はじめて自社で製品を開発、製造、販売される方へ
自社開発製品にはじめて知財活用をご検討中の方へ
- 下請け企業であったが、自社オリジナル製品を開発したい。
- 下請け企業であったが、自社ブランドで販売したい。
- 新たに起業して、オリジナル商品を販売したい。
- クラウドファンディングで商品化したい。
- 個人でハンドメイド作品を販売したい。
- これまで知財と無縁だったが、今後は知財での保護も考えていきたい。
弊所では、これまで数々の中小企業様や個人事業主様から、特許や商標などのご相談に対応してまいりました。これまでは他社の下請けであったが、今後は自社開発にも取り組みたい方、クラウドファンディングで商品化したい方、ハンドメイド作品をネット販売したい方など、様々です。
ここでは、特許や商標などの知財の観点から、はじめての製品化(商品化)について、代表的な注意点をまとめました。
これまでも自社開発してきたが、はじめて特許や商標登録を考えられている方にも、ご参考になると思います。
詳しくは、ご相談を通じて、お客様の状況を把握した上で、お客様にあった方法をご提案させていただきます。
- 本ページの解説動画:はじめての自社開発製品と知財(特許・実用新案・意匠・商標登録)【動画】
どのような権利が関係するのか
- 特許権(とっきょ権)・・・製品の技術を保護
- 実用新案権(じつようしんあん権)・・・特許よりも手軽に保護
- 意匠権(いしょう権)・・・製品のデザインを保護
- 商標権(しょうひょう権)・・・製品のネーミングやマークを保護
- 著作権(ちょさく権)・・・キャラクターやプログラムなどを保護
- その他・・・不正競争行為(デッドコピーなど)の禁止
自社開発製品に、技術的に新しい箇所があれば、特許・実用新案登録の対象となります。デザイン的に新しければ、意匠登録の対象となります。さらに、製品に付けるネーミングやマークなどは、商標登録の対象となります。
ここでは、主として、特許権、実用新案権、意匠権、商標権について述べます。
特許、実用新案登録、意匠登録、商標登録について、詳しくは、次のリンク先をご覧ください。
他人の権利を侵害しない
自社製品の開発が進むと、この技術・デザインは「他社に真似されそうだ」「権利を取っておく必要がありそうだ」という話になるかもしれません。他社の権利はないことを前提に、自社の権利取得へ向けた話だけになるかもしれません。
しかし、そもそも既に他社が特許権や意匠権などを保有しているかもしれません。自社オリジナルの技術・デザインと思っていても、実は既に他社が特許権や意匠権を持っている可能性はあります。製品に付けるネーミングやマークについても、実は他社が商標権を持っている可能性があります。それらを知らないで製造販売を開始すると、製造販売の差止めや損害賠償を請求されるおそれがあります。「知らなかった」では済まされません。
「これまでこのような製品はなかったから権利もないはず」というのも間違いです。製品として従来なくても、特許出願などはなされている可能性があります。
そこで、特許庁への出願や登録について、事前調査する必要があります。たとえば、特許・実用新案登録については、先行技術調査する必要があります。100%の調査は不可能ですが、他社の権利を侵害するリスクを軽減することができます。また、製品開発の早い段階から調査することで、無駄な開発や出願を防止することができます。自らも出願すれば、特許庁の審査において、過去類似のものがあれば、それを知ることもできます。
但し、調査で挙がった公報が、現在も権利が存続中とは限りません。出願だけして権利化されていなかったり、権利範囲が変動していたり、権利化されても現在は消滅していたりと、様々です。権利化の有無、権利内容、権利存続中かなどの確認が必要となります。
前述したとおり、このような調査は、できるだけ早い段階から行います。製品開発が終了して、製品発売の直前に調査したのでは、万一、他社の権利があった場合に、発売できず、これまでの労力と費用が無駄になってしまいます。
技術的な観点(特許・実用新案登録)だけでなく、デザイン的な観点(意匠登録)についても同様です。また、製品に付けるネーミングやマークについても、事前に先行商標調査する必要があります。
他社の模倣から守る
自社開発製品の技術面について、他社の模倣を防ぐには、特許又は実用新案登録する必要があります。また、デザイン面について、他社の模倣を防ぐには、意匠登録する必要があります。
