意匠審決の読解

意匠の類否や創作性などについての特許庁判断

  • 特許庁の意匠審決を読んでみます。特許庁における類否判断等の手法(流れ)を知るためです。
  • 審判番号に付けたリンクをクリックすることで、詳細(弊所による要約)を確認できます。
  • 弊所独自の観点で、編集・加工を行っています。正確な全文は、審判番号から審決公報をご確認ください。
No. 審判番号 名称 条文 弁理士小山のメモ
意匠の類否:物品の同一・類似・非類似 不服2020-8181など 「仏壇と骨壺」など 3条1項(新規性) 仮に形態が同じでも物品が異なれば意匠は異なる
意匠の類否判断事例1 無効S58-25889 パンダぬいぐるみ 3条1項(新規性) 基本的構成態様が共通する場合
意匠の類否判断事例2 不服2013-22118 脇机 3条1項(新規性) 基本的構成態様が共通であっても特徴的な態様とは言えない場合
意匠の類否判断事例3 不服2012-3303 包装袋 3条1項(新規性) 基本的構成態様が相違する場合
意匠の類否判断事例4 不服2002-22253 自動車ホイールキャップ 3条1項(新規性) 意匠に係る物品が相違する場合
意匠の類否判断事例5 不服2017-3520 飲用グラス 3条1項(新規性) 部分意匠
意匠の類否判断事例6 関連意匠の例 包装用箱 10条(関連意匠) 基本的構成態様に差異があっても特徴的な態様とは言えない場合
意匠の創作非容易性の判断事例1 無効S51-7034 表示具 3条2項(創作性) 創作非容易性
意匠の創作非容易性の判断事例2 不服2010-27757 置物(だるまねき) 3条2項(創作性) 創作非容易性
工業上利用することができる意匠か否かの判断事例1 無効S48-438 車輪用ナット 3条1項柱書(工業上利用性) ネジの図示がないナット
1 不服2022-6724 検体センサーデバイス 3条1項3号(新規性) 部分意匠、引用部分の形状等が不明、需要者の注意を惹く部分、他の先行意匠には見られない特徴的な形状等
2 不服2022-8226 便器用タンク 3条1項3号(新規性) 部分意匠、完成品と部品、範囲の相違、引用部分の断面不明、共通点が格段珍しいものではない、よく目につく部分、注意を払う部分
3 不服2022-9326 カップホルダー 3条1項3号(新規性) 引用意匠が部分意匠、表面の輪郭と模様、共通点が本願出願前から公知、使用時に見えやすい部分、使用時に最も目につく部分
4 不服2022-9862 一人用サウナ室の内装 3条1項3号(新規性) 内装意匠、需要者とは、全体に対する配置や比率、内装全体を俯瞰した図、各部の配置や大きさが不明
5 不服2022-12251 オフィスの執務室の内装 3条2項(創作性) 内装意匠、部分意匠、本願出願前よりよく見られる手法、着想の新しさや独創性、本願の出願前に公然知られているもの、本願部分の他には見られないもの、当業者にとって格別の創作を要したもの、独自の着想によって創出したもの
6 不服2022-18107 包装用容器 3条1項3号(新規性) 形状等を箇条書きで認定して対比(共通点、相違点)、ネット掲載写真の一部を引用意匠、構成の推認、この種物品分野において出願前から数多く存在、両意匠のみの特徴、共通点に相違が内在、躍動感と安定感、丸みのある印象とシャープな印象、ほとんど目に触れない部分、透明と有色半透明
7 不服2022-19488 いす 3条1項3号(新規性) 基本的構成態様と各部の態様、引用意匠に不明な点、本願の出願前から公然知られている、両意匠のみに共通するものか、使用感、需要者が最も強く注意を払う部位、基本的構成が一般的なら需要者はより具体的な形状等に着目する、小振りで控え目な印象と大きく目立つ印象、最も目立つ正面
8 不服2022-17626 電気自転車 3条1項3号(新規性) 部分意匠、意匠に係る物品の類似、基本的構成態様と具体的態様、両部分以外にも見られるもの、使用時に需要者の視界に入りやすい、需要者が注目、需要者の注意を惹く部分、類否判断に与える影響、直線状と凸弧状・屈曲、角張ったと丸みを帯びた
9 不服2020-2157 手袋 3条2項(創作性) 部分意匠、物理的に離れた複数の部分、機能的一体性、一意匠、図面間の矛盾、物品の部分に係る創作非容易性の判断、部分の形態、部分の用途及び機能、物品全体の形態の中における位置・大きさ・範囲、よく見受けられるもの、形態の組合せ・配置、ありふれた手法
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