各種投稿

商標類否判断(称呼類似):母音の近似【動画】

商標類否判断のための音(特許庁審決から)について、解説動画をYouTubeに投稿しました(6分09秒)。

商標の称呼類否、つまり読みが似ているか否かの判断の内、「母音の近似」についてみてみます。特許庁審決に基づく法則をご紹介します。

AI(人工知能)が判定するから類似(あるいは非類似)というのではなく、あくまでも「なぜ類似なのか」「なぜ非類似なのか」を探ってみたいと思います。

弊所において編集・加工を行っており、必ずしも審決の抜粋となっておりません。正確な情報、さらに詳細な情報は、審判番号から特許庁審決をご確認ください。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


商標類否判断(称呼類似):母音の近似【動画】

 


(作成2024.03.09、最終更新2024.03.09)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

商標類否判断のための音(特許庁審決から)

称呼の類否判断に必要な「音」の探求

以前、「商標の類否(類似/非類似)」「商標の類否判断(商標審査基準の読解)」「商標の類否判断手順」「商標類否判断のための子音の比較」をご紹介しました。

今回は、称呼類否(つまり「読み」が似ているか否か)を判断する際の各音をどのように観察するか、特許庁審決例をみてみます。

音声学の観点からの特許庁判断を、弊所で集めたものとなります。弊所において編集・加工を行っており、必ずしも審決の抜粋となっておりません。正確な情報、さらに詳細な情報は、審判番号から特許庁審決をご確認ください。

AI(人工知能)が判定するから類似(あるいは非類似)というのではなく、あくまでも「なぜ類似なのか」「なぜ非類似なのか」を探ってみたいと思います。

商標登録出願前の先行商標調査時の類否判断や、出願後の拒絶理由通知対応(意見書作成)などに役立つかもと思い、作成してみました。

特許庁で検索できる範囲に限られますが、それでも膨大な過去の審決例を人力でみて編集しております。また、たとえば、全体の音数や、前後の音に左右されることなどもあると思います。そのため、ご利用にあたっては、審判番号から特許庁審決をご確認ください。

過去の審決があまりに膨大ですし、また日々新しい審決も出ますから、常に【作業中】ともいえます。そのため、適宜、更新予定です。

 


本ページの解説動画

 


目次

下記表の「項目」は、次の順序で並んでいます。今後の編集の都合上、現段階でリンクは付けておりません。ご了承ください。

50音の清音、濁音、半濁音、拗音、撥音(ン)、長音(ー)、促音(ッ)、音質、音調、音節、音感、語頭音、語尾音、中間音などについての判断例です。

お手数ですが、ページをスクロールして、ご希望の項目(音など)をお探しください。

  • アイウエオ
  • 母音の近似のまとめ
  • カキクケコ
  • ガギグゲゴ
  • サシスセソ
  • ザジズゼゾ
  • タチツテト
  • ダデド
  • ナニヌネノ
  • ハヒフヘホ
  • バビブベボ
  • パピプペポ
  • マミムメモ
  • ヤユヨ
  • ラリルレロ
  • ン(撥音:はつおん)
  • キャキュキョ
  • ギャギュギョ
  • シャシュショ
  • ジャジュジョ
  • チャチュチョ
  • ニャニュニョ
  • ヒャヒュヒョ
  • ビャビュビョ
  • ピャピュピョ
  • ミャミュミョ
  • リャリュリョ
  • ファフィフェフォ
  • フュ
  • チェ
  • シェジェ
  • ツァツィツェツォ
  • ティディ
  • デュ
  • トゥ
  • ウィウェウォ
  • ヴィ
  • 長音(ー)
  • 促音(ッ)
  • 音質
  • 音調
  • 音感音調
  • 語調語感
  • 音節
  • 語頭
  • 語尾
  • 中間
  • その他

 


商標類否判断のための「音」の一覧

項目 審決要約 審判番号
開放母音 不服2013-5257
  舌全体が下がった、口の開きの大きい広母音(ひろぼいん) 不服2012-650020
  母音〔a〕と〔e〕は発音の際の舌の位置が近似する 不服2007-5831
  声帯を振動させて発する音 不服2011-10959
  母音「a」は、開母音ではっきりと澄んだ強い音として発音、聴取される 不服2014-1789
  母音[a]と[e]は調音方法が近い音声である 不服2004-12053
  帯有する母音(アとオ)は近似したものである 不服2001-65005
  相違する母音(「a」と「e」)は発音の方法において近似した音である 平成11年審判第725号
  母音(a)は、口を広く開き、舌を低く下げ、その先端を下歯の歯ぐきに触れる程度の位置におき、声帯を振動させて発する音である 平成6年審判第18412号
前舌の狭母音(せまぼいん) 不服2009-16580
  唇を平たく開いて発する音 不服2006-3400
  比較的印象の弱い音 不服2005-65069
  母音「i」と「e」は近似した音として発音、聴取される 不服2009-14604
  帯有する母音(i)と(e)は近似した音 不服2000-17776
  帯有する母音[i]と[u]は調音位置が近い 平成11年審判第15703号
  「キ」と「ク」はいずれも邦語の五十音図における同行音(カ行)に属し、ともに軟口蓋破裂音の無声子音と前舌又は後舌の狭母音とからなる音節であって、構音上極めて近似した音といえる(母音イとウ) 平成11年審判第9778号
  母音(i)音は、くちびるを平たく開き、舌の先を下方に向け、前舌面を高めて高口蓋に接近させ、声帯を振動させて発する音である 平成6年審判第18412号
後舌の狭母音 不服2009-16580
  狭母音 不服2013-5257
  舌の奥が上がった、口の開きの小さな狭母音 不服2012-650020
  母音(u)の調音方法が舌の奥が上がった口の開きの小さな狭母音のために明確さを欠く音である 不服2005-23723
  母音「ウ(u)」が口をつぐむようにして発音されるもので、弱く発音される 不服2000-4212
  母音が後舌狭音(u)と後舌中狭音(o)の僅差に止まる 平成11年審判第20304号
有声の開放音 不服2006-3400
  母音「e」と「a」は近似した音である 不服2009-18631
  母音(e)の調音方法が有声の開放音のため明確に発音される 不服2005-23723
  明瞭に発音される母音である 不服2006-17761
  母音「e」と「i」は、調音方法が近い音声である 不服2003-20534
  母音(e)と(i)はともに両唇を横に引っ張るように発音される、近似した音として聴取される 不服2002-6446
  母音「エ(e)」と「イ(i)」は近似した音である 不服2000-11851
  「エ」と「ア」は、いずれも単母音であって、母音中では近似した音といえる 不服2000-4239
  母音の「e」と「o」は,調音の位置及び方法を異にする 不服2017-2097
「o」の単純母音 不服2011-650014
  唇の両端を少し中央に寄せ、舌を少し後方にひき、後舌面を軟口蓋に向かって高め、声帯の振動によって発する 不服2004-22364
  母音(o) 不服2001-12889
  母音「o」と「a」は、母音三角形の隣同士に位置し、母音の中でも調音方法が近い音声である 不服2000-183
     
母音の近似:イ-エ-ア-オ-ウ-イ 小山メモ
     
比較的聴取され易い破裂音 不服2018-650071
  軟口蓋を調音位置とする破裂音であって、比較的強く響く音である 不服2007-3404
「ク」と「キ」の音は、舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する破裂音であるため、比較的強く発音される 不服2023-75
  邦語の50音図におけるカ行に属し軟口蓋破裂音の無声子音と前舌の狭母音とからなる 不服2009-16580
「ク」と「キ」の音は、舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する破裂音であるため、比較的強く発音される 不服2023-75
  響きの強い破裂音である 不服2016-650058
  後舌面と軟口蓋とで調音し、音声器官を急に閉鎖してとめた息を急に放出して発する無声の軟口蓋破裂音 不服2013-16210
  調音位置(軟口蓋音)、調音方法(破裂音) 不服2010-23966
  口の中を完全に閉鎖し、その後解放し一気に息を出して、後舌と軟口蓋で発する無声の軟口蓋破裂音 不服2010-16576
  邦語の50音図におけるカ行に属し軟口蓋破裂音の無声子音と後舌の狭母音とからなる 不服2009-16580
  破裂音、子音(k)と母音(u)との結合した音節 不服2008-32309
  清音、軟口蓋音とし、破裂音をもって調音される 不服2008-9362
  明瞭に発音される破裂音 不服2007-32618
  軟口蓋を調音位置とする破裂音であって、比較的強く響く音である 不服2007-3404
  母音「u」、子音は後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する音、無声 不服2002-6827
破裂音であって強く発音されやすい 不服2009-5233
軟口蓋を調音点とした破裂音 不服2014-18994
  無声、響きの強い破裂音 不服2014-15430
     
