特許異議申立制度(条文解読)

特許異議申立制度とは

特許異議申立制度とは、特許付与後の一定期間に限り、広く第三者に特許の見直しを求める機会を付与し、申立てがあったときは、特許庁自らが当該特許処分の適否について審理し、当該特許に瑕疵があるときは、その是正を図ることにより、特許の早期安定化を図る制度をいいます(特許庁審判部編『審判便覧 67-00』)。

 

特許法には、第113条から第120条の8まで、「特許異議の申立て」について、規定されています。
以下、これら条文を解読することで、特許異議申立制度を確認してみます。

なお、本頁末尾の掲載日時点の弊所把握情報です。最新かつ正確な情報は、特許庁ホームページでご確認ください。

参考文献:特許庁編『工業所有権法逐条解説 第20版』、『審判便覧(第18版)』、『特許異議の申立てQ&A』

 


第113条

(特許異議の申立て)
第113条 何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号のいずれかに該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。この場合において、二以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。

  一 その特許が第17条の2第3項(新規事項追加禁止)に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたこと。

  二 その特許が第25条(外国人の権利享有)、第29条(新規性・進歩性)、第29条の2(拡大先願)、第32条(不特許事由(公序良俗・公衆衛生))又は第39条第1項から第4項まで(先願)の規定に違反してされたこと。

  三 その特許が条約に違反してされたこと。

  四 その特許が第36条第4項第一号(発明の詳細な説明の記載要件としての実施可能要件・委任省令要件)又は第6項(特許請求の範囲の記載要件としてのサポート要件・明確性要件・簡潔性要件)(第四号(委任省令要件)を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと。

  五 外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。

 

【拒絶理由であって異議申立理由でないもの】

  • 第49条第一号(第17条の2第4項):シフト補正禁止
  • 第49条第四号(第36条第6項第四号):特許請求の範囲の記載要件のうち委任省令要件
  • 第49条第四号(第37条):発明の単一性
  • 第49条第五号(第36条第4項第二号):所定通知後の文献公知情報記載違反
  • 第49条第二号(第38条):共同出願
  • 第49条第七号:冒認出願

 

【無効理由であって異議申立理由でないもの】

  • 第123条第1項第二号(第38条):共同出願
  • 第123条第1項第六号:冒認出願
  • 第123条第1項第七号:特許後の後発的事由による外国人の権利享有違反及び条約違反
  • 第123条第1項第八号:訂正要件違反

 


第114条

(決定)
第114条 特許異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。

 2 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号のいずれかに該当すると認めるときは、その特許を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。

 3 取消決定が確定したときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす

 4 審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号のいずれかに該当すると認めないときは、その特許を維持すべき旨の決定をしなければならない。

 5 前項の決定(維持決定)に対しては、不服を申し立てることができない

 


第115条

(申立ての方式等)
第115条 特許異議の申立てをする者は、次に掲げる事項を記載した特許異議申立書を特許庁長官に提出しなければならない。
  一 特許異議申立人及び代理人の「氏名又は名称」及び「住所又は居所」
  二 特許異議の申立てに係る特許の表示(特許異議の申立ての対象となっている特許の特許番号及び請求項の表示)
  三 特許異議の「申立ての理由」及び「必要な証拠の表示

 

 2 前項の規定により提出した特許異議申立書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならないただし、第113条に規定する期間(特許異議申立期間)が経過する時又は第120条の5第1項(取消理由通知)の規定による通知がある時のいずれか早い時までにした前項第三号(「申立ての理由」及び「必要な証拠の表示」)に掲げる事項についてする補正は、この限りでない

  • 特許異議の申立ては、一定期間に限り、これを認めるものであることから、特許異議申立書の要旨を変更する補正は、原則認めない。ただし、特許異議の申立てに必要な証拠の準備を考慮して、「申立ての理由」及び「必要な証拠の表示」については、所定の期間、補正を認める。特許異議申立期間中に審理が開始され、取消理由通知があった場合は、審理の効率化の観点から、特許異議申立期間が経過する前であっても、特許異議申立書の要旨を変更するような補正は認めない。

 

 3 審判長は、特許異議申立書の副本を特許権者に送付しなければならない。

  • 権利者に対し、意見書等の提出義務を生じさせるものではないため、副本の「送達」ではなく「送付」。

 

 4 第123条第4項(専用実施権者等への通知)の規定は、特許異議の申立てがあつた場合に準用する。

  • 審理への参加の機会を与えるため。

 


第116条

(審判官の指定等)
第116条 第136条第2項(過半数議決)及び第137条から第144条まで(審判官の指定、審判長の指定、審判官の除斥忌避)の規定は、第114条第1項(特許異議申立ての審理及び決定)の合議体及びこれを構成する審判官に準用する。

