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特許出願の拒絶査定への対応【動画】

特許出願の拒絶査定への対応について、解説動画をYouTubeに投稿しました(19分09秒)。

特許出願について拒絶査定を受けた場合に、どのような対応が可能なのかについて検討してみます。

拒絶査定に対しては、拒絶査定不服審判の請求(+手続補正)、出願の分割、出願の変更、新たな出願、権利化の断念(放置・取下げ・放棄)が考えられます。

それぞれについて、詳しくみていきます。

2021年3月現在の情報です。

 


特許出願の拒絶査定への対応【動画】

 


(作成2021.03.06、最終更新2021.03.06)
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特許出願の拒絶査定への対応

はじめに(拒絶理由通知~拒絶査定)

特許出願について「出願審査請求」があると、審査官が出願を審査します。

審査の結果、所定の拒絶理由を発見したときは、出願人に対し「拒絶理由通知」がなされます。

これに対し、出願人は、「意見書」や「手続補正書」を提出することができます。意見書では、たとえば「本願発明は先行技術と同一ではないし先行技術から容易に考えられる程度でもない」などの意見を述べます。手続補正書では、たとえば「誤記の訂正」や「特許請求の範囲の減縮(つまり権利範囲を狭める)」など、書類の補正(修正)を行います。

拒絶理由がないか解消した場合、「特許査定」がなされます。特許査定とは、特許する旨の審査官の最終処分です。

一方、拒絶理由が解消しない場合、「拒絶査定」がなされます。拒絶査定とは、特許しない旨の審査官の最終処分です。

この拒絶査定に対して、出願人は、下記のような対応をとることができます。

 


目次

  1. 拒絶査定不服審判の請求(+手続補正)
  2. 出願の分割
  3. 出願の変更
  4. 新たな出願
  5. 権利化の断念(放置・取下げ・放棄)
  6. 関連情報

 


(1)拒絶査定不服審判の請求(+手続補正)

◆出願人は、拒絶査定に不服があるときは、拒絶査定不服審判を請求することができます。

◆審査段階でした補正が却下されて拒絶査定を受けた場合、その補正却下の決定に対する不服も、拒絶査定不服審判にて申し立てることができます。

◆拒絶査定不服審判は、原則として拒絶査定謄本送達日から3月以内に請求しなければなりません。

◆審査では1名の審査官により審査されましたが、審判では3名(又は5名)の審判官からなる合議体により審理されます。

審判請求と同時に、明細書、特許請求の範囲又は図面について、補正をすることができます。明細書等について補正するなら、審判請求と(同日ではなく)「同時に」しなければなりません。つまり、審判請求書と手続補正書とを、一緒に一括して提出しなければなりません。

審判請求時の補正は、次の要件を満たす必要があります。詳しくは、「明細書・特許請求の範囲・図面の補正(まとめ)」をご覧ください。

◆審判請求後の流れ

  • 審判請求時に特許請求の範囲等について補正(前置補正:ぜんちほせい)があった場合、まずは、審査官による再審査(前置審査:ぜんちしんさ)に付されます。そして、拒絶理由が解消したと判断すれば、特許査定がなされ、依然として拒絶理由が解消していないと判断すれば、審査結果を特許庁長官に報告(前置報告)の上、審判(審判官合議体の審理)へ移行します。
  • 審判請求時に補正がなかった場合、あるいは補正があっても前置審査で特許査定されずに前置報告された場合、審判官合議体による審理に付されます。審判では、審査官による審査が適切であったか、本願発明は特許されるべきか、について審理されます。審理の結果、特許できるときは特許審決(請求認容審決)がなされ、特許できないときは拒絶審決(請求棄却審決)がなされます。拒絶審決に対しては、裁判所(知的財産高等裁判所)に出訴することができます。
  • なお、審判において、拒絶査定の理由とは異なる拒絶理由が発見された場合、改めて拒絶理由が通知され、反論の機会が与えられます。

◆参考情報(特許庁統計より、2019年)

 