比較的聴取され易い破裂音 不服2013-13453
  子音は軟口蓋と舌の後部で調音される有声子音(g)である、破裂音であるために強く響く音である 不服2006-26944
軟口蓋破裂音 平成11年審判第14033号
濁音、軟口蓋音とし、破裂音をもって調音される 不服2008-9362
  後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発声する有声子音「g」と母音「u」との結合音節で、破裂音で強く響かせ、比較的明瞭に発音される 不服2007-15305
  母音「u」、子音は後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する音、有声 不服2002-6827
後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する破裂音であって、濁音で強く重々しい響きを伴う 不服2013-25075
  「ゲ」の音は、語頭以外では鼻音となることが多い(広辞苑)ことから、比較的明瞭に発音されないものとなる 不服2009-6088
軟口蓋を調音点とした破裂音 不服2014-18994
  有声、響きの強い破裂音 不服2014-15430
     
[s]は調音点が舌先と上の歯茎が関与する音である歯茎音、調音法が口腔内に狭い隙間をつくり、その間を通る呼気の摩擦により産み出される音である摩擦音である 不服2013-7316
無声摩擦子音〔∫〕と母音〔i〕との結合した音節である 不服2009-17102
調音位置(歯音)、調音方法(摩擦音) 不服2010-23966
  口の中に狭めを作り、その隙間に呼気を通して、舌先と歯茎で発する無声の歯茎摩擦音 不服2010-16576
  舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦音であって、比較的弱く響く音 不服2007-32618
  無声摩擦音「s」と母音「u」との結合した音 不服2006-65093
  子音が無声摩擦音「s」、母音「u」 不服2001-15294
無声の歯茎摩擦音 不服2010-16576
  無声摩擦子音〔s〕と母音〔e〕との結合した音節である 不服2009-17102
舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦音と母音「o」 不服2003-5767
     
破裂音を伴う有声破擦音(z)と母音(a)が結合した音であって,比較的聴者の印象に残りやすい 不服2014-650023
  有声歯の摩擦音の子音「z」に母音「a」を伴う音 不服2011-650014
  舌端を前硬口蓋に寄せて発する有声摩擦子音「Z」と母音「a」との結合した音である 不服2009-18631
  有声摩擦音で強く発音、聴取される音 不服2003-13859
歯茎摩擦音 平成11年審判第14033号
破裂音を伴う有声破擦音(z)と母音(u)とを結合した比較的強い音 不服2010-21073
  破裂音を伴う有声破擦音「z」と母音「u」とを結合した比較的強い音 不服2006-65093
  子音(Z)、発音場所(歯茎と舌)、発音方法(有声摩擦音) 不服2006-25442
舌端を前硬口蓋に寄せて発する有声摩擦子音「Z」と母音「e」との結合した音である 不服2009-18631
  有声摩擦子音〔z〕と母音〔e〕との結合した音節である 不服2009-17102
  子音(Z)、発音場所(歯茎と舌)、発音方法(有声摩擦音) 不服2006-25442
  舌端を前硬口蓋に寄せて発音する有声摩擦子音 不服2000-62
   
     
破裂音であって比較的強く響く音である 不服2013-4156
  破裂音である 不服2009-18221
  いったん閉鎖された呼気が、その閉鎖を破って急に発せられる破裂音であって、明確に発音される音である 不服2008-10006
  無声の破裂音 不服2005-14156
破擦音 不服2007-5830
無声破裂音「ts」と母音「u」を結合した音 不服2006-65093
  子音が無声破裂音「ts」、母音「u」 不服2001-15294
無声の破裂音 不服2009-6723
  舌先と上の歯茎との間で調音される破裂音(t)と母音(e)との結合した音節 不服2008-32309
「ト」の音が無声破裂音であり、いったん閉鎖された呼気が、その閉鎖を破って急に発せられるものである 不服2022-15119
  舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させる無声子音〔t〕と母音〔o〕とを結合したもの。破裂音で、子音が無声音。 不服2019-7284
  破裂音であって比較的強く響く音である 不服2013-4156
  清音、歯茎で調音される破裂音 不服2011-21070
  舌先を上前歯のもとに密着して破裂させて発する無声子音(t)と母音(o)との結合した音節であって、明瞭に聴取し得る破裂音である 不服2005-65069
     
有声歯茎破裂音の子音「d」に母音「a」を伴う音 不服2011-650014
  有声の破裂音 不服2005-14156
有声の破裂音 不服2007-9296
  強く響く有声の破裂音であって、調音点が歯茎音である 不服2006-21513
  舌尖を前軟口蓋に接して発する有声破擦子音「d」と母音「e」が結合した音 平成11年審判第18368号
舌尖を上前歯のもとに密着して破裂させる有声子音〔d〕と母音〔o〕とを結合したもの。破裂音で、子音が有声音。 不服2019-7284
  濁音、歯茎で調音される破裂音 不服2011-21070
  有声の破裂音で強い音 不服2009-23503
  濁音にして重々しく響く 不服2008-755
     
通鼻音で柔らかい音 不服2012-17397
  子音「n」は、舌尖を前硬口蓋に接して発する鼻子音であって、響きが弱い 不服2003-13699
やわらかく響く通鼻音である 不服2004-11463
鼻音であり、比較的弱い音として発音される 不服2008-20790
  舌尖を前硬口蓋に接触して発する鼻子音(n)と母音(u)との結合した音節であって、響きの弱い鼻子音 不服2006-7844
  鼻音であって比較的弱い音として発音される 不服2006-17761
  母音(u)の通鼻音で比較的弱い音として発音される 不服2000-13425
調音方法(通鼻音) 不服2010-23966
「ノ」の音が通鼻音であって、比較的弱く発音されるものである 不服2022-15119
  有声の通鼻音で比較的弱い音 不服2009-23503
  鼻子音と母音(o)との音節からなる 平成11年審判第17316号
     
口を大きく開いて両声帯を接近させ、その隙間から発する無声摩擦音「h」と母音「a」との結合した音節である 不服2009-21465
  無声摩擦音〔h〕と母音〔a〕との結合した音節 不服2007-5831
軽い感じを与える音質の清音 不服2003-9746
無声摩擦音で比較的響きの弱い音である 不服2006-23981
  両唇を接近させて、その間隙から発する無声摩擦音(f)と母音(u)との結合した音節 平成11年審判第6445号
無声摩擦音〔h〕と母音〔e〕との結合した音節 不服2007-5831
  無声子音「h」と母音「e」との結合よりなるものであるところ、「h」は気音とも呼ばれ、本来は単なる「いき」であり、特に語頭に位置する場合には、明瞭には発音されず、母音「e」が強く聴取される傾向にある 平成11年審判第10175号
無声摩擦子音(h)と母音(o)とを結合した音節ではっきり発音される 不服2006-13513
     