  • 第137条:審判官の指定
  • 第138条:審判長
  • 第139条:審判官の除斥
  • 第140条:除斥の申立
  • 第141条:審判官の忌避
  • 第142条:除斥又は忌避の申立の方式
  • 第143条:除斥又は忌避の申立についての決定
  • 第144条:除斥忌避の申立による審判手続の中止

 


第117条

(審判書記官)
第117条 特許庁長官は、各特許異議申立事件について審判書記官を指定しなければならない。

 2 第144条の2第3項から第5項まで(審判書記官の業務、審判書記官の除斥忌避)の規定は、前項の審判書記官に準用する。

 


第118条

(審理の方式等)
第118条 特許異議の申立てについての審理は、書面審理による。

 2 共有に係る特許権の特許権者の一人について、特許異議の申立てについての審理及び決定の手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、共有者全員についてその効力を生ずる

 


第119条

(参加)
第119条 特許権についての権利を有する者その他特許権に関し利害関係を有する者は、特許異議の申立てについての決定があるまでは、特許権者を補助するため、その審理に参加することができる

 2 第148条第4項(参加人は一切の審判手続可)及び第5項(参加人についての中断中止は被参加人にも)並びに第149条(参加申請書と参加決定)の規定は、前項の規定による参加人に準用する。

 


第120条

(証拠調べ及び証拠保全)
第120条 第150条及び第151条(審判における証拠調べ及び証拠保全)の規定は、特許異議の申立てについての審理における証拠調べ及び証拠保全に準用する。

 


第120条の2

(職権による審理)
第120条の2 特許異議の申立てについての審理においては、特許権者、特許異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる

 2 特許異議の申立てについての審理においては、特許異議の申立てがされていない請求項については、審理することができない

 


第120条の3

(申立ての併合又は分離)
第120条の3 同一の特許権に係る二以上の特許異議の申立てについては、その審理は、特別の事情がある場合を除き、併合するものとする。

  • 「特別の事情がある場合」とは、審理を併合することによって審理の続行が困難になる、あるいは、著しく遅延するおそれがある場合(例えば、二つの特許異議の申立ての一つについて特許異議申立書の却下がなされ、当該決定に対し訴えが提起された場合など)等をいう。

2 前項の規定により審理を併合したときは、更にその審理の分離をすることができる

  • 第2項には「特別の事情がある場合」との規定はないが、審理の分離は、いつでも裁量で行えるのではなく、併合後に第1項と同様の事情が生じた場合に限られると解される。

 


第120条の4

(申立ての取下げ)
第120条の4 特許異議の申立ては、次条第1項(取消理由通知)の規定による通知があつた後は、取り下げることができない。

  • 取消理由通知後は、たとえ特許権者の承諾があっても特許異議の申立ての取下げは認められない。

 

 2 第155条第3項(無効審判の請求項ごとの取下げ)の規定は、特許異議の申立ての取下げに準用する。

  • 特許異議の申立てが請求項ごとにできることに対応して、その申立ての取下げについても請求項ごとにできる。

 


第120条の5

(意見書の提出等)
第120条の5 審判長は、取消決定をしようとするときは、特許権者及び参加人に対し、特許の取消しの理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。

 

 2 特許権者は、前項の規定により指定された期間内に限り、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正を請求することができる。ただし、その訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
  一 特許請求の範囲の減縮
  二 誤記又は誤訳の訂正
  三 明瞭でない記載の釈明
  四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。

 

 3 二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合には、請求項ごとに前項の訂正の請求をすることができるただし、特許異議の申立てが請求項ごとにされた場合にあつては、請求項ごとに同項の訂正の請求をしなければならない

  • ただし書は、特許異議の申立てが請求項ごとにされた場合に、その決定の確定を請求項単位で行えるようにするための規定である。

 

 4 前項の場合において、当該請求項の中に一の請求項の記載を他の請求項が引用する関係その他経済産業省令で定める関係を有する一群の請求項(以下「一群の請求項」という。)があるときは、当該一群の請求項ごとに当該請求をしなければならない

  • 「経済産業省令で定める関係」とは、一の請求項の記載を他の請求項が引用する関係が、当該関係に含まれる請求項を介して他の一の請求項の記載を他の請求項が引用する関係と一体として特許請求の範囲の全部又は一部を形成するように連関している関係をいう(特許法施行規則 第45条の4)。
  • 詳しくは、本書末尾の「一群の請求項とは」をご覧ください(審判便覧38―01)。

 

 5 審判長は、第1項(取消理由通知)の規定により指定した期間内に第2項の訂正の請求があつたときは、「(a)第1項の規定により通知した特許の取消しの理由を記載した書面」並びに「(b)訂正の請求書及びこれに添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面の副本」を特許異議申立人に送付し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならないただし、「(x)特許異議申立人から意見書の提出を希望しない旨の申出があるとき」、又は「(y)特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるとき」は、この限りでない

