特許法第46条の条文解読(出願変更)

はじめに

  • 特許法第46条について、条文を解読してみます。
  • 実用新案登録出願から特許出願への変更、意匠登録出願から特許出願への変更についての規定です。
  • 条文等は、本頁末尾の掲載日時点の弊所把握情報です。
  • 本ページの解説動画特許法第46条の条文解読(出願変更)【動画】

 


(出願の変更)
第46条

実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を特許出願に変更することができる。

ただし、その実用新案登録出願の日から3年を経過した後は、この限りでない。

  • 実用新案登録出願を特許出願に変更できる。
  • 但し、出願日から3年経過前に限る。
  • 【参考】特許出願から実用新案登録出願への変更
    実用新案法 第10条第1項
    特許出願人は、その特許出願(特許法第46条の2第1項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(同法第44条第2項(同法第46条第6項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)を除く。)を実用新案登録出願に変更することができる。ただし、その特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月を経過した後又はその特許出願の日から9年6月を経過した後は、この限りでない。
  • 本項(第46条第1項)は、もとの実用新案登録出願が特許庁に係属している場合に、つまり実用新案登録に、その実用新案登録出願を特許出願に変更できる旨の規定である。これに対し、次条(第46条の2)は、実用新案登録に、その実用新案登録に基づき特許出願できる旨の規定である。

 

2 意匠登録出願人は、その意匠登録出願を特許出願に変更することができる。

ただし、
 ・その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月を経過した後
 ・又はその意匠登録出願の日から3年を経過した後(その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月以内の期間を除く。)
は、この限りでない。

  • 意匠登録出願を特許出願に変更できる。
  • 但し、「最初の拒絶査定謄本送達日から3月経過前」又は「出願日から3年経過前」に限る。
  • 【参考】特許出願から意匠登録出願への変更
    意匠法 第13条第1項
    特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる。ただし、その特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月を経過した後は、この限りでない。

 

3 前項ただし書に規定する3月の期間は、
意匠法第68条第1項において準用するこの法律第4条の規定により意匠法第46条第1項(拒絶査定不服審判)に規定する期間が延長されたときは、
その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

  • 意匠登録出願を特許出願に変更可能な時期的要件の内、
    「最初の拒絶査定謄本送達日から3月経過前」の「3月の期間」は、
    意匠登録出願についての拒絶査定不服審判の請求期間(拒絶査定謄本送達日から3月)が延長されたときは、
    その延長された期間、延長されたものとみなす。

 

4 第1項又は第2項の規定による出願の変更があつたときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす。

  • 実用新案登録出願から特許出願への変更があったときは、もとの実用新案登録出願は、取下擬制される。
  • 意匠登録出願から特許出願への変更があったときは、もとの意匠登録出願は、取下擬制される。

 


 ・第1項(実用新案登録出願から特許出願への変更)の規定による出願の変更をする者がその責めに帰することができない理由により同項ただし書に規定する期間内(実用新案登録出願日から3年経過前)にその出願の変更をすることができないとき
 ・又は第2項(意匠登録出願から特許出願への変更)の規定による出願の変更をする者がその責めに帰することができない理由により同項ただし書に規定する3年の期間内(意匠登録出願日から3年経過前)にその出願の変更をすることができないときは、
 これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から14日(在外者にあつては、2月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後6月以内にその出願の変更をすることができる。

 

6 第44条第2項から第4項までの規定は、第1項又は第2項の規定による出願の変更の場合に準用する。

  • 第44条第2項~第4項(特許出願の分割)
    2 前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなすただし、『新たな特許出願が「第29条の2(拡大先願)に規定する他の特許出願」又は「実用新案法第3条の2(拡大先願)に規定する特許出願」に該当する場合におけるこれらの規定の適用』及び『第30条第3項(新規性喪失の例外規定の適用手続)の規定の適用』については、この限りでない。
    3 第1項に規定する新たな特許出願をする場合における第43条第2項(パリ条約優先権証明書の提出)(第43条の2第2項(優先期間徒過救済措置による優先権主張)(前条(第43条の3)第3項(パリ条約の例による優先権主張)において準用する場合を含む。)及び前条(第43条の3)第3項(パリ条約の例による優先権主張)において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第43条第2項中「最先の日から1年4月以内」とあるのは、「最先の日から1年4月又は新たな特許出願の日から3月のいずれか遅い日まで」とする
    4 第1項に規定する新たな特許出願をする場合には、もとの特許出願について提出された書面又は書類であつて、新たな特許出願について第30条第3項(新規性喪失の例外規定の適用手続)、第41条第4項(国内優先権主張書)又は第43条第1項(パリ条約優先権主張書)及び第2項(パリ条約優先権証明書(これらの規定を第43条の2第2項(優先期間徒過救済措置による優先権主張)(前条(第43条の3)第3項(パリ条約の例による優先権主張)において準用する場合を含む。)及び前条(第43条の3)第3項(パリ条約の例による優先権主張)において準用する場合を含む。)の規定により提出しなければならないものは、当該新たな特許出願と同時に特許庁長官に提出されたものとみなす
  • 詳しくは「第44条(特許出願の分割)」の条文解読をご覧ください。

 


(作成2021.07.02、最終更新2021.07.24)
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