(2)出願の分割

◆出願人は、二以上の発明を包含する特許出願の一部を、一又は二以上の新たな特許出願とすることができます。

◆たとえば、次のような目的のために、出願の分割を行います。

  • 発明の単一性違反(一出願に含めることができる発明の範囲を超えている旨)の拒絶理由を解消するために、特許請求の範囲の各請求項を複数の出願に分ける。
  • 特許性(権利化できる見込み)の高低、審査状況などを考慮して、特許請求の範囲の各請求項を複数の出願に分ける(特許できるものは迅速に特許化し、争うものと分ける)。
  • 明細書又は図面に記載しているが特許請求の範囲には記載していない発明について、分割出願により権利化を目指す。
  • 審判請求時の特許請求の範囲の補正は、前述したとおり要件が厳しいため、補正が難しい場合には分割出願する。

◆典型的には、明細書や図面の記載はそのままに(あるいは特許請求の範囲の記載に合わせて多少修正して)、特許請求の範囲が異なる分割出願(新たな特許出願・子出願)をします。もちろん、その内容は、原出願(げんしゅつがん:もとの特許出願・親出願)の出願当初(所定の場合には分割直前)の明細書等に記載の範囲内である必要があります。出願分割があったとき、その新たな出願(分割出願)は、原則として、もとの出願の時にしたものとみなされます。

拒絶査定時の出願分割の例

原出願(拒絶査定を受けた出願・親出願)について審判請求すると共に、分割出願(子出願)することも可能です。たとえば、上図に示すように、原出願について、請求項1にのみ拒絶理由があり、請求項2には拒絶理由がないとします(一部に拒絶理由があるだけでも出願全体が拒絶されます)。この原出願から、拒絶理由のある請求項1を削除して、拒絶理由のない請求項2のみを残して審判請求することで、請求項2について早期の権利化を図る(前置審査で特許査定を得る)ことができます。一方、原出願から削除した旧請求項1については、分割出願(子出願)して、別途争うことができます。その際、明細書等に開示のある範囲で、旧請求項1の発明イに対し何らかのプラスα(権利範囲を減縮)した上で再審査を受けると、その内容によっては、異なる審査結果(特許査定)を期待できます。なお、分割出願について、別途、出願審査請求を所定期間内に忘れずに行う必要があります。

拒絶査定を受けた特許出願については、前述したとおり補正の要件が厳しい(限定的減縮などに限られる)ので、補正が難しい場合には、分割出願することが考えられます。たとえば、仮に明細書又は図面に記載がある発明であっても、現状、特許請求の範囲に挙げられていない発明に差し替える補正は通常できませんから、その場合には分割出願することになります。

◆原出願(親出願)について審判請求すると共に、分割出願(子出願)することもできますし、あるいは、原出願(親出願)については審判請求しないが、分割出願(子出願)で特許化に向けて再審査を受けることもできます。

◆拒絶査定に対する対応としての分割出願は、次のいずれかの場合にすることができます。なお、下記(a)の補正できる時(審判請求時)に分割した方が分割の要件が緩やかですから、審判請求するなら、審判請求と同時に分割するのが安全です。

  • (a)明細書等について補正をすることができる時(拒絶査定不服審判の請求時(審判請求と同時))
  • (b)最初の拒絶査定謄本送達日から3月以内

 


(3)出願の変更

実用新案登録出願への変更

特許出願人は、所定要件下、特許出願を実用新案登録出願に変更することができます。但し、特許出願についての最初の拒絶査定謄本送達日から3月を経過した後、又はその特許出願日から9年6月を経過した後は、この限りではありません。出願変更があったとき、その実用新案登録出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされます。

意匠登録出願への変更

特許出願人は、所定要件下、特許出願を意匠登録出願に変更することができます。但し、特許出願についての最初の拒絶査定謄本送達日から3月を経過した後は、この限りではありません。出願変更があったとき、その意匠登録出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなされます。

 