「ハ」の濁音、強く響く破裂音 不服2014-26224
  鈍く低い音、強く響く破裂音 不服2011-21899
  両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「a」との結合した音 不服2011-9434
  両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「a」との結合した音である(両唇を合わせた破裂音) 不服2008-17230
強く響く破裂音 不服2020-650016
  有声の破裂音であって、低く濁ったような音として聴取される 不服2019-9119
  両唇の閉鎖による破裂音である濁音 不服2006-65096
  強く重い感じを与える音質の濁音 不服2003-9746
  有声破裂音(b)と母音(i)を結合した音節 不服2006-6826
  両唇の閉鎖による両唇音で有声破裂音(b)と母音(i)との結合した音節である 不服2007-8680
  両唇を合わせて破裂させる子音(b)と母音(i)とを結合した音、有声音 不服2001-10769
有声の破裂音であり、比較的強く響く音であって明瞭に発音される 不服2022-21304
  両唇で調音する有声の破裂音「b」に母音「u」を伴う音 不服2019-5273
  有声両唇破裂音の子音「b」に母音「u」を伴う音 不服2011-650028
  両唇を合わせて破裂させる有声子音(b)と母音(u)との結合した音節 平成11年審判第6445号
両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「e」の結合した音 不服2008-17214
  有声破裂音(b)と母音(e)を結合した音節 不服2006-6826
有声の破裂音であり、比較的強く響く音であって明瞭に発音される 不服2022-21304
  有声両唇破裂音の子音「b」に母音「o」を伴う音 不服2011-650028
  両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「o」の結合した音 不服2009-7398
     
「ハ」の半濁音、強く響く破裂音 不服2014-26224
  歯切れ良く澄んだ音、強く響く破裂音 不服2011-21899
  両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「a」との結合した音 不服2011-9434
  無声の破裂音で調音される強い半濁音で明確に強く発音される 不服2008-22601
  両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「a」との結合した音である(両唇を合わせた破裂音) 不服2008-17230
無声の破裂音であって、高く澄んだような音として聴取される 不服2019-9119
  破裂音であって、明瞭に発音される 不服2018-10685
  強く響く破裂音 不服2009-7877
  両唇の閉鎖による破裂音である半濁音 不服2006-65096
  両唇を合わせて破裂させる子音(p)と母音(i)とを結合した音、無声音 不服2001-10769
両唇で調音する無声の破裂音「p」に母音「u」を伴う音 不服2019-5273
両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「e」の結合した音 不服2008-17214
両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「o」の結合した音 不服2009-7398
     
通鼻音である「マ」の子音「m」は強く響くものとはいい難く、これに伴う母音「a」は、開母音ではっきりと澄んだ強い音として発音、聴取されることから、「ア」の音に近似した音として聴取される 不服2014-1789
  通鼻音 不服2008-1116
  両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(a)との結合した音節 平成10年審判第4101号
有声の通鼻音で調音されるやや弱い清音 不服2008-22601
  やわらかく響く通鼻音である 不服2004-11463
「m」の子音に「u」の母音を結合した音節で通鼻音 不服2005-65017
  鼻音であり、比較的弱い音として発音される 不服2008-20790
  両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節であって、響きの弱い鼻子音 不服2006-7844
  鼻音であって比較的弱い音として発音される 不服2006-17761
  母音(u)の通鼻音で比較的弱い音として発音される 不服2000-13425
両唇を密閉し鼻腔を通じて発する鼻音であって、清音で軽やかな澄んだ響きを伴う 不服2013-25075
鼻子音と母音(o)との音節からなる 平成11年審判第17316号
  両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(o)との結合した音節 平成10年審判第4101号
     
有声の摩擦音であり、母音「a」を伴うもので、該母音「a」は広母音で、口を広く開き舌を低く下げ、その先端を下歯の歯茎に触れる程度の位置に置き、声帯を振動させて発する音であって明瞭に発音、聴取される音である 不服2009-17509
摩擦音 不服2007-11511
有声硬口蓋摩擦音の子音「j」に母音「o」を伴う音 不服2011-650014
  硬口蓋と前舌との間を狭めて発する有声の半母音(j)と母音(o)との結合した音節 不服2001-12889
     
弾音である 不服2009-18221
  有声の弾音で比較的強く発音される音である 不服2008-10814
  子音は舌面を硬口蓋に近づけ舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)である、弾音であるために強く響く音である 不服2006-26944
  弾音で強く響く音 不服2012-17397
  舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する 不服2004-22364
  舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音[r]と、母音[a]の結合 不服2004-12053
  舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)。母音(a)は、口を広く開き、舌を低く下げ、その先端を下歯の歯ぐきに触れる程度の位置におき、声帯を振動させて発する音である 平成6年審判第18412号
弾音である 不服2005-20514
  舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声弾音 不服2001-8971
  「ラ」行音で、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)と、母音(i)の結合 不服2002-6446
  舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)。母音(i)音は、くちびるを平たく開き、舌の先を下方に向け、前舌面を高めて高口蓋に接近させ、声帯を振動させて発する音である 平成6年審判第18412号
舌先と歯茎で調音し、呼気によって弾くようにして発する有声の歯茎弾き音 不服2013-16210
  弾音 不服2007-11511
調音方法(弾音) 不服2010-23966
  有声の弾音 不服2009-6723
  舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音[r]と、母音[e]の結合 不服2004-12053
  「ラ」行音で、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)と、母音(e)の結合 不服2002-6446
舌先を硬口蓋に近づけ舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)と母音(o)との結合した音節であって、内にこもるような弾音である 不服2005-65069
     
[w]は調音点が後舌と軟口蓋が関与する音である軟口蓋音、調音法が舌の中央部にやや広い隙間を作り、そこから呼気を出すことによって産み出される音である中央接近音である 不服2013-7316
     
鼻音であって、それ自体の音の響きが弱い 不服2009-5233
  弱く響く鼻音である 不服2008-10814
  「ダンパン」と「ダンパ」は、ともに「ダンパ」の音を共通にするものの、語尾において「ン」の音の有無に差異を有する。前者は「ダンパ」の音に続く語尾の「ン」の音が余韻として響く感じに聴取されるのに対し、後者は破裂音「パ」を語尾音として、終わりが途切れる感じに聴取される。 不服2011-20592
  「シッタン」と「シッタ」とは、語尾における「ン」の音の有無の差異を有するものであるところ、前者は「シッタ」の音に続く語尾の「ン」の音が余韻として響く感じに聴取されるのに対し、後者は破裂音「タ」を語尾音として、終わりが途切れる感じに聴取される 不服2010-10985
     
キャ 拗音 不服2001-10737
  「カ」と「キャ」は、子音の音域及び母音を共通にする近似する音である点は否めない 平成11年審判第17648号
キュ 響きの強い破裂音である 不服2016-650058
  破裂音、子音(k)と母音(u)の間に半母音(j)を結合した音節 不服2008-32309
キョ    
     
ギャ    
ギュ    
ギョ    
     
シャ 無声破擦音 不服2010-3878
  無声の歯擦音 不服2005-65158
シュ 「シャ」と「シュ」は、前者の母音が「a」であるのに対し、後者の母音は「u」であるから、音質、音感を著しく異にする 不服2006-22427
ショ 拗音を伴うことにより、それ自体が1音として発音される 不服2002-21947
  無声の摩擦音 不服2005-5897
  舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦音と母音「o」 不服2003-5767
     
ジャ 有声摩擦音で強く発音、聴取される音 不服2003-13859
ジュ サ行の濁音「ジ」に拗音「ュ」を伴うもの 不服2000-4278
  有声の摩擦音であって,口腔内を狭めることで比較的弱く発音される 不服2021-1035
  有声摩擦音 不服2011-650024
  ザ行の拗音「ジュ」とザ行の直音「ズ」の差異にすぎず、該差異音にしても、ともに濁音であり、また母音「u」を共通にする有声の摩擦音であって、調音の位置・方法が近似している 不服2004-16508
  「ジュ」と「ジ」は、サ行の濁音「ジ」に拗音「ュ」を伴うか否かの近似音である 不服2000-4278
  「ズ」と「ジュ」は、共にサ行の濁音であることおよび、拗音「ジュ」が母音「u」を伴うことから、両音は母音「u」をも共通とする近似した音となる 平成10年審判第15770号
ジョ    
     