  • ただし書の「特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情」とは、迅速かつ効率的な審理の観点から、訂正請求の内容が実質的に判断に影響を与えるものではない場合等、特許異議申立人に意見を聞くまでもないことが認められる場合等をいう。

 

 6 審判長は、第2項の訂正の請求が「同項ただし書各号に掲げる事項を目的とせず」、又は「第9項において読み替えて準用する第126条第5項から第7項までの規定に適合しないとき」は、特許権者及び参加人にその理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない

【訂正要件】

  • 第120条の5第2項訂正の目的((1)特許請求の範囲の減縮、(2)誤記誤訳の訂正、(3)明瞭でない記載の釈明、(4)他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること(書き下しをすること))
  • 第126条第5項特許明細書等(誤記誤訳の訂正の場合は当初明細書等(外国語書面出願の場合は外国語書面))の範囲内訂正(新規事項追加禁止
  • 第126条第6項特許請求の範囲の拡張変更禁止
  • 第126条第7項独立特許要件特許異議の申立てがされていない請求項に係るものであって、特許請求の範囲の減縮または誤記誤訳の訂正を目的とするものに限る。(第120条の5第9項の読替え))

 

 7 第2項の訂正の請求がされた場合において、その特許異議申立事件において先にした訂正の請求があるときは、当該先の請求は、取り下げられたものとみなす。

  • 複数の訂正請求が並存した場合、先の訂正請求は取り下げられたものとみなす。

 

 8 第2項の訂正の請求は、同項の訂正の請求書に添付された訂正した明細書、特許請求の範囲又は図面について第17条の5第1項(訂正明細書等の補正)の補正をすることができる期間内に限り、取り下げることができる。この場合において、第2項の訂正の請求を第3項又は第4項の規定により請求項ごとに又は一群の請求項ごとにしたときは、その全ての請求を取り下げなければならない

 

 9 第126条第4項から第7項まで、第127条、第128条、第131条第1項、第3項及び第4項、第131条の2第1項、第132条第3項及び第4項並びに第133条第1項、第3項及び第4項の規定は、第2項の場合に準用する。この場合において、第126条第7項中「第1項ただし書第一号又は第二号」とあるのは、「特許異議の申立てがされていない請求項に係る第1項ただし書第一号又は第二号」と読み替えるものとする。

 訂正の要件、手続、効果及び訂正請求書の方式等について、必要な読替規定を置きつつ、訂正審判の関連規定を準用する。

  • 第126条第4項:明細書又は図面の訂正が複数の請求項に係る発明と関係する場合、当該関係する請求項の全てについて請求をしなければならない。
  • 第126条第5項:特許後の訂正は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしなければならない(新規事項追加禁止)。ただし、誤記誤訳の訂正の場合は、当初明細書等(外国語書面出願の場合は外国語書面)の範囲内においてしなければならない。
  • 第126条第6項:特許後の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならない。
  • 第126条第7項:(読替後)特許異議の申立てがされていない請求項に係るものであって、特許請求の範囲の減縮または誤記誤訳の訂正を目的とする訂正は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない(独立特許要件)。
  • 第127条:訂正を請求する場合には、利害関係者の承諾を得なければならない。
  • 第128条:訂正が認められた場合、その訂正後における明細書等により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。
  • 第131条第1項、第3項及び第4項:審判請求の方式
  • 第131条の2第1項:審判請求書の補正
  • 第132条第3項及び第4項:共同審判(共有者がその共有に係る権利について審判を請求するときは、共有者の全員が共同して請求しなければならない。審判請求人の一人について、審判手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。)
  • 第133条第1項、第3項及び第4項:審判請求書が方式に違反しているときは、補正を命じ、補正命令に従わないとき(又は不適法な補正をした場合)は、審判長はその手続を決定をもって却下することができる。

 


第120条の6

(決定の方式)
第120条の6 特許異議の申立てについての決定は、次に掲げる事項を記載した文書をもつて行わなければならない。
  一 特許異議申立事件の番号
  二 特許権者特許異議申立人及び参加人並びに代理人の「氏名又は名称」及び「住所又は居所」
  三 決定に係る特許の表示
  四 決定の結論及び理由
  五 決定の年月日

 2 特許庁長官は、決定があつたときは、決定の謄本を「特許権者」、「特許異議申立人」、「参加人」及び「特許異議の申立てについての審理に参加を申請してその申請を拒否された者」に送達しなければならない。

 


第120条の7

(決定の確定範囲)
第120条の7 特許異議の申立てについての決定は、特許異議申立事件ごとに確定する。ただし、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定めるところにより確定する。

