各種投稿

可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?【動画】

可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?について、解説動画をYouTubeに投稿しました(5分28秒)。

以前、可撓伸縮ホース事件の最高裁判決を確認してみました。今回は、その判決文中に出てくる「意匠自体」という文言について、考えてみます。「意匠自体」とは、「物品+形状等」をいうのか、「形状等(形態)」をいうのか、についてです。特許庁の意匠審査基準の「意匠の類否判断手法」の基本も確認します。

2024年2月現在の情報であり、弊所の見解です。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?【動画】

 


(作成2024.02.25、最終更新2024.02.25)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

可撓伸縮ホース事件(最高裁)の「意匠自体」とは?

可撓伸縮ホース事件(最高裁)のさらなる検討

以前、可撓伸縮ホース事件(最高裁)について、確認してみました。

その判決文中に、次の記載があります。

意匠は物品と一体をなすものであるから、登録出願前に日本国内若しくは外国において公然知られた意匠又は登録出願前に日本国内若しくは外国において頒布された刊行物に記載された意匠と同一又は類似の意匠であることを理由として、法3条1項により登録を拒絶するためには、まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、更に、意匠自体においても同一又は類似と認められるものでなければならない。

さて、意匠とは、物品の形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)をいいます(2条1項)。

そのため、判決文中の「意匠自体」とは、「物品+形状等」をいうのか、「形状等(形態)」をいうのか、多少疑問が残ります。

この点について、弊所なりに考えてみたいと思います。

 

まず、ここでは、「公知意匠と同一又は類似の意匠である」として拒絶される要件について述べています。意匠が同一又は類似と認められる要件についての話です。

そして、その要件は、
・まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、
・更に、「意匠自体」においても同一又は類似と認められるものでなければならない、
とのことです。

 

さて、仮に、「意匠自体」が「意匠(物品+形状等)」とするなら、意匠が同一又は類似と認められるためには、「意匠が同一又は類似と認められるものでなければならない」ということになり、問いに問で返すことになりそうです。

 

ここでは、既に物品についての検討を終えた上で、「意匠」ではなく「意匠自体」としていることもあり、「意匠自体」とは「形状等」と考えてよいのではないかと思います。

その場合、意匠が同一又は類似と認められる要件は、
・まずその意匠にかかる物品が同一又は類似であることを必要とし、
・更に、「形状等」においても同一又は類似と認められるものでなければならない、
ということになります。

 

物品が同一又は類似であるかを判断した後、形状等が同一又は類似かを判断する際、物品が何であるか(使用状態等)を考慮することはあっても、あくまで形状等についての類否判断です。

特許庁の審査基準や各種審決の構成とも合致するのではないかと思います。たとえば、意匠審査基準「第III部 第2章 第1節 新規性」には、次の記載があります。

意匠審査基準「2.2.2 類否判断の手法」
意匠は、物品等と形状等が一体不可分のものであるから、対比する両意匠の意匠に係る物品等が同一又は類似でなければ意匠の類似は生じない。したがって、審査官は、対比する両意匠が以下の全てに該当する場合に限り、両意匠は類似すると判断する。…
(1)出願された意匠が物品等の全体について意匠登録を受けようとするものである場合
 ① 出願された意匠と公知意匠の意匠に係る物品等の用途及び機能が同一又は類似であること
 ② 出願された意匠と公知意匠の形状等が同一又は類似であること
 なお、上記①及び②がいずれも同一の場合、両意匠は同一と判断する。

ただ、結局は、意匠全体として類否判断しますから、「意匠自体」の解釈がどうであれ、類否判断の結論は変わらないです。

 

なお、意匠登録出願の願書においても、【意匠に係る物品の説明】と【意匠の説明】とに分けられており、【意匠の説明】は、主として形態面の説明欄となっています(意匠法第6条、施行規則第2条様式第2)。つまり、【意匠の説明】の「意匠」とは、主として「形態(形状等)」となっています。

 


関連情報

 


(作成2024.02.03、最終更新2024.02.25)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠審決の読解14(類否判断事例)

【14】不服2022-18640

意願2021-28301「傘」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】部分意匠、基本的構成態様、略S字状と略直線状、対称形と非対称形、縁取りの有無、稜線が視認できるか不明か、底面視の態様が視認できるか不明か、時計回りと反時計回り、本願出願前より公然知られている状況、類否判断に与える影響、本願出願前より普通に見られる、ごく一般的に見受けられる比率、通常の使用の状態において見えやすい部分に係る相違、しなやかな印象と無機的な印象、相違をより際だたせる視覚的効果

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1 本願意匠及び引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品