チャ 無声摩擦音 不服2010-3878
チュ 拗音 不服2006-5633
チョ 「チョコリン」と「チヨコリー」は、語頭において拗音「チョ」と2音からなる「チヨ」の音の差異があり、かつ、語尾においても撥音と長音の差異がある 不服2010-28563
     
ニャ    
ニュ 「n」の子音と「u」の母音の間に半母音「j」を結合した音節で通鼻音 不服2005-65017
  子音[n]と母音[u]の間に半母音[j]を結合した音節からなる有声の鼻音(有声通鼻音である子音の[n])子音の調音の位置が歯茎音 不服2002-16406
  「n」の子音と母音(u)の間に半母音(j)を結合した音節で有声の鼻音 平成8年審判第10986号
ニョ    
     
ヒャ    
ヒュ    
ヒョ 無声の摩擦音 不服2005-5897
     
ビャ    
ビュ 両唇を合わせて破裂させる有声子音(b)と母音(u)の間に半母音(j)を結合した音 不服2003-3350
ビョ    
     
ピャ    
ピュ 両唇を合わせて破裂させる無声子音(p)と母音(u)の間に半母音(j)を結合した音節の無声の破裂音である 不服2005-3943
ピョ    
     
ミャ    
ミュ 子音[m]と母音[u]の間に半母音[j]を結合した音節からなる有声の鼻音(有声通鼻音である子音の[m])子音の調音の位置が両唇音 不服2002-16406
  「m」の子音と母音(u)の間に半母音(j)を結合した音節で有声の鼻音 平成8年審判第10986号
  有声の通鼻音(m)、半母音(j)及び母音(u)を結合した比較的弱い音である 不服2011-1630
  両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(i)の間に半母音(j)を結合した弱い音 不服2001-8971
ミョ    
     
リャ 弾音 不服2011-10959
リュ 子音(r)と半母音(j)に母音(u)との結合した音節 不服2005-23723
リョ    
     
ファ 下唇を上歯に接近させて、その間隙を通路として出て行く呼気の唇歯擦音の子音「f」と母音「a」との結合した音節である 不服2009-21465
フィ 無声摩擦音として比較的弱く発音される 不服2008-10006
  唇の形を変えずに発音するため一音として聴取される 不服2001-18073
フェ 無声摩擦音 不服2009-6088
  両唇をせばめ,その狭い隙間から無声の呼気を摩擦させて出す無声摩擦子音(f)と母音(e)との結合した音節の無声の摩擦音 不服2005-3943
フォ 無声摩擦子音「f」と母音(o)とを結合した音節で、下唇を上歯で軽くかんで発するくぐもった破裂音である 不服2006-13513
  「フォー」と「ホー」は、母音(o)を共通にし、子音が無声摩擦音の「h」か「f」かの微差にすぎず、極めて近似した音である 不服2010-7040
  「ホ」と「フォ」の音は、帯有する母音(o)は同じであり、子音が無声摩擦音の「h」か「F」かの微差にすぎず、両者は極めて近似した音である 不服2006-10867
フュ    
     
チェ    
シェ 無声の歯擦音 不服2005-65158
  「シ」と「エ」の音が結合し1音として発音されるものであって、「シ」の音の母音(i)が、これに続く母音(e)と連続母音を構成することで、「エ」の音に吸収されるように発音されるものとなり、「シェ」の音は「セ」の音に極めて近似した音として聴取される 不服2009-19885
ジェ 舌端を前硬口蓋に寄せ前歯との間に空洞を作って発する有声摩擦子音 不服2000-62
     
ツァ    
ツィ    
ツェ    
ツォ    
     
ティ 舌尖と上前歯との間で形成される破擦音(ts)と母音(i)とが結合した「チ」の音に近似した音として発せられる 不服2008-32309
  「チ」の音に近似した音として発せられ、その場合、「チ」の音は破擦音である 不服2009-12643
ディ 強く響く破裂音 不服2020-650016
  有声の摩擦音であって、調音点が硬口蓋歯茎音である 不服2006-21513
  有声破裂音[d]との組み合わせの音であり、帯有する母音は[i] 平成11年審判第15703号
  1音で称呼される音であって、舌尖を前軟口蓋に接して発する有声破擦子音「d」と母音「i」が結合した音である 平成11年審判第18368号
デュ 有声破裂音[d]との組み合わせの音であり、帯有する母音は[u] 平成11年審判第15703号
     
トゥ やや響きが内にこもるように弱く聴取される 不服2000-18046
     
ウィ 唇をすぼめて突き出した形から左右に引く形に変えて発音する関係上、「ウイ」の二音のように聴取される 不服2001-18073
  二重母音を構成 不服2009-14604
ウェ 二重母音を構成 不服2009-14604
ウォ    
     
ヴィ 破裂音であって、明瞭に発音される 不服2018-10685
  下唇を上歯に接近させた調音させる唇歯音で有声摩擦音(v)と母音(i)との結合した音節である。発音し易い「ビ」(bi)の音に置き換えて発音されることも少なくない。 不服2007-8680
     
長音 「キー」の音は、長音が伴うことから、「キ」の音に比べてより明確に発音される 不服2023-75
  長音を伴うことから明瞭に発音、聴取され得るもの 不服2013-10998
  前音の「サ」が長音「ー」を伴うことと相まって、明瞭に発音される 不服2012-17880
  「ゴー」の音は、有声の破裂音であって、長音を伴って比較的はっきりと発音される 不服2012-17042
  差異音「ズ」は破裂音を伴う有声破擦音(z)と母音(u)とを結合した比較的強い音であることに加え、その前音である長音「(ミ)ー」が弱い音であることとも相まって、両称呼をそれぞれ称呼するときには、両者は十分に聴別しうる 不服2010-21073
  長音の後に位置し明確に聴別される 不服2009-23503
  前音を長く引きのばして発する音であることから、前音との関係を遮断することなく継続する音として明確に発音し、聴取される 不服2006-65039
  「ディミニッシャー」と「ディミニッシュ」を比較するに、末尾部分において、「シャ」と「シュ」の音の差異及び長音の有無の差異を有する。「シャ」と「シュ」の音は、前者の母音が「a」であるのに対し、後者の母音は「u」であるから、音質、音感を著しく異にするのみならず、「シャ」の音には、長音が伴っているところから、上記母音「a」が1音分長く発音される 不服2006-22427
  「セオリイ」と「セオリー」は、称呼上重要な要素をしめる語頭音を含めて第3音までを、その配列を含めて同じくし、異なるところは、語尾音における「イ」の音と長音の差異に見られるところ、その長音とても前音「リ」の音節を構成する母音[i]の音に吸収された音節となって、極めて「イ」の音に近似した音となる 不服2003-7119
  「メ(me)」と「ミ(mi」)」の母音「エ(e)」と「イ(i)」が近似した音であるとしても、該音が長音を伴って発音されるものであり、その音質、音感が相違する 不服2000-11851
  長音を含む「エスパー」を意味する語として親しまれた語からなるものであるから、語尾は長音を伴って「パー」と明瞭に発音され、引用商標「エスパ」は、語尾音「パ」が、無声の破裂音であることから語尾が途切れるように発音される 不服2010-20040
  語尾において「ター」と「カ」の音の差異を有する。母音「a」を共通にするものであるとしても、前者は語尾音「タ」の母音「a」を長くのばす長音を伴うことから、なめらかに発音されるのに対し、後者は破裂音であって、それ自体明確に発音され、かつ、聴取される音である 不服2008-16616
  撥音「ン」と長音「ー」の差異のみ。 撥音「ン」は、弱く響く鼻音であることから、破裂音で明瞭に発音される前音「パ」の音に吸収され明確に聴取し難い音となり、また、長音「ー」は、前音の「パ」の母音「ア」の発音を継続させることから、明瞭に発音される「パ」の音に吸収されて必ずしも長音の一音として明確に聴取されない音となる 不服2008-10814
     
