特許庁統計【特実編2020年版】出願件数・審査請求率・審査期間・特許査定率など

はじめに

 


目次

  1. 【出願件数】特許出願件数は、年間どのくらい?、実用新案は?
  2. 【本人出願率】弁理士等の代理人のない本人出願の割合は、どのくらい?
  3. 【平均請求項数】特許出願の請求項の数は、平均どのくらい?
  4. 【審査請求率】出願後3年以内に出願審査請求される割合は、どのくらい?
  5. 【審査期間】特許の審査期間は、どのくらい?
  6. 【特許査定率】特許される割合は、どのくらい?
  7. 【拒絶査定不服審判請求率】拒絶査定不服審判が請求される割合は、どのくらい?
  8. 【拒絶査定不服審判の件数・成否・期間】拒絶査定不服審判の請求件数、請求成立率、審理期間は、どのくらい?
  9. 【無効審判の件数・成否・期間】無効審判の請求件数、請求成否件数、審理期間は、どのくらい?
  10. 【異議申立ての件数・成否・期間】特許異議申立ての申立件数、決定件数、審理期間は、どのくらい?
  11. 【実用新案技術評価件数】実用新案技術評価書の作成件数は、どのくらい?
  12. 【PCT出願件数】日本国特許庁を受理官庁としたPCT国際出願件数は、どのくらい?
  13. 【海外への出願件数】日本から海外への特許出願件数は、どのくらい?
  14. 【海外からの出願件数】外国人による日本への特許出願件数は、どのくらい?
  15. 【特許庁人数】特許庁の人数、審査官の人数は、どのくらい?
  16. 【知財活動費】我が国企業等の知財活動に要する費用の平均は、どのくらい?

 


Q&A

1.【出願件数】特許出願件数は、年間どのくらい?、実用新案は?

2019年の特許出願件数は、307,969件です。筆頭出願人による内訳は、個人8,595件、法人299,357件、官庁17件です。

2019年の実用新案登録出願件数は、5,241件です。筆頭出願人による内訳は、個人1,733件、法人3,507件、官庁1件です。

 

2.【本人出願率】弁理士等の代理人のない本人出願の割合は、どのくらい?

2019年、特許出願件数307,969件の内、弁理士代理出願は284,718件、本人出願は21,274件です。そのため、弊所計算では、特許の本人出願率は、6.9%です。

2019年、実用新案登録出願件数5,241件の内、弁理士代理出願は4,055件、本人出願は1,149件です。そのため、弊所計算では、実用新案の本人出願率は、21.9%です。

 

3.【平均請求項数】特許出願の請求項の数は、平均どのくらい?

特許出願時における「特許請求の範囲」の平均請求項数は、通常の国内出願(PCT経由以外の出願)で9.0、PCT経由も含めた全出願で11.0です(2019年)。

 

4.【審査請求率】出願後3年以内に出願審査請求される割合は、どのくらい?

出願審査請求率は、72.7%です(2016年出願分)。

 

5.【審査期間】特許の審査期間は、どのくらい?

特許のファーストアクション期間は、9.5か月です(2019年)。但し、早期審査対象案件は、2.5か月です。

なお、ファーストアクション期間とは、一次審査通知までの期間をいいます。具体的には、出願審査請求から、審査官による審査結果の最初の通知(主に特許査定又は拒絶理由通知書)が出願人等へ発送されるまでの期間です。

 

6.【特許査定率】特許される割合は、どのくらい?

特許査定率は、74.9%です(2019年)。

なお、特許査定率=特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+ファーストアクション後の取下げ・放棄件数)です。

 

7.【拒絶査定不服審判請求率】拒絶査定不服審判が請求される割合は、どのくらい?

2019年、拒絶査定件数は54,779、拒絶査定不服審判の請求件数は16,699件です。

そのため、拒絶査定不服審判の請求率は、弊所単純計算では、30.5%です。

 

8.【拒絶査定不服審判の件数・成否・期間】拒絶査定不服審判の請求件数、請求成立率、審理期間は、どのくらい?

前提として、審判請求時に特許請求の範囲等について補正(前置補正:ぜんちほせい)があったときは、審査官による再審査(前置審査:ぜんちしんさ)に付されます。前置審査において、拒絶理由が解消していると判断された場合、「特許査定」が出され、依然として拒絶理由が解消していないと判断された場合、「前置報告」の上、審判へ移行します。審判において審理された結果、「特許審決(請求成立)」又は「拒絶審決(請求不成立)」がなされます。

2019年、拒絶査定不服審判について、請求件数16,699、前置審査における特許査定件数8,389、前置報告件数6,000、審判における請求成立件数4,995、請求不成立(含却下)件数2,332、取下放棄件数697です。

拒絶査定不服審判事件における請求成立率は、68%です(2019年)。
なお、請求成立率=請求成立件数/(請求成立件数+請求不成立(含却下)件数)です。

拒絶査定不服審判での平均審理期間は、12.5か月です(2019年)。但し、早期審理対象案件は、4.0か月です。

なお、審理期間とは、審判請求日から、審決の発送日、取下・放棄の確定日、又は却下の発送日までの期間の暦年平均です。但し、前置審査に係る事件について、審判請求日とは、審理可能となった日(部門移管日)です。

 

9.【無効審判の件数・成否・期間】無効審判の請求件数、請求成否件数、審理期間は、どのくらい?