(4)新たな出願

別途の新規出願

拒絶査定を受けた出願が未公開(出願公開前)であれば、出願内容を充実させた新たな出願をして再トライすることも考えられます。

但し、先の出願の出願日を確保できませんから(つまり新たな出願の出願日を基準に審査されるので)、先の出願後に他人の出願がなされていると、それが新たな拒絶理由となる可能性があります。

また、先の出願内容を既に公開・実施(ホームページ掲載や製造販売等)している場合、特許を受けられない場合があります。所定の場合、新たな出願について、新規性喪失の例外規定の適用を受けたり、先の出願に基づき国内優先権を主張することも考えられます。

 


(5)権利化の断念

放置(対応しない)

拒絶査定を受け入れる場合、そのまま放置すれば足ります。これにより拒絶査定は確定します。

出願公開前に拒絶査定が確定した場合、原則として、出願公開されません。そのため、拒絶査定確定の時期によっては、出願内容の公開を防止できる場合があります

出願公開後に拒絶査定が確定した場合、特許を受けられなくても、出願公開されていれば、同一発明について後日他人が出願して権利化するのを防止することができます出願による他者権利化阻止効果(防衛出願))。

出願の取下げ・放棄

所望により、出願を取下げ又は放棄することもできます。

出願公開前に出願が取下げ又は放棄された場合、原則として、出願公開されません。そのため、出願の取下げ又は放棄の時期によっては、出願内容の公開を防止できる場合があります

◆その他
拒絶理由の引用文献として、他人の先願が挙げられた場合、その権利を侵害しないように留意する必要があります。先行技術とされた公報の出願が権利化されたのか、その権利が現在も存続中なのか、その権利の内容と自社製品の関係など、様々な検討が必要です。

 


関連情報

 


(作成2021.03.06、最終更新2021.03.06)
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実用新案登録は特許出願中と類似の状況!?【動画】

実用新案登録は特許出願中と類似の状況!?について、解説動画をYouTubeに投稿しました(12分43秒)。

実用新案権は、無審査で登録されたといっても、権利の有効性があれば、一定要件下、特許権と同様に権利行使可能です。

さらに、所定要件下、特許出願への変更も可能ですし、実用新案登録請求の範囲の減縮等もできます。これらの選択肢(可能性)を失うまでは、あたかも「特許出願中」と類似の状況といえます。

以前は、登録後には特許出願への変更ができなかったり、請求の範囲の減縮訂正ができなかったりしましたが、いまはこれらが所定要件下許容されますから、以前と比較して、実用新案を選択することもあり得ることと思います。

2021年2月現在の情報です。

 


実用新案登録は特許出願中と類似の状況!?【動画】

 


(作成2021.02.28、最終更新2021.02.28)
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実用新案登録は特許出願中と類似の状況!?

はじめに

先日、「特許と実用新案の違い」「特許と実用新案、どちらで出願すべき?」について、検討しました。

その際、実用新案登録後も、所定要件下、特許出願への変更や、実用新案登録請求の範囲の減縮等ができる旨、お伝えしました。

そして、これらの選択肢を失うまでは、あたかも「特許出願中」と類似の状況といえる、とお伝えしました。

今回は、この点について、さらに詳しく解説します。

なお、本頁末尾の掲載日時点の情報です。

 


前提知識

まず、前提として、特許と実用新案登録について、出願から登録までの典型的な流れを確認しておきます。

実用新案登録は特許出願中と類似の状況(特許と実用新案どちらで出願?)

特許の場合、出願日から1年6月経過後、出願公開(つまり公開公報により出願内容が公開)されます。また、実体審査を受けるには、出願日から3年以内に出願審査請求をしなければならず、これをしないと出願は取り下げたものとみなされます。出願審査請求により実体審査に付されると、多くの場合、新規性(先行技術と同じ)や進歩性(先行技術から容易に考えられる)などの理由から、特許できない旨の拒絶理由通知がきます。これに対して、出願人は、意見書で反論したり、手続補正書で書類を補正(修正)したりします。特に、特許請求の範囲の減縮(つまり権利範囲を狭める)ので特許してください、というような補正がなされます。拒絶理由がないか解消した場合、特許査定がなされ、第1~3年分の特許料を納付することで、設定登録されて特許権が発生し、その内容が登録公報(特許掲載公報)に掲載されます。登録後には、一定要件下、特許請求の範囲の減縮等の訂正も認められています。

