未成年者の特許出願・特許取得

はじめに

高校生など、未成年者でも、特許出願して特許を受けることができます

ただし、未成年者の保護を図るため、特許法には特別の規定が設けられています。

未成年者とは何歳までをいうのか、未成年者の特許手続はどのように行うのか、について解説します。

なお、本頁末尾の掲載日時点の弊所把握情報です。

 


未成年者とは?

未成年者とは、満20歳に達しない者をいいます(民法第4条)。

ただし、満20歳に達しない者でも、婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなされます(民法第753条)。

 

未成年者の特許手続

未成年者は、法定代理人によらなければ、手続をすることができません(特許法第7条第1項)。

つまり、未成年者が自分だけで、特許庁に出願したり、その後の手続を進めたりすることはできません。単に法定代理人の同意を得るだけでは足りず、法定代理人によらなければ、手続をすることができません。

ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りではありません(特許法第7条第1項但書)。
たとえば、法定代理人から営業を許可された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有しますから(民法第6条第1項)、その営業に関する出願手続を自分で(法定代理人によらず)進めることができます。

また、前述したとおり、満20歳に達しない者でも、婚姻をしたときは成年とみなされますから、(もはや未成年者ではないので)ご自身で手続を進めることができます。

 

法定代理人とは?

未成年者の法定代理人は、通常、親権者(父母)です(民法第818条第1項)。

そのため、未成年者が特許出願したりその後の手続をするには、ご両親を介して手続することになります。

 

実際の出願手続は?

願書(特許願)において、発明者や出願人は、未成年者で大丈夫です。なお、出願人が将来の権利者(特許権者)となります。

願書には、未成年者の法定代理人についても記載し、所定の証明書(戸籍謄本・住民票)の提出が必要です。

もちろん、書類の作成や提出などについて、特許事務所の弁理士を代理人(委任代理人)に付けることは可能です。

また、特許料金(特許庁印紙代)の減免を受けられる場合があります。

 


関連条文

特許法

(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)
第7条 未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、手続をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りでない。
 2 被保佐人が手続をするには、保佐人の同意を得なければならない。
 3 法定代理人が手続をするには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。
 4 被保佐人又は法定代理人が、その特許権に係る特許異議の申立て又は相手方が請求した審判若しくは再審について手続をするときは、前二項の規定は、適用しない。

(手続をする能力がない場合の追認)
第16条 未成年者(独立して法律行為をすることができる者を除く。)又は成年被後見人がした手続は、法定代理人(本人が手続をする能力を取得したときは、本人)が追認することができる。
 2 代理権がない者がした手続は、手続をする能力がある本人又は法定代理人が追認することができる。
 3 被保佐人が保佐人の同意を得ないでした手続は、被保佐人が保佐人の同意を得て追認することができる。
 4 後見監督人がある場合において法定代理人がその同意を得ないでした手続は、後見監督人の同意を得た法定代理人又は手続をする能力を取得した本人が追認することができる。

 

民法

(権利能力)
第3条 私権の享有は、出生に始まる。
2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

(成年)
第4条 年齢二十歳をもって、成年とする。

(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
 2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
 3 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

(未成年者の営業の許可)
第6条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
 2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
 2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。

(婚姻による成年擬制)
第753条 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

(親権者)
第818条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
 2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
 3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

 


(作成2021.02.23、最終更新2021.02.24)
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