意匠の出願から登録までの流れ(フロー)について、分かりやすく要点だけを説明します。詳しくは、「意匠登録出願から登録までの流れ(詳細版)」や「意匠登録とは・意匠権の取り方」をご覧ください。
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目次
- 【まとめ】意匠の出願から登録までの流れ図(フローチャート)
- (1) 意匠登録出願
- (2) 実体審査
- (3) 拒絶理由通知
- (4) 意見書・手続補正書
- (5) 実体審査
- (6) 拒絶査定
- (7) 拒絶査定不服審判
- (8) 審決取消訴訟
- (9) 登録査定
- (10) 設定登録料納付
- (11) 意匠権設定登録
- (12) 意匠公報発行
- (13) 登録料の納付
- 関連情報
- 本ページの解説動画:意匠の出願から登録までの流れの要点【動画】
【まとめ】意匠の出願から登録までの流れ図(フローチャート)
・本ページのまとめです。図のあとに、同様の内容について、文章での説明があります。
・プリントアウト用pdfファイル:意匠の出願から登録までの流れの【要点】
・詳しくは、「意匠登録出願から登録までの流れ(詳細版)」をご覧ください。
(1) 意匠登録出願
・物品・建築物・画像のデザインの保護を図りたい場合、特許庁に意匠登録出願する必要があります。
・意匠登録を受けたい物品等を、図面や写真で特定して出願します。
・願書には、意匠登録を受けたい物品等が何か、名称や説明を記載します。
・物品等の「全体」について権利請求できる以外に、「部分」について権利請求できます(全体意匠と部分意匠)。
・互いに類似する意匠について登録を受けようとする場合、一を「本意匠」(たとえば既に登録済の意匠を本意匠)とし、他を「関連意匠」(たとえば新たに出願する意匠を関連意匠)として出願します(関連意匠)。関連意匠制度を活用して、類似範囲の確認や拡張ができます。
・原則として、デザインを公開する前に出願する必要があります。但し、1年以内なら所定手続をすることで、また関連意匠の場合には1年経過後でも、例外的に登録を受けられる場合があります。
(2) 実体審査
・たとえば、次の点について、審査されます。
- 具体的な一つの意匠を特定できるか(物品等の使用目的・使用状態が分かり、図面等に不整合がないなど)
- 新規性があるか(同一・類似のものがないか)
- 創作非容易性があるか(容易に創作できないか)
- 先願(せんがん)か(「創作」の早い遅いではなく、「出願」の早い遅いで、一日でも早く出願した者に権利を付与)
・所定の拒絶理由が発見された場合、「(3) 拒絶理由通知」に進みます。
・所定の拒絶理由が発見されなかった場合、「(9) 登録査定」に進みます。
(3) 拒絶理由通知
・新規性がない、創作容易である、意匠が不明確である、などを理由に、登録しない旨が通知されます。
(4) 意見書・手続補正書
・意見書で、先行意匠とは類似しない、創作容易ではない、などを反論します。
・手続補正書で、出願書類を修正できますが、許容範囲は限られます。
(5) 実体審査
・上記意見書等の内容を加味して再審査されます。
(6) 拒絶査定
・拒絶理由が解消しない場合、拒絶査定がなされます。
・登録しない、との審査官の最終判断です。
・原則として、拒絶されても、他社には知られません。この点、特許や商標登録とは異なります。
(7) 拒絶査定不服審判
・拒絶査定に不服の場合、拒絶査定不服審判を請求することができます。
・拒絶査定謄本の送達があった日から3月以内に請求する必要があります。審判請求しないと、拒絶査定は確定します。
・審査では、審査官1人の判断でしたが、審判では3人又は5人の審判官の多数決で決まります。
・特許庁の最終判断として、登録審決か、拒絶審決が出ます。
・登録審決の場合、「(10) 設定登録料納付」に進みます。
(8) 審決取消訴訟
・特許庁の拒絶審決に不服の場合、裁判所で争うことができます(知財高裁~最高裁)。
(9) 登録査定
・拒絶理由がないか、拒絶理由が解消した場合、登録査定がなされます。
・登録する、との審査官の最終判断です。
(10) 設定登録料納付
・意匠権を保有する対価(見返り)として、毎年、登録料(年金)の納付が必要です。
・少なくとも第1年分を前払いします。
・登録査定(又は登録審決)から30日以内に納付する必要があります。納付しないと、出願は却下されます。
(11) 意匠権設定登録
・意匠権が発生します。
・終わりは原則として出願日から25年です。但し、登録料の納付が条件です。
・関連意匠については、基礎意匠(最初の本意匠)の出願日から25年です。
(12) 意匠公報発行
・登録内容が公開されます。
・上記設定登録料納付時などに「秘密意匠」の請求をしておけば、最大3年間、公開を遅らせることができます。たとえば、新商品の発表がまだ先の場合に利用します。
(13) 登録料の納付
・第2年以後の各年分の登録料は、前年以前(たとえば第2年目の納付なら第1年目が終了する前)に納付しなければなりません。
・期限までに納付しないと、権利は消滅します。
関連情報
- 意匠登録相談
- 意匠登録とは・意匠権の取り方
- 意匠登録出願から登録までの流れ(詳細版)
- 意匠登録の例・種類
- 意匠登録の対象
- 意匠登録解説
- 知的財産(知財)とは?(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などのまとめ)
- 小山特許事務所のYouTubeチャンネルの再生リスト(YouTubeへの投稿動画を分野別にまとめたもの)
(作成2024.05.11、最終更新2024.05.12)
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