国内優先権制度

1.はじめに

  • 出願後1年以内なら、補正で加入できない事項でも、国内優先権制度を利用すれば、実質的に加入することができます。
  • 国内優先権を主張するメリット、主張の要件及び効果について、確認してみます。特に、どのような場合に優先権主張の効果が得られるのか(先の出願日を確保できるのか)について、確認してみます。
  • 特許庁「特許・実用新案 審査基準」に基づき、実務上、特に必要と思われる箇所を抜粋しつつみていきます。「パリ条約による優先権」に準ずるとされる箇所については、「国内優先権」への読み替えを試みました。
  • 参考文献:特許庁編『工業所有権法逐条解説 第20版』、吉藤幸朔著『特許法概説 第10版』(有斐閣、1994年)
  • 関連情報:国内優先権制度(条文解読)「係る」とは?(係るの意味)
  • 本ページの解説動画国内優先権制度【動画】

 


2.国内優先権とは

国内優先権制度とは、自己の「先の出願」の発明を含めた内容について、優先権を主張して「後の出願」をした場合には、後の出願に係る発明のうち、先の出願の当初明細書等に記載されている発明については、先の出願時を基準に新規性や進歩性等を判断する制度です(特許法41条)。

つまり、先の出願に基づき国内優先権主張出願をした場合、新規性や進歩性等の特許要件の審査に関し、先の出願に記載されている発明については、先の出願時を基準に判断され、後の出願で加入された発明については、後の出願時を基準に判断される、ということです。

なお、「当初明細書等」とは、出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面をいいます。
また、先の出願は、特許出願に限らず、実用新案登録出願でも構いません。

国内優先権

 


3.国内優先権のメリット

  • 基本発明と改良発明等とをまとめて一つの出願とすることで、技術開発の成果を包括的に漏れのない形で保護することができます。
  • 仮に別個の出願とした場合には、実質的に同一発明であるとして拒絶されることがあります(先願(特許法39条))。一方、もとの出願に補正で加入することも容易ではありません(新規事項追加禁止(特許法17条の2第3項))。ところが、国内優先権制度を利用すれば、先の出願の発明を含めて一出願にまとめることができ、技術開発の成果を包括的に漏れのない形で円滑に保護することができます。
  • 一つの出願にまとめることで、その後の手続や費用の削減を図ることができます。
  • 実施例を補充したり(実施例補充型)、複数の着想をまとめたり(上位概念抽出型)、物とその製法としてまとめたり(出願の単一性制度利用出願型)するのに利用できます。

 


4.国内優先権の主張の要件

4-1.国内優先権を主張することができる者

  • 先の出願の出願人です。先の出願の出願人と後の出願の出願人とが、後の出願の時点において、同一であることが必要です。
  • 先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、後の出願の際に、その者の承諾を得ていることが必要です。

 

4-2.国内優先権の主張を伴う後の出願ができる期間(優先期間)

  • 原則として、先の出願の日から1年です。

 

4-3.国内優先権の主張の基礎とすることができる先の出願

次に掲げる(i)から(iv)までのいずれかに該当する場合を除き、先の出願は、国内優先権の主張の基礎とすることができます。

  • (i) 先の出願が出願の分割に係る新たな出願、出願の変更に係る出願、又は実用新案登録に基づく特許出願である場合
  • (ii) 先の出願が国内優先権の主張を伴う後の出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
  • (iii) 先の出願について、国内優先権の主張を伴う後の出願の際に、査定又は審決が確定している場合
  • (iv) 先の出願について、国内優先権の主張を伴う後の出願の際に、実用新案権の設定の登録がされている場合

 


5.国内優先権の主張の効果

国内優先権の主張を伴う後の出願に係る発明のうち、その国内優先権の主張の基礎とされた先の出願の当初明細書等に記載されている発明については、主として、以下の(i)から(v)までの実体審査に係る規定の適用に当たり、当該後の出願が当該先の出願の時にされたものとみなされます。

すなわち、国内優先権の主張を伴う後の出願に係る発明のうち、先の出願の当初明細書等に記載された発明について、その発明に関する特許要件(先後願、新規性、進歩性等)の判断の時点については、後の出願(優先権の主張を伴う出願)の日又は時ではなく、先の出願の日又は時になされたものとして扱い、先の出願の日と後の出願の日の間になされた他人の出願等を排除し、又はその間に公知となった情報によっては特許性を失わない、という優先的な取扱いが認められます。

  • (i) 新規性(第29条第1項)
  • (ii) 進歩性(第29条第2項)
  • (iii) 拡大先願(第29条の2本文)
  • (iv) 発明の新規性喪失の例外(第30条第1項及び第2項)
  • (v) 先願(第39条第1項から第4項まで)