促音 「テ」の音が促音を伴っていることから、強音として発音される 不服2008-32309
  「次の音節の初めの子音と同じ調音の構えで中止的破裂または摩擦をなし、1音節をなすもの」(広辞苑第五版)であることから、それ自体が独立した1音として明確に発音されて、聴取されるものではない 不服2008-10006
  促音を伴っていることから、強音として明瞭に聴取される 不服2008-1116
  中止的破裂音すなわち急に呼気をとめて発する音であることから、語頭音と後続音との関係を明確に遮断して、鋭く断ち切るように発音し、聴取される 不服2006-65039
  「ショコランテ」と「ショコラッテ」の称呼とを比較すると、4音目において、撥音「ン」と促音「ッ」の音の差異を有しており、後者は促音であることから、前音の「ラ」の音にアクセントが係るものであるのに対して、前者は撥音であることから、前後の音を含め、平滑に発音される 不服2022-650088
     
音質 「ク」の母音は「ウ」であるのに対して、「キ」の母音は「イ」であるため、両者の音質は異なる 不服2023-75
  「ゴ」と「コ」は、濁音と清音の近似した音質である 不服2014-18994
  「マ」の音が通鼻音であるのに対して、「バ」の音は破裂音であることから、音質を異にする 不服2008-1116
  「オボウサン」の発音のように、平坦に発音される「オ」に続く「ボ」の音は、比較的強く発音される有声の破裂音であるのに対し、「オショウサン」の発音のように強く発音される「オ」に続く「ショ」の音は比較的弱く発音される無声の摩擦音であるから、両音の音質の差異が長音を伴うことによって称呼全体に及ぼす影響は決して小さいとはいえない 不服2010-21945
     
音調 「マチーク」と「マチイク」とは,長音「ー」と「イ」の差異を有するところ,「マチーク」は,なめらかに一気に称呼され,平易な音調として感じられるのに対し,「マチイク」は,漢字(街育)の読みから,「マ」「チ」「イ」「ク」と一音一音明確に称呼されるものであるから,両商標は,その音調,音感が異なる 不服2013-9699
  「ウルルリッチ」と「ジュンリッチウルリッチ」の称呼を比較すると、それぞれを構成する音数、音調が明らかに異なる 不服2022-6305
     
音感音調 「モモトセ」と「ヒャクネン」とは、それぞれの構成音が相違するものであって、全体の音感音調が明らかに異なる 不服2019-8055
  「ゴダ」と「ゴオーダ」とは、構成音数及び構成音が異なるばかりでなく、長音の有無の差異があり、それぞれ一連に称呼するときは、全体の音感、音調が異なり、容易に聴別できる 不服2019-3566
  「ピーエフエス」と「パシフィックファーニチュアサービス」とは、構成音数が相違するばかりでなく、構成音の殆どを異にするものであり、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が明らかに相違し、容易に区別できる 不服2014-12139
     
語調語感 「ウルルリッチ」と「ジュンリッチ」は、前半部において「ウルル」と「ジュン」の音の差異を有し、この差異が称呼全体の構成音数の差異を生じるものであり、また、語調語感に及ぼす影響も少なくない 不服2022-6305
  本願商標「チャノユ」と引用商標「チャノユヒーリング」は、「チャノユ」の音が共通するとしても、音数が明らかに相違するため、これらをそれぞれ一連に称呼しても語調語感が相違する 不服2023-4390
     
音節 本願商標「ショコランテ」と引用商標「ショコラッテ」の称呼とを比較すると、撥音「ン」と促音「ッ」の差異を有しており、後者は促音であることから、前音の「ラ」の音にアクセントが係るものであるのに対して、前者は撥音であることから、前後の音を含め、平滑に発音される。引用商標は、「ショコ」と「ラッテ」の2音節風に抑揚をもって発音されるのに対して、本願商標は、語頭にアクセントをおき、一気に発音される。 不服2022-650088
  本願商標「ロダス」と引用商標「ローダス」とは、中間における長音の有無を有する。本願商標が「ロダス」と一気に称呼されるのに対し、引用商標は、「ロー」と「ダス」の2音節風に称呼される。 不服2022-17724
     
語頭 両者は称呼において識別上重要な要素を占める語頭音を含む「・・・」を共通にし 不服2014-1789
  明瞭に聴取され得る語頭 不服2013-13453
  称呼の識別上重要な要素を占める語頭に位置する 不服2007-2569
     
語尾 両音の位置は比較的聴取し難い語尾にあることから、これらの差異が全体に及ぼす影響はわずかなものである 不服2014-1789
  明確に聴取され難い語尾における濁音と清音の差異 不服2010-11275
  語尾における「ド」と「ト」の差異のみとはいえ、いずれも破裂音であり、それ自体、比較的強く発音される音であって、前音である長音に吸収されるものとも認められない 不服2008-755
  差異音は、破裂音であって、強く発音される音といえることから、たとえ、語尾に位置するとはいえ、その有無が称呼全体に及ぼす影響は決して小さくない 不服2006-15313
  末尾の音において「テ」と「ト」の音の差異を有する。この音は,促音(ッ)でつまった後に発音される破裂音であるから,末尾音とはいえ,比較的明瞭に聴取される。 不服2011-650132
     
中間 該差異音は、共に母音「u」を共通にする破裂音であり、かつ、半濁音と濁音の近似した音質であるから、これが中間に位置することと相俟って、この差異が称呼全体に及ぼす影響は少ないものというのが相当である 不服2013-11365
  比較的明瞭に聴取しがたい中間に位置する 不服2003-13699
     
その他 特定の意味を有することのない欧文字3文字を称呼するに当たっては、一文字一文字を区切って明瞭に発音されることが少なくない 不服2013-10998
  差異音は、いずれも歯茎で調音される破裂音であり、その前音に撥音「ン」があることと相まって、比較的明瞭に聴取される 不服2011-21070
  本願商標の称呼は、フランス語の定冠詞の「LA」と「VIS」の文字から構成されることからして、その構成中の要部と理解される「VIS」の文字から生ずる称呼である「ビス」の語頭の「ビ」の音、つまり第2音が強く発音されるのに対し、引用商標の称呼は、語頭音の「ラ」が強く発音されるというのが相当であるから、アクセントの位置も異なる 不服2006-65096
  「ソウル」と「ソール」は、「ウ」と「ソ」の長音(ー)に差異を有しており、前者の「ウ」の音は、前音「ソ」の母音(o)と二重母音を形成する結果、前音の母音(o)をそのまま延ばす長音の如く発音され、後者の「ソー」の音とは、ほぼ同一の音として聴取されるものといえる 不服2012-7821
  「サストール」と「ササトール」について、前者は、平坦かつ一気に「サストール」と称呼されるものであるのに対し、後者は、語頭部分において、舌端を前硬口蓋に寄せて摩擦させて発音する「サ」の音を二度繰り返す音であることから、「サ」「サ」と一音ずつ明瞭に発音され、「ササ/トール」と二音節風に区切られて発音されるものである 不服2012-650020
  「アバンテ」と「アバンチ」を比較するに、差異音「テ」と「チ」の前音が「ン」の無声音であることも相俟って、該差異音は、明瞭でかつ余韻を残すように聴取され、明確に聴取される 不服2007-5830
  アルファベット3文字を組み合わせてなる商標の場合、その発音に際しては一文字一文字を区切って比較的明確に発音するのが一般的であり、加えて、本願指定役務に係る金融、不動産関係業界においては、いわゆる金融商品名や取引の形態などを示す英語をアルファベット3文字の略語により表示、使用しているものが多数存在する実情を考慮すれば、かかるアルファベット3文字からなる商標に接する取引者、需要者は、それが成語であるか造語であるかにかかわらず、相当の注意を払って発音、識別する 不服2005-17028
  「ホウモウ」と「ホモウ」の称呼とを比較するに、両称呼は第2音における「ウ」の音の有無に差異を有する。そして、「ウ」の音は、「ホ」の母音「O」に続けて発音されるため長母音化され、きわめて弱く響く音であり、中間に位置することと相俟って発音上明確に聴き取りがたい。 平成11年審判第9351号
  「カツーチャ」と「カツーヂャ」は、末尾に「チャ」の音と「ヂャ」の音の差異を有する。該差異音は、いずれも長音の後に位置し比較的強く発音される音であり、前者「カツーチャ」の称呼における「チャ」の部分が、指定商品である「茶」を想起させるものであるのに対し、後者「カツーヂャ」の「ヂャ」の部分が、「茶」を想起しないことも相まって明確に聴別される。 不服2010-17883
     