いずれも、原則として、アイデアやデザインを第三者に公開する前に、まずは特許庁に出願する必要があります。出願前に公開した場合、原則として登録を受けることはできません。但し、後述するように、一定要件下救済できる場合もあります。
なお、製品に付けるネーミングやマークなどは、商標登録で保護されますが、特許などとは異なり、公開後でも出願可能です。しかしながら、そもそも第三者の権利がないかを事前に確認する必要がありますし、自社が出願しない内に他社が出願するおそれもありますから、できるだけ早く出願する必要があります(商標登録の必要性)。
出願前の公開
前述したとおり、特許・実用新案・意匠登録については、原則として、アイデアやデザインを第三者に公開(製品発表)する前に、まずは特許庁への出願が必要です。
但し、万一、先に公開してしまった場合でも、一定要件下、救済できる場合もあります。出願・登録をご希望の場合、それ以上の公開を控えて、できるだけ早くご相談ください。弊所では、過去、クラウドファンディング、Twitter、Instagram、YouTube、イベント(展示会)、自社サイトなどへの公開などに対し、新規性喪失の例外規定の適用を主張して出願した例があります。
ところで、製品開発に際し、専門家やユーザなど、第三者の意見を聞きたい場合があるかもしれません。相手に守秘義務を課した状態で、アイデアやデザインを開示する場合、基本的には権利化の障害とはなりません。そうはいっても、情報を開示先に盗まれるのではないか、先に出願されるのではないか、さらに別人に漏えいしたりしないだろうか、と心配になるかもしれません。その点、第三者への開示前に、今ある情報だけでも、自社で先に出願しておけば、そのような心配を排除することができます。そして、必要な場合、後日、国内優先権制度というものを利用して(あるいは別出願して)、改良部分の保護を図ることができる場合もあります(特許出願の場合)。但し、注意点もありますから、第三者への開示前に、一度ご相談ください。
製品開発に際し、専門家や他社の意見を聞く場合、誰が発明者なのか、争いになることがあります。特許を受ける権利は、原則として発明者に生じますから、助言した人を発明者(さらには出願人・権利者)として入れる必要が生じるかもしれません。その点、第三者にアイデアを話す前に、予め出願しておければ、自社で創作した範囲を明確にしておくことができます。
意匠登録について、まずは販売して売れ行きをみたい場合があるかもしれません。販売により原則として登録を受けられなくなるのですが、やはり一定要件下、救済できる場合もあります。しかし、この例外規定に頼るのは危険です。第三者がたまたま同一・類似のデザインを創作して先に出願した場合には、登録を受けられなくなります。また、外国での権利取得が難しくなる場合もあります。
費用について
はじめての自社開発製品となると、その開発費用だけで出費がかさむかもしれません。売れるか売れないか分からないのに、特許などに費用をかけにくいかもしれません。
しかし、少なくとも、他社が出願しているか否かは確認する必要があります。また、自社が出願しない内に、他社が出願・登録した場合を考えると、自社で出願しておくことは、一応の保険になります(特許出願の必要性、特許権取得の意味)。
弊所では、お客様のご負担の軽減を図るために、安価に出願いただけるプランもご用意しております。たとえば、図面をご用意いただける場合、安く出願いただけます。詳しくは、弊所での費用削減方法をご覧ください。
どうしても費用面で出願できない、あるいは、まずは製品販売して売れ行きをみたい場合などは、いつ、どこで、誰が、誰に、どのようなアイデア・デザインを公開したのかなど、可能な限り、記録(証拠)を残すようにしてください。将来、他社が出願した場合に、権利化を阻止したり、対抗したりできるかもしれません。また、アイデア・デザインの公開後でも、後日出願して例外的に登録を受けられる場合もありますが、その際の証明にも使えるかもしれません。
ご依頼・ご相談
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◆会社やご自宅でのご相談、レンタルスペースでのご相談、ネットを介したご相談も可能です。
◆来所によるご相談の場合、弊所は完全予約制です。来所前にご連絡をお願いします。
関連情報
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(作成2022.11.17、最終更新2022.11.30)
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