等角図(等測図)と等角投影図(等測投影図)との違いは、何でしょうか?
どちらのどの箇所が実寸?、0.82倍?、1.22倍?・・・
等角図と等角投影図との共通点と相違点をまとめてみます。
なお、等角図は等測図と呼ばれることもあり、等角投影図は等測投影図と呼ばれることもあります。
- 本ページの解説動画:等角図と等角投影図の違い【動画】
等角図と等角投影図の共通点
等角図も等角投影図も、いずれも、物体を斜め上方等から見た斜視図であり、前後、左右、上下の3本の座標軸(等角軸)が互いに等角(120度)で配置された図です。
両者の違いは、等角軸の軸方向寸法を実寸とするか否かです。
物体を所定に傾けると、物体は所定に縮小して見えることになり、その縮小状態を示す図が「等角投影図」です。一方、図面作成の便宜上、実寸を用いて作成されるのが「等角図」です。
以下、等角図と等角投影図との違いについて、具体的に見ていきます。
等角図と等角投影図の相違点
上図は、立方体、円柱および球を、等角図と等角投影図とで描いたものです。
いずれも、立方体は一辺が20mm、円柱は直径が20mmで長さが20mm、球は直径が20mmのものを描いています。
図中、aが実寸、bがaの1.22倍(√3/√2)、aiがaの0.82倍(√2/√3)となっています。
つまり、a=実寸、b=a×1.22、ai=a×0.82 です。
そのため、図示例では、a=20mm、b=20×1.22=24.4mm、ai=20×0.82=16.4mm となっています。
なお、「i」の付いた数値は、アイソメ尺(アイソメトリック縮み尺)での数値、つまり「実寸×0.82」であることを示しています。アイソメ尺のスケール(物差し)も市販されています。
いずれにしても、等角図と等角投影図とは、大きさの違い、ということになります。
等角図の描き方については、「斜視図(等角図)の描き方」をご覧ください。そして、寸法の取り方が異なるだけで、等角投影図についても同様に描くことができます。
まとめ
等角図と等角投影図との違いをまとめますと、以下のとおりです。
なお、下記において、等角軸については、「等角図とは?」をご覧ください。
また、楕円の長軸や斜軸については、「楕円の長軸・短軸・斜軸とは?」をご覧ください。
等角図
等角図とは、物体を斜め上方等から見た斜視図であり、前後、左右、上下の3本の座標軸(等角軸)が互いに等角(120度)で配置された図で、かつ等角軸の軸方向寸法を実寸とした図をいいます。
- 等角軸の軸方向寸法は実寸
- 楕円の斜軸寸法は実寸(円の直径は楕円の斜軸寸法で実寸)
- 楕円の長軸寸法は1.22倍
- 球の直径は1.22倍
等角投影図
等角投影図とは、物体を斜め上方等から見た斜視図であり、前後、左右、上下の3本の座標軸(等角軸)が互いに等角(120度)で配置された図で、かつ等角軸の軸方向寸法を実寸の0.82倍(√2/√3)とした図をいいます。
- 等角軸の軸方向寸法は0.82倍
- 楕円の斜軸寸法は0.82倍
- 楕円の長軸寸法は実寸(円の直径は楕円の長軸寸法で実寸)
- 球の直径は実寸
関連情報
- 六面図とは(正投影図)
- 斜視図(等角図)の描き方
- コンパスによる楕円の描き方
(作成2021.01.29、最終更新2021.02.05)
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