実用新案の場合、出願後、実体審査を行わずに無審査で、設定登録されます。登録後には、その内容が登録公報(実用新案掲載公報)に掲載されます。実用新案登録後、所定要件下、実用新案登録に基づく特許出願が可能です。特許出願へ変更せずに実用新案登録を維持する場合、権利の有効性を確認するには、実用新案技術評価の請求が可能です。但し、この請求は必須ではありません。実用新案技術評価では、文献公知による新規性や、公知文献から見た進歩性などについて、評価がなされます。その点で、特許の実体審査に近似した内容となっています。実用新案登録後、所定要件下、実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正も可能ですが、技術評価や無効審判も含めて、全期間を通じて1回のみ可能です。

 


実用新案登録は特許出願中と類似の状況

出願から3年以内

実用新案登録後でも、通常、出願日から3年以内でしたら、実用新案登録に基づく特許出願が可能です。平たく言えば、特許出願への変更が可能です。特許出願に変更すれば、当然に「特許出願中」という訳です。

そうすると、「特許出願への変更」という選択肢(可能性)を失うまでは、実用新案登録といえども、その状況は「特許出願中」そのものといえます。

特許と実用新案登録との間に、優劣はありません。

なお、出願日から3年以内でも、実用新案登録に基づく特許出願ができなくなる場合があります。詳しくは、「実用新案登録後の留意点」のうち「特許に変更するには・・・実用新案登録に基づく特許出願」をご覧ください。

ところで、特許の場合、出願公開後、補償金請求権の警告は認められていますが、補償金請求権の行使は、特許権の設定登録があった後でなければすることができません。一方、実用新案の場合、出願後早期に登録される(そして必要なら技術評価を請求して警告や権利行使ができる)ので、補償金請求権は必要ありません。仮に、やはり特許の方がよかったと思うなら、前述したとおり、一定要件下、特許出願への変更が可能です。

 

出願から3年経過後

実用新案登録後も、所定要件下、1回に限り、実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正が可能です。その1回の訂正をどこで使うかですが、おそらく実務上は、技術評価が出た際、または無効審判請求された際です。

実用新案「登録後」の「訂正」は、特許の「登録後」の「訂正」に対応する訳ですが、(技術評価等の)登録要件判断に対する最初の応答という意味では、特許の「出願中」の「補正」に対応するとみることができます。もちろん、「訂正」と「補正」とは要件が多少異なるのですが、特許出願の実体審査における拒絶理由通知に対する対応で権利範囲を減縮するのと同様に、実用新案技術評価(あるいは無効審判請求)の内容を考慮して、権利範囲の減縮等の訂正が可能です。但し、全期間を通じて1回のみ可能です。

そうすると、「実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正」という選択肢(可能性)を失うまでは、やはり「特許出願中」と類似の状況にあるといえます。

むしろ、特許出願して出願審査請求せずに取下げ扱いになった場合と比較すれば、実用新案の場合には、格安の料金で、依然として権利を維持(他社牽制)しやすいメリットがあるといえます。

 

実用新案登録が特許と比較して不利な点は、特許出願への変更や、請求の範囲の減縮等を目的とする訂正という選択肢(可能性)を失った後です。

この場合は、もはや「特許出願中」と同等ということはできず、特許の場合よりも権利を守りにくくなります。但し、いずれで出願したとしても、出願時の開示の範囲を超える権利請求はできませんから、実用新案で出願するにしても、出願時に上位概念から下位概念まで多様な請求項を展開しておくことで、ある程度の保険をかけることはできます。

 

なお、実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正については、詳しくは、「実用新案登録後の留意点」のうち「明細書や請求の範囲等を訂正するには・・・減縮は1回のみ」をご覧ください。

 