 


関連情報

 


(作成2024.03.03、最終更新2024.03.05)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?【動画】

可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?について、解説動画をYouTubeに投稿しました(5分28秒)。

以前、可撓伸縮ホース事件の最高裁判決を確認してみました。今回は、その判決文中に出てくる「意匠自体」という文言について、考えてみます。「意匠自体」とは、「物品+形状等」をいうのか、「形状等(形態)」をいうのか、についてです。特許庁の意匠審査基準の「意匠の類否判断手法」の基本も確認します。

2024年2月現在の情報であり、弊所の見解です。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?【動画】

 


(作成2024.02.25、最終更新2024.02.25)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?

可撓伸縮ホース事件(最高裁)のさらなる検討

以前、可撓伸縮ホース事件(最高裁)について、確認してみました。

その判決文中に、次の記載があります。

意匠は物品と一体をなすものであるから、登録出願前に日本国内若しくは外国において公然知られた意匠又は登録出願前に日本国内若しくは外国において頒布された刊行物に記載された意匠と同一又は類似の意匠であることを理由として、法3条1項により登録を拒絶するためには、まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、更に、意匠自体においても同一又は類似と認められるものでなければならない。

さて、意匠とは、物品の形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)をいいます(2条1項)。

そのため、判決文中の「意匠自体」とは、「物品+形状等」をいうのか、「形状等(形態)」をいうのか、多少疑問が残ります。

この点について、弊所なりに考えてみたいと思います。

 

まず、ここでは、「公知意匠と同一又は類似の意匠である」として拒絶される要件について述べています。意匠が同一又は類似と認められる要件についての話です。

そして、その要件は、
・まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、
・更に、「意匠自体」においても同一又は類似と認められるものでなければならない、
とのことです。

 

さて、仮に、「意匠自体」が「意匠(物品+形状等)」とするなら、意匠が同一又は類似と認められるためには、「意匠が同一又は類似と認められるものでなければならない」ということになり、問いに問で返すことになりそうです。

 

ここでは、既に物品についての検討を終えた上で、「意匠」ではなく「意匠自体」としていることもあり、「意匠自体」とは「形状等」と考えてよいのではないかと思います。

その場合、意匠が同一又は類似と認められる要件は、
・まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、
・更に、「形状等」においても同一又は類似と認められるものでなければならない、
ということになります。

 

物品が同一又は類似であるかを判断した後、形状等が同一又は類似かを判断する際、物品が何であるか(使用状態等)を考慮することはあっても、あくまで形状等についての類否判断です。

特許庁の審査基準や各種審決の構成とも合致するのではないかと思います。たとえば、意匠審査基準「第III部 第2章 第1節 新規性」には、次の記載があります。

意匠審査基準「2.2.2 類否判断の手法」
意匠は、物品等と形状等が一体不可分のものであるから、対比する両意匠の意匠に係る物品等が同一又は類似でなければ意匠の類似は生じない。したがって、審査官は、対比する両意匠が以下の全てに該当する場合に限り、両意匠は類似すると判断する。…
(1)出願された意匠が物品等の全体について意匠登録を受けようとするものである場合
 ① 出願された意匠と公知意匠の意匠に係る物品等の用途及び機能が同一又は類似であること
 ② 出願された意匠と公知意匠の形状等が同一又は類似であること
 なお、上記①及び②がいずれも同一の場合、両意匠は同一と判断する。

ただ、結局は、意匠全体として類否判断しますから、「意匠自体」の解釈がどうであれ、類否判断の結論は変わらないです。

 

なお、意匠登録出願の願書においても、【意匠に係る物品の説明】と【意匠の説明】とに分けられており、【意匠の説明】は、主として形態面の説明欄となっています(意匠法第6条、施行規則第2条様式第2)。つまり、【意匠の説明】の「意匠」とは、主として「形態(形状等)」となっています。

 


関連情報

 


(作成2024.02.03、最終更新2024.02.25)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠審決の読解14(類否判断事例)

【14】不服2022-18640

意願2021-28301「傘」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】部分意匠、基本的構成態様、略S字状と略直線状、対称形と非対称形、縁取りの有無、稜線が視認できるか不明か、底面視の態様が視認できるか不明か、時計回りと反時計回り、本願出願前より公然知られている状況、類否判断に与える影響、本願出願前より普通に見られる、ごく一般的に見受けられる比率、通常の使用の状態において見えやすい部分に係る相違、しなやかな印象と無機的な印象、相違をより際だたせる視覚的効果

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1 本願意匠及び引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品

 いずれも、雨、雪或いは日差し等を避けるために頭上にかざして用いる傘であり、意匠に係る物品は一致する。

(2)両意匠部分の用途及び機能

 いずれも、本願意匠において破線で表現された部分を除いた傘地部分であり、両意匠部分の用途及び機能は一致する。

(3)両意匠部分の位置、大きさ、及び範囲

 いずれも、破線で描かれた以下の各部分、すなわちハンドル部、シャフト部、石突き部、親骨部及び露先部を除いた傘地の部分であり、位置、大きさ、及び範囲は共通する。

(4)両意匠部分の形状等

 (共通点1) 全体に係る基本的構成態様は、平面視において8枚の花弁状の生地が石突き近傍から斜め放射状に配され、隣接する生地の側面に一部が重なるよう構成された形状である点。

 (共通点2) 生地は、外側端部の露先部の近傍が緩やかな曲線で構成され、露先部に向かい凸条をなす花びらを想起させる形状である点。

 (共通点3) 側面視において、横幅全長に対する高さの比率を略10:3とする緩やかに湾曲したドーム状の表面を形成している点。

 

 (相違点1) 本願意匠の生地の輪郭は、平面視中央部が略S字状に湾曲し、露先部付近が左右対称で、剣弁を有する蓮の花びらのように湾曲している。それに対し、引用意匠の生地の輪郭は、平面視中央部が略直線状をなし、中央部から露先部にかけて左側に凸状に湾曲し、露先部付近の右側は直線状であって露先部付近は非対称形となっている点。

 (相違点2) 本願意匠は、生地の外縁部が縁取りされて2重線状に表されているのに対し、引用意匠には縁取りはない点。

 (相違点3) 本願意匠は、生地の中央部に生地の裏側に位置する親骨から表れる直線状の稜線が視認できるのに対し、引用意匠は稜線の有無が不明である点。

 (相違点4) 本願意匠は、底面視における傘地の態様や意匠登録を受けようとする部分以外の親骨の構成配置まで視認できるのに対し、引用意匠は底面視の態様が不明である点。

 (相違点5) 本願意匠は、平面視において生地が重なるように配されている部分に着目すると、時計回りの規則性で構成されているのに対し、引用意匠は、生地が重なるように配されている部分に着目すると、反時計回りの規則性で構成されている点。

 

2 類否判断

(1)意匠に係る物品

 両意匠の意匠に係る物品は、ともに、雨、雪或いは日差し等を避けるために頭上にかざして用いる傘であり、同一である。

(2)両意匠部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ、及び範囲

 両意匠部分の用途及び機能、位置、大きさ、及び範囲は共通する。

(3)両意匠部分の形状等の共通点及び相違点の評価

 ア 共通点の評価

 (共通点1)について、両意匠部分に共通する基本的構成態様については、傘地全体の形状や生地の構成配置を概括的に捉えた場合における共通性に止まり、傘地を花弁状とした傘が本願出願前より公然知られている状況にあっては、両意匠部分の類否判断に与える影響は小さい