 


6.国内優先権の主張の効果についての判断

6-1.国内優先権の主張の効果についての判断が必要な場合

  • 先の出願の出願日と後の出願の出願日との間に、拒絶理由の根拠となり得る先行技術等が存在する場合のみ、優先権の主張の効果が認められるか否かについて判断すれば足ります。

 

6-2.判断の対象

  • 原則として請求項ごとに判断されます。
  • 一の請求項において発明特定事項が選択肢で表現されている場合は、各選択肢に基づいて把握される発明について国内優先権の主張の効果が判断されます。
  • 新たに実施の形態が追加された場合には、請求項に係る発明のうち新たに実施の形態が追加された部分について、それ以外の部分とは別に国内優先権の主張の効果が判断されます。

 

6-3.先の出願の当初明細書等に記載した事項との対比及び判断

  • 後の出願の明細書、特許請求の範囲及び図面が先の出願について補正されたものであると仮定した場合において、その補正がされたことにより、後の出願の請求項に係る発明が、「先の出願の当初明細書等」との関係において、新規事項の追加されたものとなる場合には、国内優先権の主張の効果が認められません
  • すなわち、当該補正が、請求項に係る発明に、「先の出願の当初明細書等に記載した事項」との関係において、新たな技術的事項を導入するものであった場合には、優先権の主張の効果が認められません。

 


7.後の出願の請求項に係る発明が、先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内のものとされない主な類型

7-1.先の出願の当初明細書等に記載した事項以外の事項が請求項に係る発明特定事項として記載されている場合

後の出願の請求項に、先の出願の当初明細書等に記載されていない発明特定事項を記載することにより、後の出願の請求項に係る発明が、先の出願の当初明細書等に記載した事項との関係において、新規事項の追加されたものとなる場合には、国内優先権の主張の効果は認められません。例えば、以下の場合がこれに該当します。

  • (i) 先の出願の出願書類に記載された構成要素と後の出願で新たに追加された構成要素を組み合わせて請求項に係る発明とする場合
  • (ii) 先の出願の出願書類に記載された上位概念の発明から下位概念の要素を選択した選択発明を、後の出願において請求項に係る発明とする場合

 

7-2.実施の形態の追加や発明特定事項の一部の削除等の場合

先の出願の当初明細書等には記載されていない事項(新たな実施の形態等)を後の出願の当初明細書等に記載する、記載されていた事項を削除(発明特定事項の一部の削除等)する等の結果、後の出願の請求項に係る発明に、先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲を超える部分が含まれることになる場合は、その部分については、国内優先権の主張の効果は認められません。

なお、この類型に関しては、以下の点に留意する必要があります。

  • (i) 後の出願の一の請求項に係る発明のうち、先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内のものと認められる部分があるときは、その部分については国内優先権の主張の効果が認められます
  • (ii) 新たな実施の形態を追加したことによって、部分的に国内優先権の主張の効果が認められなくなった場合でも、補正によってその実施の形態を削除することによって、後の出願の請求項に係る発明が、先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲を超えないこととなれば、国内優先権の主張の効果が認められることになります。

 

例:先の出願の当初明細書等の記載から実施可能であった発明に新たに実施の形態が追加された結果、後の出願の請求項に係る発明に、先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲を超える部分が含まれることになる場合の例
[先の出願]
先の出願の請求項に係る発明がミラー角度調整手段を含む光走査装置であって、その実施の形態として、ネジによりミラー角度を調整する光走査装置のみが記載されている。
[後の出願]
後の出願の請求項に係る発明は、先の出願の請求項に係る発明と文言上同じくミラー角度調整手段を含む光走査装置であるが、実施の形態として、ミラーを圧電素子により自動調整する光走査装置が新たに追加された。
(優先権についての判断)
後の出願の請求項に係る発明のうち、ミラーを圧電素子により自動調整する光走査装置に対応する部分については、優先権の主張の効果が認められない。先の出願の当初明細書等に記載した事項の範囲内のものについてのみ優先権の主張の効果が認められる。
(説明)
この例の場合は、先の出願の当初明細書等には、ミラーを圧電素子により自動調整する実施の形態は記載されていない。この実施の形態を追加したことにより、後の出願の請求項に係る発明が、先の出願の当初明細書等に記載した事項との関係において、新規事項の追加されたものとなる。したがって、この新規事項の追加された部分については、優先権の主張の効果が認められない。

 