2019年、特許無効審判について、請求件数113請求成立(含一部成立)件数26、請求不成立(含却下)件数102、取下放棄件数34です。

2019年、実用新案登録無効審判について、請求件数3請求成立(含一部成立)件数3、請求不成立(含却下)件数1、取下放棄件数0です。

特許・実用新案の無効審判の審理期間は、12.2か月です(2019年)。

なお、審理期間とは、審判請求日から、審決の発送日(審決の予告を行うものはその発送日)、取下・放棄の確定日、又は却下の発送日までの期間の暦年平均です。

 

10.【異議申立ての件数・成否・期間】特許異議申立ての申立件数、決定件数、審理期間は、どのくらい?

2019年、特許異議申立てについて、権利単位で見たとき、申立件数1,073取消決定(含一部取消)件数140、維持決定(含却下)件数896、取下放棄件数4です。

特許異議申立ての審理期間は、7.4か月です(2019年)。

なお、審理期間とは、異議申立日から、決定の発送日(取消理由通知(決定の予告)を行うものはその発送日)、取下・放棄の確定日、又は却下の発送日までの期間の暦年平均です。

 

11.【実用新案技術評価件数】実用新案技術評価書の作成件数は、どのくらい?

2019年、実用新案技術評価書の作成件数は、353件です。

 

12.【PCT出願件数】日本国特許庁を受理官庁としたPCT国際出願件数は、どのくらい?

2019年、日本国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)の件数は、51,652件です。

 

13.【海外への出願件数】日本から海外への特許出願件数は、どのくらい?

2018年、日本から海外への特許出願件数は、206,739件です。

割合は、米国41.2%、中国21.9%、欧州(EPO)10.9%、韓国7.5%です。

 

14.【海外からの出願件数】外国人による日本への特許出願件数は、どのくらい?

2019年、外国人による日本への特許出願件数は、62,597件です。

割合は、米国36.5%、欧州32.6%、中国12.7%、韓国9.0%です。

 

15.【特許庁人数】特許庁の人数、審査官の人数は、どのくらい?

令和2年度、特許庁の総定員2,789人です。

内訳は、審査官1,877人、審判官380人、一般532人です。

審査官の内訳は、特実審査官1,666人、意匠審査官50人、商標審査官161人です。

 

16.【知財活動費】我が国企業等の知財活動に要する費用の平均は、どのくらい?

2018年度の我が国企業等の知財活動に要する費用の平均(平均知的財産活動費)は、以下のとおりです。単位は、「百万円」です。

業種全体で、合計145.3であり、内訳は、出願系費用98.2、補償費3.8、人件費29.8、その他費用15.2です。

化学工業の場合、合計266.5であり、内訳は、出願系費用200.4、補償費5.9、人件費60.8、その他費用19.4です。

機械製造業の場合、合計157.1であり、内訳は、出願系費用110.3、補償費3.0、人件費38.9、その他費用7.2です。

電気機械製造業の場合、合計590.9であり、内訳は、出願系費用410.3、補償費15.8、人件費84.0、その他費用85.2です。

輸送用機械製造業の場合、合計295.1であり、内訳は、出願系費用220.6、補償費8.1、人件費50.2、その他費用17.7です。

情報通信業の場合、合計44.3であり、内訳は、出願系費用22.8、補償費0.8、人件費11.8、その他費用7.7です。

  • 出願系費用:産業財産権の発掘、発明届書の評価、明細書の作成(外注を含む)、明細書チェック、出願手続、審査請求手続、技術評価請求手続、拒絶理由通知対応(意見書、補正書作成)等の中間処理業務及び拒絶査定不服審判等に要する費用、権利存続要否問い合わせ、登録手続、年金納付手続等の権利維持業務に要する費用(弁理士費用等の外注費を含む。他者からの譲受は除く)。
  • 補償費:企業等の定める補償制度(職務発明規定等)に基づいて発明者、創作者等に支払った補償費。
  • 人件費:企業等において知財業務を担当する者の雇用にかかる費用の直近の会計年度総額。
  • その他費用:上記の3分類に含まれない費用(企画、調査、教育等のその他の経費、業務遂行に必要な固定資産の減価償却費及びリース料)。

 


(作成2020.12.12、最終更新2020.12.12)
Copyright©2020 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.
(本頁に掲載の数値は特許庁編『特許行政年次報告書2020年版』に基づきます)