 (共通点2)及び(共通点3)についても、例を挙げるまでもなく外側端部を花びら状とした傘は本願出願前より普通に見られ、傘地表面の曲率もごく一般的に見受けられる比率であることから、これら共通点が、両意匠部分の類否判断に与える影響は小さい。

 

イ 相違点の評価

 (相違点1)について、傘地の表面の形状等は通常の使用の状態において見えやすい部分に係る相違であることを前提に、

 本願意匠において平面視中央部から右側に湾曲した後に露先部に向かい左側に湾曲した略S字状の輪郭線をなし、露先部付近は緩やかな湾曲線で対称形の輪郭とした態様は、花びらを強く想起させ、しなやかな印象を与えるのに対し、

 引用意匠の生地は、平面視中央部は略直線状で、露先にかけて左側に湾曲しつつ露先部に至り、露先部付近は非対称形をなしている点において、直線を用いた無機的な印象を看取させるもので、

 相互に視覚的印象が大きく異なり、この相違が両意匠部分の類否判断に与える影響は非常に大きい。

 

 (相違点2)について、上記(相違点1)の評価で挙げた生地の輪郭形状の相違をより際だたせる視覚的効果をもたらすので、両意匠部分の類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。

 

 (相違点3)ないし(相違点5)について、何れの相違もこの物品が属する分野において本願出願前より一般的に見られる態様に基づく相違であり、これら相違が両意匠部分の類否判断に与える影響は僅かに止まる。

 

(4)両意匠部分の形状等の類否判断

 両意匠部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠部分全体として総合的に観察し判断した場合、(共通点1)ないし(共通点3)が類否判断に与える影響は小さいのに対して、(相違点3)ないし(相違点5)については類否判断に与える影響は僅かに止まるものの、(相違点1)が類否判断に与える影響は非常に大きく、相違点(相違点2)も類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。

 したがって、両意匠部分の形状等を総合的に観察した場合、共通点に比べて、相違点がもたらす影響の方が大きいものであるから、両意匠部分の形状等は類似しない。

 


関連情報

 


弊所独自の観点で、編集・加工を行っています。
正確な全文は、審判番号から審決公報をご確認ください。
(作成2024.02.02、最終更新2024.02.02)

Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠審決の読解13(類否判断事例)

【13】不服2022-18095

意願2021-20007「キャップ付きボトルストッパー」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】部分意匠、位置、大きさ、範囲、用途及び機能、共通、複数部品か一体不可分か、キャップの有無、本願部分に対応する用途及び機能を有していない、一部の用途及び機能に相違、両部分の形状について検討するまでもなく非類似

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1.本願意匠

(1)意匠に係る物品

 「キャップ付きボトルストッパー」であって、上から順に、
 頭頂部に位置するキャップと、
 中空の頭部、くびれ部、中栓部から成る中間部品と、
 球体の部品と、
 中栓部に係合する外栓
 の4つの部品から成る。

 

(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能

 意匠登録を受けようとする部分は、
 キャップの外面(第1部分)、
 中間部品の頭部及びくびれ部の外面(第2部分)、
 外栓の外面(第3部分)
 の3か所部分である。

 第1部分は、頭頂部に位置し、頭部の直径と同じ直径の大きさであって、頭部の一部を担う範囲である。第1部分は、中空の頭部を塞ぐという用途及び機能を有する。

 第2部分は、キャップの下端から外栓の上端までに位置し、全体の高さの約2分の1の高さとする大きさ及び範囲である。第2部分は、頭部及びくびれ部として、ボトルに栓をするときまたは栓を開けるときに手指でつまむという用途及び機能を有する。

 第3部分は、キャップ付きボトルストッパーの略下半分という位置大きさ及び範囲である。そして、外栓の外面は、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉し、かつ、下端中央の開口部は、ボトルを傾けた際にボトルの中身が外栓の内部に流れ込むという用途及び機能を有する。

 

2.引用意匠

(1)意匠に係る物品

 「ボトルストッパー」であり、一体不可分であって、キャップは付いていない。

 

(2)引用部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能

 引用意匠中、本願部分に相当する部分(引用部分)は、ボトルストッパー全体の外面であって、ボトルストッパー全体の位置大きさ及び範囲である。そして、頭部及びくびれ部の外面は、ボトルに栓をするときまたは栓を開けるときにボトルストッパーを手指でつまむという用途及び機能を有するものであり、栓部の外面は、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉するという用途及び機能を有する。

 

3.両意匠の対比

(1)意匠に係る物品の対比

 本願意匠に係る物品は「キャップ付きボトルストッパー」であって、上から順に、キャップ、中間部品、球体の部品、及び外栓の、4つの部品から成るものであるところ、引用意匠に係る物品は「ボトルストッパー」であり、一体不可分であって、キャップは付いていないものである。

 

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の対比

 本願部分は、上記1.の(2)のとおりであるのに対して、引用部分は、上記2.の(2)のとおりである。

 

4.判断

(1)意匠に係る物品の類否判断

 キャップの有無という違いがあるが、いずれもボトルに栓をするというものであるから、両意匠の意匠に係る物品は、共通していると認められる。

 

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の評価

 本願意匠の第2部分(本体部の頭部及びくびれ部の外面)と引用意匠中の頭部及びくびれ部の外面は、位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能が共通しているといえる。

 本願意匠の第3部分(外栓の外面部分)と引用意匠中の栓部の外面は、位置、大きさ及び範囲が共通し、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉する点で用途及び機能が共通している。

 しかし、引用部分は、中空の頭部を塞ぐという本願意匠の第1部分に対応する用途及び機能を有していない

 また、引用部分は、ボトルを傾けた際にボトルの中身が外栓の内部に流れ込むための開口という本願意匠の第3部分に対応する用途及び機能を有していない

 

(3)両意匠における類否判断

 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するが、本願部分と引用部分では、一部の用途及び機能に相違が認められるため、両部分の形状について検討するまでもなく、本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない

 


関連情報

 


弊所独自の観点で、編集・加工を行っています。
正確な全文は、審判番号から審決公報をご確認ください。
(作成2024.02.01、最終更新2024.02.01)

Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠登録のメリット・デメリット【動画】

意匠登録のメリット・デメリットについて、解説動画をYouTubeに投稿しました(8分24秒)。

意匠登録のメリットとデメリット、意匠登録の必要性について、考えてみます。

意匠(いしょう)とは、物品・建築物・画像の美的な外観・デザインをいいます。意匠の実施を独占したい場合、特許庁に意匠登録する必要があります。

2024年2月現在の情報であり、弊所の見解です。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。
手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


意匠登録のメリット・デメリット【動画】

 


(作成2024.02.01、最終更新2024.02.01)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠登録のメリット・デメリット

意匠(いしょう)とは、物品・建築物・画像の美的な外観・デザインをいいます。意匠の実施を独占したい場合、特許庁に意匠登録する必要があります。

ここでは、意匠登録のメリットとデメリット、意匠登録の必要性について、弊所なりに考えてみます。

意匠登録の詳細については、「意匠登録とは・意匠権の取り方」をご覧ください。

ご依頼ご相談は、お問合せのページからお気軽にご連絡ください。

目次

 


意匠登録のメリット

(1)技術的に新しくなくても、デザインが新しければ登録できます。

意匠登録の対象は、物品・建築物・画像のデザインです。特許のように、技術的な新しさは、要求されません。

技術的に新しくなくても、デザインが新しければ、その保護を図ることができます。

 

(2)出願意匠が先行意匠と同一・類似であるか確認できます。

意匠の登録要件の一つとして「新規性」が要求され、出願前に公知となった意匠と同一・類似の意匠は、意匠登録を受けることができません。日本国内に限らず、外国で公知となった意匠も、意匠登録を受けることができません。そのため、意匠登録されるということは、従来、同一・類似のデザインがなかったことになります。理論上、「世界になかったデザイン」ということになります。

