前記複数のプレイヤのそれぞれに前記複数のプレイエリアのいずれかを選択させる選択ステップと、
 前記複数のプレイヤからの指示に応じて、当該複数のプレイヤのそれぞれが選択したプレイエリア上でゲームを進行させる進行ステップと、
 前記複数のプレイヤのそれぞれが選択したプレイエリアのゲームに、当該プレイエリアとは異なる他のプレイエリアを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる反映ステップと、
を有することを特徴とするゲーム方法。

【請求項2】(×発明に該当しない
 複数のプレイヤが複数のプレイエリアに分かれてプレイするゲームを進行させるコンピュータ上で実現されるゲーム方法であって、
 前記複数のプレイヤのそれぞれに前記複数のプレイエリアのいずれかを選択させる選択ステップと、
 前記複数のプレイヤからの指示に応じて、当該複数のプレイヤのそれぞれが選択したプレイエリア上でゲームを進行させる進行ステップと、
 前記複数のプレイヤのそれぞれが選択したプレイエリアのゲームに、当該プレイエリアとは異なる他のプレイエリアを選択した他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させる反映ステップと、
を有することを特徴とするゲーム方法。

【請求項3】(発明に該当する)
 1 つのゲーム空間を構成する複数のプレイエリアのそれぞれについて、各プレイエリアにおけるゲームの進行状況を管理する個別プレイエリアテーブル、当該ゲーム空間における各プレイエリアの配置情報、及びプレイヤに選択されたプレイエリアに関連付けて当該プレイヤを識別する識別情報を記憶する記憶部を備え、
 複数のプレイヤが前記複数のプレイエリアに分かれて同時にプレイするゲームを進行させるコンピュータの制御方法であって、前記コンピュータが、
 前記複数のプレイヤのそれぞれに前記複数のプレイエリアのいずれかを選択させる選択ステップと、
 各プレイヤの前記識別情報及び当該各プレイヤからの指示に基づき、当該各プレイヤのそれぞれが選択したプレイエリア上でゲームを進行させ、前記個別プレイエリアテーブルを更新する進行ステップと、
 前記個別プレイエリアテーブル及び前記配置情報を参照することにより、前記複数のプレイヤのそれぞれが選択したプレイエリアの表示に、選択した当該プレイエリアとは異なる他のプレイエリアの他のプレイヤによるゲームの進行状況を、当該プレイエリアと当該プレイエリアとは異なる他のプレイエリアとの配置関係に基づいて反映させる反映ステップと、
を実行することを特徴とするコンピュータの制御方法。

[説明]
・請求項1 について
請求項1 には、プレイエリアの選択、プレイエリア上でのゲームの進行及び他のプレイヤによるゲームの進行状況の反映といった処理ステップが記載されているが、それぞれの処理ステップはゲームの手順を定めたものであって自然法則を利用したものではなく、請求項1 の記載全体としてみれば人為的な取決めにすぎない。

・請求項2 について
請求項2 には、コンピュータを用いることが特定されているものの、プレイエリアの選択、プレイエリア上でのゲームの進行及び他のプレイヤによるゲームの進行状況の反映といった一連の手順を実現するために、コンピュータがいかなる手段を採用するかが具体的に特定されていないため、ソフトウエアとハードウエア資源が協働して他のプレイヤによるゲームの進行状況を反映させるゲーム方法を実現しているとはいえず、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されていない。

・請求項3 について
請求項3 に係る発明は、コンピュータが、各プレイエリアにおけるゲームの進行状況を管理する個別プレイエリアテーブル、当該ゲーム空間における各プレイエリアの配置情報、及びプレイヤに選択されたプレイエリアに関連付けて当該プレイヤを識別する識別情報を記憶する記憶部を備え、各プレイヤの前記識別情報及び当該各プレイヤからの指示に基づき、当該各プレイヤのそれぞれが選択したプレイエリア上でゲームを進行させ、前記個別プレイエリアテーブルを更新し、前記個別プレイエリアテーブル及び前記配置情報を参照することにより、前記複数のプレイヤのそれぞれが選択したプレイエリアの表示に、選択した当該プレイエリアとは異なる他のプレイエリアの他のプレイヤによるゲームの進行状況を、当該プレイエリアと当該プレイエリアとは異なる他のプレイエリアとの配置関係に基づいて反映させるという、ソフトウエアとハードウエア資源が協働した具体的手段によるものであるから、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されているといえる。

 