  一 請求項ごとに特許異議の申立てがされた場合であつて、一群の請求項ごとに第120条の5第2項の訂正の請求がされた場合 当該一群の請求項ごと

  二 請求項ごとに特許異議の申立てがされた場合であつて、前号に掲げる場合以外の場合 当該請求項ごと

 


第120条の8

(審判の規定等の準用)
第120条の8 第133条、第133条の2、第134条第4項、第135条、第152条、第168条、第169条第3項から第6項まで及び第170条の規定は、特許異議の申立てについての審理及び決定に準用する。

 不適法な特許異議申立書等に対する補正命令及び決定による却下、特許権者等に対する審尋、不適法な特許異議の申立ての決定による却下、審理・訴訟手続の中止及び特許異議の申立てに関する費用に関して審判の規定を準用する。

  • 第133条:審判請求書及びそれ以外の審判事件に係る手続が方式に違反しているときは、補正を命じ、補正命令に従わないとき(又は不適法な補正をした場合)は、審判長はその手続を決定をもって却下することができる。
  • 第133条の2:審判の請求以外の審判事件に係る手続が不適法な手続であってその補正をすることができないものについて、審判長は、決定をもつてその手続を却下することができる。
  • 第134条第4項:審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。
  • 第135条:不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものについては、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、審決をもつてこれを却下することができる。
  • 第152条:審判長は、当事者又は参加人が法定若しくは指定の期間内に手続をしないときであっても、審判手続を進行することができる(職権審理)。
  • 第168条:審判と訴訟との間の進行調整
  • 第169条第3項から第6項:審判における費用の負担
  • 第170条:費用の額の決定の執行力

 2 第114条第5項(維持決定に対する不服申立不可)の規定は、前項において準用する第135条の規定による決定に準用する。

  • 1項において準用する135条の規定による不適法な特許異議の申立て(補正をすることができないもの)の決定による却下に対しては不服を申し立てることができない。なお、これに対し、1項において準用する133条の規定による不適法な特許異議申立書の却下の決定については、不服を申し立てることができる。

 


一群の請求項とは

訂正請求項(記載を訂正する請求項)とその従属項(引用形式請求項)の群を「一群の請求項」といいます。

「一群の請求項」を特定するには、 まず、(1)訂正前の請求項のうち、訂正請求項を特定し、 次に、(2)訂正前の引用関係において、訂正請求項を直接的又は間接的に引用する全ての従属項を特定します。そのような従属項は、通常、訂正請求項の訂正事項を含むことになるので、従属項の記載の訂正の有無にかかわらず、訂正請求項と連動して訂正するものとして扱います。

 

【例】特許請求の範囲が、請求項1と請求項1を引用する請求項2からなり、請求項1の「A」という記載を「A’」に訂正する場合を仮定する。このような場合、請求項1の記載を訂正する訂正事項によって請求項2も連動して訂正されるから、請求項1及び2が「一群の請求項」を構成する。
 請求項-請求項2
 (項番赤字が訂正請求項、青字が「一群の請求項」)

 

【例】特許請求の範囲が、請求項1と、請求項1を引用する請求項2と、請求項2を引用する請求項3からなり、請求項2の「B」という記載を「B’」に訂正する場合を仮定する。このような場合、請求項2の記載を訂正する訂正事項によって請求項3も連動して訂正されるから、請求項2及び3が「一群の請求項」を構成する。しかし、訂正事項の対象とならない請求項1は、訂正前に請求項2と引用関係があるものの、請求項2の記載を訂正する訂正事項によって連動して訂正されるものではないため「一群の請求項」を構成しない。
 請求項1-請求項-請求項3
 (項番赤字が訂正請求項、青字が「一群の請求項」)

 

以上のようにして特定された「一群の請求項」が複数あり、共通の請求項を有する(範囲が一部重複する)「一群の請求項」が2つ以上ある場合、これらの「一群の請求項」は組み合わされて、1つの「一群の請求項」となります。

【例】特許請求の範囲が、請求項1と、請求項2と、請求項1又は2を引用する請求項3からなり、請求項1の「A」という記載を「A’」に訂正する訂正事項1と、請求項2の「B」という記載を「B’」に訂正する訂正事項2がある場合を仮定する。このような場合、上記の説明のとおり、請求項1及び3が「一群の請求項」を構成するとともに、請求項2及び3も「一群の請求項」を構成する。このとき、共通する請求項3を有するこれらの「一群の請求項」は組み合わされて、請求項1~3が1つの「一群の請求項」になる。
 請求項
 請求項┴請求項3
 (項番赤字が訂正請求項、青字が「一群の請求項」)

 


(作成2020.01.10、最終更新2020.05.13)
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