7-3.後の出願の請求項に係る発明が、後の出願において初めて実施可能となる場合

先の出願の当初明細書等の記載に基づいて当業者が実施をすることができなかった発明が、実施の形態の追加や生物学的材料の寄託等により実施をすることができるものとなった場合は、後の出願の請求項に係る発明が、先の出願の当初明細書等に記載した事項との関係において、新規事項の追加されたものとなります。したがって、国内優先権の主張の効果は認められません。優先日から後の出願の出願日までの間の技術常識の変化により、後の出願の請求項に係る発明が、実施可能となった場合も同様に扱われます。

 


8.部分優先又は複合優先

後の出願には、先の出願に含まれていなかった構成部分が含まれる場合があります。このような場合にも、先の出願に含まれている構成部分について、優先権を主張することができます(いわゆる「部分優先」)。

複数の先の出願をそれぞれ基礎として国内優先権を主張して出願することもできます(いわゆる「複合優先」)。

このような場合の国内優先権の主張の効果については、下記に従って判断されます。

 

8-1.部分優先の取扱い(後の出願の一部の請求項又は選択肢に係る発明が先の出願に記載されている場合の取扱い)

後の出願の一部の請求項又は選択肢に係る発明のうち先の出願に記載されている部分について、対応する先の出願に基づく国内優先権の主張の効果の有無が判断されます。

例:後の出願の請求項に係る発明の、一部の選択肢が先の出願の当初明細書等に記載されている場合の例
[先の出願]
先の出願の請求項に係る発明はアルコールの炭素数が1~5であることを含むもので、その当初明細書等にはアルコールの炭素数が1~5 のものの実施の形態のみが記載されている。
[後の出願]
後の出願の請求項に係る発明は、アルコールの炭素数が1~10であることを含むものである。
(優先権についての判断)
後の出願の請求項に係る発明のうち、アルコールの炭素数が1~5の部分については、先の出願の当初明細書等に記載されているから、優先権の主張の効果が認められる。他方、アルコールの炭素数が6~10の部分については、先の出願の当初明細書等に記載した事項との関係において、新規事項の追加に該当するものであるから、優先権の主張の効果が認められない。

 

8-2.複合優先の取扱い(後の出願が二以上の先の出願に基づく国内優先権の主張を伴っている場合の取扱い)

(1) 後の出願の一部の請求項又は選択肢に係る発明が一の先の出願に記載されており、他の一部の請求項又は選択肢に係る発明が他の先の出願に記載されている場合
この場合には、各請求項又は選択肢ごとに、対応する先の出願に基づく国内優先権の主張の効果の有無が判断されます。

例:複数の先の出願に記載されている事項を複合して、後の出願の一の請求項に記載する場合の例
[先の出願]
先の出願Aの当初明細書等にはアルコールの炭素数が1~5であることが記載されており、他の先の出願Bの当初明細書等にはアルコールの炭素数が6~10であることが記載されている。
[後の出願]
先の出願A及びBの双方に基づく優先権を主張して出願された発明は、アルコールの炭素数が1~10であることを含むものである。
(優先権についての判断)
後の出願に係る発明は選択肢を有するので、選択肢ごとに判断を行い、アルコールの炭素数が1~5の部分については先の出願Aを基礎とする優先権の主張の効果が認められる。アルコールの炭素数が6~10の部分については先の出願Bを基礎とする優先権の主張の効果が認められる。

 

(2) 後の出願が二以上の先の出願に基づく国内優先権の主張を伴い、後の出願の請求項に記載された発明特定事項が、複数の先の出願に共通して記載されている場合
この場合には、その発明特定事項が記載されている先の出願のうち最先のものの出願日を基準日として審査されます。

 

(3) 二以上の先の出願に基づく国内優先権の主張を伴う後の出願の請求項に係る発明が、それぞれの先の出願の当初明細書等に記載された事項を結合したものであって、その結合についてはいずれの先の出願の当初明細書等にも記載されていない場合
この場合には、いずれの出願に基づく優先権の主張の効果も認められません。

例:後の出願の請求項に係る発明が、先の出願のいずれにも記載されていない場合の例
[先の出願]
先の出願Aの当初明細書等には「温度センサーと、温度センサーからの信号を受けて遮光幕を開閉する遮光幕開閉機構とを備えた温室」が記載されており、他の先の出願Bの当初明細書等には「湿度センサーと、湿度センサーからの信号を受けて換気窓を開閉する換気窓開閉機構とを備えた温室」が記載されている。
[後の出願]
先の出願A及びBの双方に基づく優先権を主張してなされた後の出願の請求項に係る発明が「温度センサーと、温度センサーからの信号を受けて換気窓を開閉する換気窓開閉機構とを備えた温室」に関するものである。
(優先権についての判断)
温度センサーと、温度センサーからの信号を受けて換気窓を開閉する換気窓開閉機構とを備えた温室は、先の出願A又はBのいずれの当初明細書等にも記載されておらず、新規事項に該当するものである。したがって、いずれの出願に基づく優先権の主張の効果も認められない。