まとめ

実用新案権は、無審査で登録されたといっても、権利の有効性があれば、一定要件下、特許権と同様に権利行使可能です。

さらに、所定要件下、特許出願への変更も可能ですし、実用新案登録請求の範囲の減縮等もできます。これらの選択肢(可能性)を失うまでは、あたかも「特許出願中」と類似の状況といえます。

そして、特許出願後に直ちに審査請求せずに(つまり権利化を急がずに)「特許出願中」に保留することは一般的です。また、特許出願の場合には、出願後3年以内に出願審査請求という費用面で比較的高いハードルがある(それが原因で出願審査請求しないと取下げ扱いとなる)一方、実用新案の場合は、相当安価に権利を維持できるというメリットがあります。

以前は、登録後には特許出願への変更ができなかったり、請求の範囲の減縮訂正ができなかったりしましたが、いまはこれらが所定要件下許容されますから、以前と比較して、実用新案を選択することもあり得ることと思います。

特許と実用新案の違い」や「特許と実用新案、どちらで出願すべき?」もご参考に、ご予算や目的などに合わせて、出願種別を選択いただければと存じます。

 


関連情報

 


(作成2021.02.27、最終更新2021.02.28)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
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コンパスによる楕円の描き方【動画】

コンパスによる楕円の描き方について、解説動画をYouTubeに投稿しました(9分23秒)。

コンパスによる楕円の作図方法についてご紹介いたします。

楕円を描くには、通常、楕円定規(楕円のテンプレート)が必要ですが、コンパスでも手軽に近似楕円を描くことができます。

等角図(等角投影図)において、35度楕円定規による作図がどのようなものか確認した後、コンパスによる作図方法を見ていきます。

手っ取り早く確認するには、動画を5:45~から再生してください。

 


コンパスによる楕円の描き方【動画】

 


(作成2021.02.26、最終更新2021.03.01)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
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未成年者の特許出願・特許取得【動画】

未成年者の特許出願・特許取得について、解説動画をYouTubeに投稿しました(4分49秒)。

未成年者の特許出願や特許権取得について、解説します。

未成年者でも、特許出願して特許を受けることができます。
たとえば、未成年の大学生でも、高校生でも、特許の出願は可能で、審査をパスすれば、特許を受けることができます。

但し、未成年者の保護を図るため、特許法には特別の規定が設けられています。

未成年者とは何歳までをいうのか、未成年者の特許手続はどのように行うのか、について解説します。

2021年2月現在の情報です。

 


未成年者の特許出願・特許取得【動画】

 


(作成2021.02.24、最終更新2021.02.24)
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未成年者の特許出願・特許取得

はじめに

高校生など、未成年者でも、特許出願して特許を受けることができます

ただし、未成年者の保護を図るため、特許法には特別の規定が設けられています。

未成年者とは何歳までをいうのか、未成年者の特許手続はどのように行うのか、について解説します。

なお、本頁末尾の掲載日時点の弊所把握情報です。

 


未成年者とは?

未成年者とは、満20歳に達しない者をいいます(民法第4条)。

ただし、満20歳に達しない者でも、婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなされます(民法第753条)。

 

未成年者の特許手続

未成年者は、法定代理人によらなければ、手続をすることができません(特許法第7条第1項)。

つまり、未成年者が自分だけで、特許庁に出願したり、その後の手続を進めたりすることはできません。単に法定代理人の同意を得るだけでは足りず、法定代理人によらなければ、手続をすることができません。

ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りではありません(特許法第7条第1項但書)。
たとえば、法定代理人から営業を許可された未成年者は、その営業に関しては成年者と同一の行為能力を有しますから(民法第6条第1項)、その営業に関する出願手続を自分で(法定代理人によらず)進めることができます。

また、前述したとおり、満20歳に達しない者でも、婚姻をしたときは成年とみなされますから、(もはや未成年者ではないので)ご自身で手続を進めることができます。

 

法定代理人とは?

未成年者の法定代理人は、通常、親権者(父母)です(民法第818条第1項)。

そのため、未成年者が特許出願したりその後の手続をするには、ご両親を介して手続することになります。

 

実際の出願手続は?