〔事例 2-6〕 ゲーム装置

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 相似形を有する大小の駒の数個を大きいものより順次に積み重ねたものを、任意に定めた3個の陣地の1カ所におき、この積み重ねた最上部の駒を1度に1個のみ動かし、かつ、小さい駒の上に大きい駒を乗せないようにして3個の陣地の他の場所に最小移動回数で移動することを競い合う遊戯をコンピュータにより実現したゲーム装置。

【請求項2】(発明に該当する)
 3次元コンピュータグラフィックスで表示され、相似形を有する大小の駒の4個を使用して行うゲームの処理をコンピュータに実行させるゲーム装置であって、
 4個の駒を大きいものより順次に積み重ねたものを、任意に定めた3個の陣地の1カ所においた初期状態にする初期化手段と、遊戯者の操作により積み重ねた最上部の駒を1度に1個のみ動かす駒移動手段と、前記操作により駒を動かした回数を記憶する駒移動回数記憶手段と、前記1カ所以外の陣地に4個の駒が大きいものより順次に積み重ねられた最終状態であることを判定する判定手段と、最終状態であると判定された場合に前記駒移動回数記憶手段に記憶された駒移動回数を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。

[説明]
・請求項1 について
請求項1には、「ゲーム装置」というハードウエア資源は記載されており、コンピュータにより所定の遊戯を実現することは記載されている。しかし、これだけでは、コンピュータにより所定の遊戯を実現するという使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工を実現するための具体的手段又は具体的手順が記載されているとはいえない。

・請求項2 について
請求項2の記載から、遊技者の操作による駒移動を実行し、駒移動の回数を記憶し、駒の積み重ねられた状態を判断し、駒移動回数を報知するという、使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工が、ゲーム装置が備える初期化手段、駒移動手段等の、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって実現されていると判断できる。

 


〔事例 2-7〕 駐車場管理方法

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 車両が駐車場の入口を通過する際に、前記車両の車両識別データを取得するステップと、
 前記車両の駐車場への入庫に関する入庫データを、前記車両識別データに関連付けて記録するステップと、
 前記車両識別データに関連付けて記録された前記入庫データを、ユーザの携帯端末へ送信するステップと、
からなる駐車場管理方法。

【請求項2】(発明に該当する)
 車両検出器が、車両が駐車場の入口を通過する際に、前記車両から車両識別データを取得して、管理機器に送信するステップと、
 前記管理機器が、受信した車両識別データに基づいて、前記車両の駐車場への入庫に関する入庫データを生成し、前記入庫データを前記車両識別データに関連付けて入庫データ管理手段に記録するステップと、
 前記管理機器が前記車両識別データに関連付けて入庫データ管理手段に記録された入庫データを精算器に送信するステップと、
 前記精算器が前記車両識別データに関連付けて記録された前記入庫データをユーザの携帯端末へ送信するステップと、
からなる駐車場管理方法。

[説明]
・請求項1 について
請求項1 に係る発明の目的は「紙形態の駐車チケットの不要な駐車場管理を実現すると共に、当該管理下において、ユーザが駐車情報(入庫時刻等)を確認可能とする」というものである。請求項1に係る発明は、「携帯端末」という技術的手段を使用するものであるが、携帯端末は、この目的を達成するための単なる道具として用いられているにすぎず、請求項1に係る発明は、全体としてみれば、駐車場管理に関する人為的な取決めそのものである。

・請求項2について
請求項2には、「管理機器が車両機器から取得される車両識別データに基づいて入庫データを生成して車両識別データと入庫データを関連付けて記憶すると共に、精算器が前記入庫データをユーザの携帯端末へ送信する」ことが記載されていることから、請求項2に係る発明の目的(使用目的)に応じた特有の情報の演算又は加工がソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手順によって実現されているといえる。

 


〔事例 2-9〕 無人走行車の配車システム及び配車方法1

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(発明に該当する)
 配車サーバと、配車希望者が有する携帯端末と、無人走行車とから構成されるシステムであって、
 前記携帯端末が、
 ユーザID及び配車位置を前記配車サーバに送信する送信部を備え、
 前記配車サーバが、
 ユーザIDに対応付けてユーザの顔画像を記憶する記憶部と、
 前記携帯端末から受信したユーザIDに対応付けて記憶された顔画像を前記記憶部から取得する取得部と、
 無人走行車の位置情報及び利用状態に基づいて、配車可能な無人走行車を特定する特定部と、
 前記特定された無人走行車に対して、前記配車位置及び顔画像を送信する送信部と、を備え、
 前記無人走行車が、
 前記配車位置まで自動走行する自動走行部と、
 前記配車位置にて、周囲の人物に対して顔認識処理を行う顔認証部と、
 受信した前記顔画像に一致する顔の人物を配車希望者と判定し、無人走行車の利用を許可する判定部と、を備えることを特徴とする、
無人走行車の配車システム。