意匠登録出願の審査を受けることで、他人の意匠権との抵触も確認できますから、他人の権利を侵害しないかについて、自社で製造販売する際の一つの安心材料になります。但し、他人の登録意匠等との利用関係や、特許権等との抵触関係までは審査されません。そのため、意匠登録を受けても、実施できない場合もあり得ます。たとえば、登録意匠の一部(部品や部分)について、他人が先に意匠登録を受けている場合などです。

なお、特許や商標の場合、出願して拒絶になると、その情報は公開されますが、意匠の場合、仮に拒絶になっても、原則として(一部の例外を除き)、他人に知られることはありません。そのため、たとえば、自社商品の出願意匠が、先行する他社の登録意匠に類似するとして拒絶されても、他社に知られることはありません。権利の抵触関係が知られず、安心です。

 

(3)登録意匠と同一・類似の意匠の実施を独占できます。

意匠登録を受けると、意匠権者は、登録意匠のみならず、これに類似する意匠についても、独占排他的に実施することができます。権利侵害に対しては、製造販売の差止めや、損害賠償を請求することができます。意匠権を侵害した場合には、刑事罰が科される場合もあります。また、登録意匠と同一・類似の意匠について、他人の登録を排除することができます。

このようにして、独占範囲を確保することで、今後のデザイン変更についても、設計の自由度を確保することができます。

 

(4)特許と比べて、安価に登録できます。

特許と比較して、出願から登録までの費用が、非常に安いです。具体的には、出願から登録までの費用は、特許の場合、最低でも169,800円が必要ですが、意匠の場合、24,500円で済みます(2024年1月現在)。中小企業や個人などの場合、特許費用の減額を受けられる場合もありますが、それとの比較でも、通常、意匠登録の方が安くなります。詳しくは、次のリンク先をご覧ください。

 

(5)特許と比べて、早期に登録できます。

審査期間(拒絶理由通知または登録査定までの期間)について、特許は平均10ヶ月ですが、意匠は平均6ヶ月です(2022年)。いずれも、所定要件下、審査を早めてもらうことができます。

特許の場合、拒絶理由通知(特許しない旨の通知)の可能性の方が高く、その対応のため、長期となることも多いです。もちろん、意匠の場合も、拒絶理由通知がくれば、その対応が必要となります。

しかし、多くの場合、特許と比べて、意匠登録の方が早く権利化することができます。

 

(6)特許と比べて、長期に保護できます。

権利の存続期間(出願日からの期間)は、特許は20年、実用新案は10年ですが、意匠登録は25年もあります。しかも、登録料も、特許と比べて安価です。

 


意匠登録のデメリット(注意点)

以下、デメリットというほどのものではありません。意匠制度をご利用される際の注意点となります。

(1)技術的アイデアを保護することはできません。

意匠権は、あくまでデザイン(外観)に関する権利です。登録意匠と同一・類似のものが権利範囲です。デザインが異なってもよい場合(技術的アイデアを保護したい場合)、特許または実用新案登録する必要があります。特許と意匠登録との双方による保護を図ることはできます。

特許と意匠登録との違いについて、詳細は、「特許と意匠の違い」をご覧ください。

 

(2)権利の取得と維持に費用がかかります。

意匠登録には、費用がかかります。登録後も、毎年、登録料(年金)の納付が必要です。但し、前述したとおり、特許よりも安価です。

なお、仮に真似されてもよいなら、商品販売に際し、意匠登録は必須ではありません。権利の取得や維持に要する費用と、意匠登録によるメリットとを比較して、出願の要否を決める必要があります。

 

(3)権利範囲(類似範囲)か否かの判断が容易とはいえません。

見た目で分かる権利であり、特にデッドコピー(ほぼそのままの模倣品)は抑えやすいです。しかし、登録意匠と類似するか否かの判断は、必ずしも容易とはいえません。たとえば、他社商品が自社の登録意匠と類似するか否かの判断に、他社商品と登録意匠とだけを見比べて済む訳ではありません。通常、その他の周辺意匠も知る必要もあります。

類似範囲の確認と拡張は、関連意匠制度を利用できます。登録意匠(本意匠)と類似と思う意匠を、関連意匠として登録できたなら、両意匠は類似することになります。その他、特許庁による判定制度もあります。

 


意匠登録に関するご相談

ご依頼ご相談は、お問合せのページからお気軽にご連絡ください。

  • 日本全国からご相談いただけます。相談料は初回無料です。
  • インターネットを介したリモート相談が可能です。弊所からEメールで招待状をお送りしますので、そのメールに記載のリンクをクリックするだけで、ご参加いただけます。あとは、弊所がご提示する画面を見ながら、ご相談いただけます。画面操作はすべて弊所で行いますので、はじめての方でもご安心ください。
  • 来所によるご相談(要事前予約)、会社やご自宅でのご相談も可能です。

 


関連情報

 


(作成2024.01.31、最終更新2024.01.31)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

小山特許事務所YouTube動画の視聴回数上位5選

弊所YouTube視聴回数ランキング

小山特許事務所の弁理士小山は、「小山特許事務所のYouTubeチャンネル」として、特許、実用新案、意匠登録、商標登録などの知財について、各種の解説動画をYouTubeに投稿しております。

投稿動画の内、視聴回数(再生回数)の多いものから5つをご紹介します。2024年1月7日現在の情報です。

話し方は素人感満載で、動画も基本的に編集ナシのため微妙ですが、内容自体は今でも大丈夫です!。出だしを耐えると、その内、慣れるかと・・・

分野別(法域別)にまとめた「再生リスト(プレイリスト)」は、次のリンクからお進みください。動画の一覧から、ご希望の動画を選択できます。比較的最近投稿の動画の方が、多少見やすくなっていると思います。

 


【第1位】コンパスによる楕円の描き方

視聴回数=10,943(2024年1月7日現在)

 


【第2位】商標登録出願から登録までの流れ

視聴回数=3,629(2024年1月7日現在)

 


【第3位】特許明細書の書き方(実践編)

視聴回数=2,882(2024年1月7日現在)

 


【第4位】斜視図(等角図)の描き方

視聴回数=2,361(2024年1月7日現在)

 


【第5位】特許出願から登録までの流れを詳細に

視聴回数=1,595(2024年1月7日現在)

 


(作成2024.01.07、最終更新2024.01.07)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

小山特許事務所YouTube動画の高評価上位5選

弊所YouTube高評価ランキング

小山特許事務所の弁理士小山は、「小山特許事務所のYouTubeチャンネル」として、特許、実用新案、意匠登録、商標登録などの知財について、各種の解説動画をYouTubeに投稿しております。

投稿動画の内、ありがたくも高評価をいただいたものがあります。ここでは、高評価数(いいね!)の多いものから5つをご紹介します。「評判のよいもの」トップ5となります。2024年1月7日現在の情報です。

話し方は素人感満載で、動画も基本的に編集ナシのため微妙ですが、内容自体は今でも大丈夫です!。出だしを耐えると、その内、慣れるかと・・・

分野別(法域別)にまとめた「再生リスト(プレイリスト)」は、次のリンクからお進みください。動画の一覧から、ご希望の動画を選択できます。比較的最近投稿の動画の方が、多少見やすくなっていると思います。

 


【第1位】商標登録出願から登録までの流れ

高評価数=48(2024年1月7日現在)

 


【第2位】コンパスによる楕円の描き方

高評価数=41(2024年1月7日現在)

 


【第3位】特許明細書の書き方(実践編)

高評価数=31(2024年1月7日現在)

 


【第4位】先願(特許法39条)と拡大先願(特許法29条の2)

高評価数=31(2024年1月7日現在)

 


【第5位】特許出願から登録までの流れを詳細に

高評価数=26(2024年1月7日現在)

 


(作成2024.01.07、最終更新2024.01.11)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.