願書(特許願)において、発明者や出願人は、未成年者で大丈夫です。なお、出願人が将来の権利者(特許権者)となります。

願書には、未成年者の法定代理人についても記載し、所定の証明書(戸籍謄本・住民票)の提出が必要です。

もちろん、書類の作成や提出などについて、特許事務所の弁理士を代理人(委任代理人)に付けることは可能です。

また、特許料金(特許庁印紙代)の減免を受けられる場合があります。

 


関連条文

特許法

(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)
第7条 未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、手続をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りでない。
 2 被保佐人が手続をするには、保佐人の同意を得なければならない。
 3 法定代理人が手続をするには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。
 4 被保佐人又は法定代理人が、その特許権に係る特許異議の申立て又は相手方が請求した審判若しくは再審について手続をするときは、前二項の規定は、適用しない。

(手続をする能力がない場合の追認)
第16条 未成年者(独立して法律行為をすることができる者を除く。)又は成年被後見人がした手続は、法定代理人(本人が手続をする能力を取得したときは、本人)が追認することができる。
 2 代理権がない者がした手続は、手続をする能力がある本人又は法定代理人が追認することができる。
 3 被保佐人が保佐人の同意を得ないでした手続は、被保佐人が保佐人の同意を得て追認することができる。
 4 後見監督人がある場合において法定代理人がその同意を得ないでした手続は、後見監督人の同意を得た法定代理人又は手続をする能力を取得した本人が追認することができる。

 

民法

(権利能力)
第3条 私権の享有は、出生に始まる。
2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。

(成年)
第4条 年齢二十歳をもって、成年とする。

(未成年者の法律行為)
第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
 2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
 3 第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

(未成年者の営業の許可)
第6条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
 2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
 2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。

(婚姻による成年擬制)
第753条 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

(親権者)
第818条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
 2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
 3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

 


(作成2021.02.23、最終更新2021.02.24)
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小山特許事務所のYouTubeチャンネルのご紹介

小山特許事務所のチャンネル紹介動画をYouTubeに投稿しました(2分14秒)。

小山特許事務所YouTubeチャンネルでは、特許・実用新案・意匠登録・商標登録について、弁理士小山が各種の解説動画を投稿しています。

出願から登録までの流れ、各種手続・書類の意味、登録要件、書類の書き方などについて、投稿しています。

今回投稿したチャンネル紹介動画の説明欄では、特にお薦めの動画へのリンクをまとめております。

詳しくは、小山特許事務所の YouTube(ユーチューブ)チャンネルをご覧ください。(【注】クリックすると音声がでます。但し、チャンネル紹介動画には字幕があります。)

「チャンネル登録」もぜひお願いします。上記リンク先にて「チャンネル登録」ボタンをクリックください。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 


(作成2021.02.20、最終更新2021.02.21)
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特許と実用新案の違い【動画】

特許と実用新案の違いについて、解説動画をYouTubeに投稿しました(17分31秒)。

特許と実用新案の違いを確認してみます。

特許と実用新案とは、何が違うのでしょうか?
特許と実用新案、どちらで出願(申請)すべきでしょうか?
素朴な疑問に、分かりやすくお答えします。

保護対象、実体審査の有無、登録までの期間、権利の存続期間、権利行使、図面の有無、費用、相互の変更、書類の修正、出願件数の観点から、特許と実用新案登録の違いをみていきます。その後、特許と実用新案、どちらで出願するのがよいか、検討してみます。

2021年2月現在の情報です。

 


特許と実用新案の違い【動画】

 


(作成2021.02.17、最終更新2021.02.17)
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【更新】特許と実用新案の違い

主な更新情報のご案内です。

2021年2月14日、特許と実用新案の違いを更新しました。

主として、次の点について、更新しております。

  • 特許と実用新案の違いを、文章での説明から、表形式に変更しました。
  • 特許出願すべきか、実用新案登録出願すべきかについて、異なるページに掲載していたものを、まとめました。