【請求項2】(発明に該当する)
 ユーザIDに対応付けてユーザの顔画像を記憶する記憶部を備える配車サーバと、配車希望者が有する携帯端末と、自動走行部及び顔認証部を備える無人走行車とから構成されるシステムにおいて実行される、無人走行車の配車方法であって、
前記携帯端末が、
 ユーザID及び配車位置を前記配車サーバに送信するステップと、
 前記配車サーバが、
 前記ユーザIDに対応付けられて記憶された顔画像を前記記憶部から取得するステップと、
 無人走行車の位置情報及び利用状態に基づいて、配車可能な無人走行車を特定するステップと、
 前記特定された無人走行車に対して、前記配車位置、及び前記顔画像を送信するステップと、
 前記無人走行車が、
 自動走行部によって、前記配車位置まで自動走行するステップと、
 前記配車位置にて、顔認証部が周囲の人物に対して顔認識処理を行い、受信した前記顔画像に一致する顔の人物を配車希望者と判定し、無人走行車の利用を許可するステップと、
からなる、無人走行車の配車方法。

 


〔事例 2-10〕 無人走行車の配車システム及び配車方法2

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(×発明に該当しない
 配車サーバと、配車希望者が有する携帯端末と、無人走行車とから構成されるシステムであって、
 配車サーバが配車希望者から配車位置を指定した無人走行車の配車依頼を受け付けると、前記配車希望者に対して無人走行車を配車することを特徴とする、無人走行車の配車システム。

【請求項2】(×発明に該当しない
 配車サーバと、配車希望者が有する携帯端末と、無人走行車とから構成されるシステムによって実現される、無人走行車の配車方法であって、
 配車サーバが配車希望者から配車位置を指定した無人走行車の配車依頼を受け付けると、前記配車希望者に対して無人走行車を配車することを特徴とする、無人走行車の配車方法。

[説明]
 請求項1及び2には「無人走行車」との記載はあるものの、無人走行車に対する制御内容や無人走行車が行う情報処理については一切記載されていない。よって、請求項1及び2に係る発明は、審査基準「第III部第1章 発明該当性及び産業上の利用可能性」2.2(2)に挙げられる(i)機器等に対する制御又は制御に伴う処理を具体的に行うもの、(ii)対象の技術的性質に基づく情報処理を具体的に行うもの、のいずれにも該当しない。
 続いて、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」か否かを判断する。請求項1及び2においては、配車サーバと携帯端末と無人走行車とから構成されるシステムが用いられることが特定されているものの、「配車サーバが配車希望者から配車位置を指定した無人走行車の配車依頼を受け付けると、前記配車希望者に対して無人走行車を配車する」のみであって情報処理は特定されておらず、無人走行車の配車という使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工を実現するための具体的手段又は具体的手順が記載されているとはいえない。

 


〔事例 2-14〕 宿泊施設の評判を分析するための学習済みモデル

【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】(発明に該当する(請求項の末尾が「学習済みモデル」であるが「プログラム」の発明として発明に該当))
 宿泊施設の評判に関するテキストデータに基づいて、宿泊施設の評判を定量化した値を出力するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデルであって、
 第1のニューラルネットワークと、前記第1のニューラルネットワークからの出力が入力されるように結合された第2のニューラルネットワークとから構成され、
 前記第1のニューラルネットワークが、少なくとも1つの中間層のニューロン数が入力層のニューロン数よりも小さく且つ入力層と出力層のニューロン数が互いに同一であり各入力層への入力値と各入力層に対応する各出力層からの出力値とが等しくなるように重み付け係数が学習された特徴抽出用ニューラルネットワークのうちの入力層から中間層までで構成されたものであり、
 前記第2のニューラルネットワークの重み付け係数が、前記第1のニューラルネットワークの重み付け係数を変更することなく、学習されたものであり、
 前記第1のニューラルネットワークの入力層に入力された、宿泊施設の評判に関するテキストデータから得られる特定の単語の出現頻度に対し、前記第1及び第2のニューラルネットワークにおける前記学習済みの重み付け係数に基づく演算を行い、前記第2のニューラルネットワークの出力層から宿泊施設の評判を定量化した値を出力するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデル。

 


関連情報

 


(作成2019.12.19、最終更新2019.12.20)
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