 


9.国内優先権の主張の基礎とされる先の出願が優先権の主張を伴う場合の取扱い

国内優先権の基礎とされる先の出願(第二の出願)が、その出願の前になされた出願(第一の出願)に基づく国内優先権の主張、パリ条約による優先権の主張又はパリ条約の例による優先権の主張を伴っている場合に、第二の出願の当初明細書等に記載された事項のうち第一の出願の当初明細書等に既に記載されている発明については国内優先権の主張の効果は認められません。第一の出願に記載された発明について再度(すなわち累積的に)優先権を認めるとすると、実質的に優先期間を延長することになるからです。

 


10.国内優先権の主張の基礎とされた出願の取下げ

(1) 国内優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から1年4月を経過した時に取り下げられたものとみなされます。ただし、以下の(i)から(iv)までのいずれかの場合は、この限りではありません。

  • (i) 先の出願が放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
  • (ii) 先の出願について査定又は審決が確定している場合
  • (iii) 先の出願について実用新案登録の設定の登録がなされている場合
  • (iv) 先の出願に基づく全ての国内優先権の主張が取り下げられている場合

(2) 国内優先権の主張を伴う後の出願の出願人は、先の出願の日から1年4月経過後は、その主張を取り下げることができません。また、国内優先権の主張を伴う後の出願が先の出願の日から1年4月以内に取り下げられたときは同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなされます

 


参考条文(2020.01.08)

特許法

(特許出願等に基づく優先権主張)
第41条 特許を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その特許出願に係る発明について、その者が特許又は実用新案登録を受ける権利を有する特許出願又は実用新案登録出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができる。ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限る。
  一 その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その特許出願を先の出願の日から一年以内にすることができなかつたことについて正当な理由がある場合であつて、かつ、その特許出願が経済産業省令で定める期間内にされたものである場合を除く。)
  二 先の出願が第44条第1項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第46条第1項若しくは第2項の規定による出願の変更に係る特許出願若しくは第46条の2第1項の規定による実用新案登録に基づく特許出願又は実用新案法第11条第1項において準用するこの法律第44条第1項の規定による実用新案登録出願の分割に係る新たな実用新案登録出願若しくは実用新案法第10条第1項若しくは第2項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願である場合
  三 先の出願が、その特許出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合
  四 先の出願について、その特許出願の際に、査定又は審決が確定している場合
  五 先の出願について、その特許出願の際に、実用新案法第14条第2項に規定する設定の登録がされている場合
 2 前項の規定による優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第8条第1項の規定による優先権の主張又は第43条第1項、第43条の2第1項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)若しくは第43条の3第1項若しくは第2項(これらの規定を同法第11条第1項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)についての第29条、第29条の2本文、第30条第1項及び第2項、第39条第1項から第4項まで、第69条第2項第二号、第72条、第79条、第81条、第82条第1項、第104条(第65条第6項(第184条の10第2項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)並びに第126条第7項(第17条の2第6項、第120条の5第9項及び第134条の2第9項において準用する場合を含む。)、同法第7条第3項及び第17条、意匠法第26条、第31条第2項及び第32条第2項並びに商標法(昭和34年法律第127号)第29条並びに第33条の2第1項及び第33条の3第1項(これらの規定を同法第68条第3項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当該特許出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。
 3 第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願にあつては、外国語書面)に記載された発明のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(当該先の出願が外国語書面出願である場合にあつては、外国語書面)に記載された発明(当該先の出願が同項若しくは実用新案法第8条第1項の規定による優先権の主張又は第43条第1項、第43条の2第1項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)若しくは第43条の3第1項若しくは第2項(これらの規定を同法第11条第1項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面に相当するものに限る。)に記載された発明を除く。)については、当該特許出願について特許掲載公報の発行又は出願公開がされた時に当該先の出願について出願公開又は実用新案掲載公報の発行がされたものとみなして、第29条の2本文又は同法第3条の2本文の規定を適用する。
 4 第1項の規定による優先権を主張しようとする者は、その旨及び先の出願の表示を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。

(先の出願の取下げ等)
第42条 前条第1項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなす。ただし、当該先の出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、当該先の出願について査定若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について実用新案法第14条第2項に規定する設定の登録がされている場合又は当該先の出願に基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。
 2 前条第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願の出願人は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した後は、その主張を取り下げることができない。
 3 前条第1項の規定による優先権の主張を伴う特許出願が先の出願の日から経済産業省令で定める期間内に取り下げられたときは、同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなす。

 


(作成2020.01.08、最終更新2020.08.29)
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