特許事務所・弁理士の守秘義務

目次

 


はじめに

弁理士とは、特許権、実用新案権、意匠権および商標権など、知的財産権に関する専門家(国家資格)です。

特許庁への登録として、技術的アイデアを保護するための特許・実用新案登録、物品等のデザインを保護するための意匠登録、商品またはサービスに使用するネーミングやマーク等を保護するための商標登録があります。弁理士は、これら登録のための出願やその後の手続を、お客様を代理して行います。

この処理に当たって、弁理士は、お客様の大切な“マル秘情報”(未公開の情報)を取り扱うことも多いです。

お客様からすれば、この情報を弁理士に開示しても大丈夫だろうか、とご不安に思われるかもしれません。

しかし、特許事務所の弁理士にご相談いただいても、秘密は守られます!

そのための法律上の手当てについて、Q&A形式で解説いたします。

なお、条文等は、本頁末尾の掲載日時点の弊所把握情報です。

 


Q1.特許事務所に相談に行きたいけれど、秘密は守られますか?

弁理士は、法律により、守秘義務を課されています。弁理士登録抹消後についても同様です。

弁理士法には、次の規定があります。

  • 第30条(秘密を守る義務)
    弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
  • 第80条
    …第30条…の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
     前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
  • 第32条(懲戒の種類)
    弁理士がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は弁理士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、経済産業大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
      一 戒告
      二 2年以内の業務の全部又は一部の停止
      三 業務の禁止

 


Q2.弁理士なら、秘密保持契約を結ばない場合でも、秘密は守られますか?

前述のとおり、弁理士は当然に守秘義務を課されておりますので、秘密保持契約がなくても秘密は守られます

 


Q3.出願前に第三者にアイデアを公開すると特許が取れなくなると聞いたことがありますが、弁理士に話すと特許を取れなくなりませんか?

特許要件(特許を受けるための要件)として「新規性」というものがあります。特許出願前に「公然知られた発明」や「公然実施をされた発明」などは特許を受けることができません。そのため、特許出願前に、製品を市場に出したり、アイデアを第三者にしゃべったりすると、(例外規定はあるものの)原則として特許を受けることができません。

しかしながら、守秘義務がある者へのアイデアの開示は、「公然知られた」ことにはなりません。弁理士は、前述のとおり守秘義務を課されていますから、弁理士へのご相談により、新規性を喪失して特許を受けられなくなることはありません

 


Q4.特許事務所の事務員・スタッフが秘密を漏らしたり、盗用したりすることは、どのように防止されているのでしょうか?

弁理士の使用人等についても、法律により、守秘義務を課されています。退職後についても同様です。

また、弁理士には、その使用者等の監督責任があります。

弁理士法には、次の規定があります。

  • 第77条(弁理士の使用人等の秘密を守る義務)
    弁理士…の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、…業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
  • 第80条
    …第77条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
     前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
  • 第32条(懲戒の種類)
    弁理士がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき、又は弁理士たるにふさわしくない重大な非行があったときは、経済産業大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
      一 戒告
      二 2年以内の業務の全部又は一部の停止
      三 業務の禁止

日本弁理士会会則には、次の規定があります。

  • 第46条(使用人等の監督)
    会員は、その使用人その他の従業者に法第77条の規定による秘密を守る義務を遵守させるとともに、その業務の補助について、それらの者に対し、必要な指導及び監督をしなければならない。

 


Q5.本当に弁理士かどうか、確かめる方法はありますか?

弁理士となるには日本弁理士会に備える弁理士登録簿に所定事項の登録を受けなければなりません(弁理士法第17条)。

日本弁理士会が提供する弁理士ナビでは、全国の特許事務所や弁理士を検索することができます。

 


(作成2021.10.13、最終更新2021.10.13)
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