はじめに
- 特許・実用新案関係について、出願件数、本人出願率、平均請求項数、審査請求率、審査期間、特許査定率、拒絶査定不服審判の請求成立率・審理期間などの他、海外への出願件数、海外からの出願件数、特許庁人数を、特許庁の統計資料から確認してみます。
- 特に明示する場合を除き、数値自体は、特許庁編『特許行政年次報告書2024年版』(https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2024/index.html)に掲載のものです。言い換えれば、以下の内容は、当該報告書の数値を用いて、弊所において、Q&A形式に編集・加工したものとなります。
- 最新の情報、さらに詳しい情報は、特許庁ホームページにてご確認ください。
- 本ページの解説動画:特許庁統計【特実編2024年版】出願件数・審査請求率・審査期間・特許査定率など【動画】
- 関連情報
・意匠登録関係:特許庁統計【意匠編2024年版】出願件数・審査期間・関連意匠利用率など
・商標登録関係:特許庁統計【商標編2024年版】出願件数・審査期間・平均区分数など
目次
- 【出願件数】特許出願件数は、年間どのくらい?、実用新案は?
- 【本人出願率】弁理士等の代理人のない本人出願の割合は、どのくらい?
- 【平均請求項数】特許出願の請求項の数は、平均どのくらい?
- 【審査請求率】出願後3年以内に出願審査請求される割合は、どのくらい?
- 【審査期間】特許の審査期間は、どのくらい?
- 【特許査定率】特許される割合は、どのくらい?
- 【拒絶査定件数と不服審判請求件数】拒絶査定件数と不服審判請求件数は、どのくらい?
- 【拒絶査定不服審判の件数・成否・期間】拒絶査定不服審判の請求件数、請求成立率、審理期間は、どのくらい?
- 【無効審判の件数・成否・期間】無効審判の請求件数、請求成否件数、審理期間は、どのくらい?
- 【異議申立ての件数・成否・期間】特許異議申立ての申立件数、決定件数、審理期間は、どのくらい?
- 【実用新案技術評価件数】実用新案技術評価書の作成件数は、どのくらい?
- 【PCT出願件数】日本国特許庁を受理官庁としたPCT国際出願件数は、どのくらい?
- 【海外への出願件数】日本から海外への特許出願件数は、どのくらい?
- 【海外からの出願件数】外国人による日本への特許出願件数は、どのくらい?
- 【特許庁人数】特許庁の人数、審査官の人数は、どのくらい?
Q&A
1.【出願件数】特許出願件数は、年間どのくらい?、実用新案は?
2023年の特許出願件数は、300,133件です。筆頭出願人による内訳は、個人5,435件、法人294,680件、官庁18件です。
2023年の実用新案登録出願件数は、4,949件です。筆頭出願人による内訳は、個人1,247件、法人3,702件、官庁0件です。
2.【本人出願率】弁理士等の代理人のない本人出願の割合は、どのくらい?
2023年、特許出願件数300,133件の内、弁理士代理出願は281,606件、本人出願は17,569件です。そのため、弊所計算では、特許の本人出願率は、5.9%です。
2023年、実用新案登録出願件数4,949件の内、弁理士代理出願は4,030件、本人出願は880件です。そのため、弊所計算では、実用新案の本人出願率は、17.8%です。
3.【平均請求項数】特許出願の請求項の数は、平均どのくらい?
特許出願時における「特許請求の範囲」の平均請求項数は、通常の国内出願(PCT経由以外の出願)で9.5、PCT経由も含めた全出願で11.9です(2023年)。
4.【審査請求率】出願後3年以内に出願審査請求される割合は、どのくらい?
出願審査請求率は、74.8%です(2020年出願分)。
5.【審査期間】特許の審査期間は、どのくらい?
特許のファーストアクション期間は、9.5か月です(2023年)。但し、早期審査対象案件は、2.2か月です。
なお、ファーストアクション期間とは、一次審査通知までの期間をいいます。具体的には、出願審査請求から、審査官による審査結果の最初の通知(主に特許査定又は拒絶理由通知書)が出願人等へ発送されるまでの期間です。
6.【特許査定率】特許される割合は、どのくらい?
特許査定率は、76.0%です(2023年)。
なお、特許査定率=特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+ファーストアクション後の取下げ・放棄件数)です。
7.【拒絶査定件数と不服審判請求件数】拒絶査定件数と不服審判請求件数は、どのくらい?
2023年、拒絶査定件数は59,871、拒絶査定不服審判の請求件数は21,047件です。
8.【拒絶査定不服審判の件数・成否・期間】拒絶査定不服審判の請求件数、請求成立率、審理期間は、どのくらい?
前提として、審判請求時に特許請求の範囲等について補正(前置補正:ぜんちほせい)があったときは、審査官による再審査(前置審査:ぜんちしんさ)に付されます。前置審査において、拒絶理由が解消していると判断された場合、「特許査定」が出され、依然として拒絶理由が解消していないと判断された場合、「前置報告」の上、審判へ移行します。審判において審理された結果、「特許審決(請求成立)」又は「拒絶審決(請求不成立)」がなされます。
2023年、拒絶査定不服審判について、請求件数21,047、前置審査における特許査定件数10,459、前置報告件数7,878、審判における請求成立件数6,508、請求不成立(含却下)件数1,834、取下放棄件数545です。
拒絶査定不服審判事件における請求成立率は、78%です(2023年)。
なお、請求成立率=請求成立件数/(請求成立件数+請求不成立(含却下)件数)です。
拒絶査定不服審判での平均審理期間は、12.1か月です(2023年)。但し、早期審理対象案件は、4.1か月です。
なお、審理期間とは、審判請求日から、審決の発送日、取下・放棄の確定日、又は却下の発送日までの期間の暦年平均です。但し、前置審査に係る事件について、審判請求日とは、審理可能となった日(部門移管日)です。
9.【無効審判の件数・成否・期間】無効審判の請求件数、請求成否件数、審理期間は、どのくらい?
2023年、特許無効審判について、請求件数84、請求成立(含一部成立)件数12、請求不成立(含却下)件数68、取下放棄件数24です。
2023年、実用新案登録無効審判について、請求件数0、請求成立(含一部成立)件数2、請求不成立(含却下)件数2、取下放棄件数1です。
特許・実用新案の無効審判の審理期間は、13.9か月です(2023年)。
なお、審理期間とは、審判請求日から、審決の発送日(審決の予告を行うものはその発送日)、取下・放棄の確定日、又は却下の発送日までの期間の暦年平均です。
10.【異議申立ての件数・成否・期間】特許異議申立ての申立件数、決定件数、審理期間は、どのくらい?
2023年、特許異議申立てについて、権利単位で見たとき、申立件数1,411、取消決定(含一部取消)件数136、維持決定(含却下)件数1,220、取下放棄件数0です。
特許異議申立ての審理期間は、7.8か月です(2023年)。
なお、審理期間とは、異議申立日から、決定の発送日(取消理由通知(決定の予告)を行うものはその発送日)、取下・放棄の確定日、又は却下の発送日までの期間の暦年平均です。
11.【実用新案技術評価件数】実用新案技術評価書の作成件数は、どのくらい?
2023年、実用新案技術評価書の作成件数は、260件です。
12.【PCT出願件数】日本国特許庁を受理官庁としたPCT国際出願件数は、どのくらい?
2023年、日本国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)の件数は、47,372件です。
13.【海外への出願件数】日本から海外への特許出願件数は、どのくらい?
2022年、日本から海外への特許出願件数は、187,561件です。
割合は、米国40%、中国24%、欧州12%、韓国7%です。
14.【海外からの出願件数】外国人による日本への特許出願件数は、どのくらい?
2023年、外国人による日本への特許出願件数は、71,197件です。
割合は、米国37.4%、欧州30.6%、中国13.5%、韓国11.1%です。
15.【特許庁人数】特許庁の人数、審査官の人数は、どのくらい?
令和6年度、特許庁の総定員2,800人です。
内訳は、審査官1,892人、審判官380人、一般528人です。
審査官の内訳は、特実審査官1,669人、意匠審査官50人、商標審査官173人です。
(作成2024.07.29、最終更新2024.07.30)
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