 いずれも、雨、雪或いは日差し等を避けるために頭上にかざして用いる傘であり、意匠に係る物品は一致する。

(2)両意匠部分の用途及び機能

 いずれも、本願意匠において破線で表現された部分を除いた傘地部分であり、両意匠部分の用途及び機能は一致する。

(3)両意匠部分の位置、大きさ、及び範囲

 いずれも、破線で描かれた以下の各部分、すなわちハンドル部、シャフト部、石突き部、親骨部及び露先部を除いた傘地の部分であり、位置、大きさ、及び範囲は共通する。

(4)両意匠部分の形状等

 (共通点1) 全体に係る基本的構成態様は、平面視において8枚の花弁状の生地が石突き近傍から斜め放射状に配され、隣接する生地の側面に一部が重なるよう構成された形状である点。

 (共通点2) 生地は、外側端部の露先部の近傍が緩やかな曲線で構成され、露先部に向かい凸条をなす花びらを想起させる形状である点。

 (共通点3) 側面視において、横幅全長に対する高さの比率を略10:3とする緩やかに湾曲したドーム状の表面を形成している点。

 

 (相違点1) 本願意匠の生地の輪郭は、平面視中央部が略S字状に湾曲し、露先部付近が左右対称で、剣弁を有する蓮の花びらのように湾曲している。それに対し、引用意匠の生地の輪郭は、平面視中央部が略直線状をなし、中央部から露先部にかけて左側に凸状に湾曲し、露先部付近の右側は直線状であって露先部付近は非対称形となっている点。

 (相違点2) 本願意匠は、生地の外縁部が縁取りされて2重線状に表されているのに対し、引用意匠には縁取りはない点。

 (相違点3) 本願意匠は、生地の中央部に生地の裏側に位置する親骨から表れる直線状の稜線が視認できるのに対し、引用意匠は稜線の有無が不明である点。

 (相違点4) 本願意匠は、底面視における傘地の態様や意匠登録を受けようとする部分以外の親骨の構成配置まで視認できるのに対し、引用意匠は底面視の態様が不明である点。

 (相違点5) 本願意匠は、平面視において生地が重なるように配されている部分に着目すると、時計回りの規則性で構成されているのに対し、引用意匠は、生地が重なるように配されている部分に着目すると、反時計回りの規則性で構成されている点。

 

2 類否判断

(1)意匠に係る物品

 両意匠の意匠に係る物品は、ともに、雨、雪或いは日差し等を避けるために頭上にかざして用いる傘であり、同一である。

(2)両意匠部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ、及び範囲

 両意匠部分の用途及び機能、位置、大きさ、及び範囲は共通する。

(3)両意匠部分の形状等の共通点及び相違点の評価

 ア 共通点の評価

 (共通点1)について、両意匠部分に共通する基本的構成態様については、傘地全体の形状や生地の構成配置を概括的に捉えた場合における共通性に止まり、傘地を花弁状とした傘が本願出願前より公然知られている状況にあっては、両意匠部分の類否判断に与える影響は小さい

 (共通点2)及び(共通点3)についても、例を挙げるまでもなく外側端部を花びら状とした傘は本願出願前より普通に見られ、傘地表面の曲率もごく一般的に見受けられる比率であることから、これら共通点が、両意匠部分の類否判断に与える影響は小さい。

 

イ 相違点の評価

 (相違点1)について、傘地の表面の形状等は通常の使用の状態において見えやすい部分に係る相違であることを前提に、

 本願意匠において平面視中央部から右側に湾曲した後に露先部に向かい左側に湾曲した略S字状の輪郭線をなし、露先部付近は緩やかな湾曲線で対称形の輪郭とした態様は、花びらを強く想起させ、しなやかな印象を与えるのに対し、

 引用意匠の生地は、平面視中央部は略直線状で、露先にかけて左側に湾曲しつつ露先部に至り、露先部付近は非対称形をなしている点において、直線を用いた無機的な印象を看取させるもので、

 相互に視覚的印象が大きく異なり、この相違が両意匠部分の類否判断に与える影響は非常に大きい。

 

 (相違点2)について、上記(相違点1)の評価で挙げた生地の輪郭形状の相違をより際だたせる視覚的効果をもたらすので、両意匠部分の類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。

 

 (相違点3)ないし(相違点5)について、何れの相違もこの物品が属する分野において本願出願前より一般的に見られる態様に基づく相違であり、これら相違が両意匠部分の類否判断に与える影響は僅かに止まる。

 

(4)両意匠部分の形状等の類否判断

 両意匠部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠部分全体として総合的に観察し判断した場合、(共通点1)ないし(共通点3)が類否判断に与える影響は小さいのに対して、(相違点3)ないし(相違点5)については類否判断に与える影響は僅かに止まるものの、(相違点1)が類否判断に与える影響は非常に大きく、相違点(相違点2)も類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。

 したがって、両意匠部分の形状等を総合的に観察した場合、共通点に比べて、相違点がもたらす影響の方が大きいものであるから、両意匠部分の形状等は類似しない。

 


関連情報

 


弊所独自の観点で、編集・加工を行っています。
正確な全文は、審判番号から審決公報をご確認ください。
(作成2024.02.02、最終更新2024.02.02)

Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠審決の読解13(類否判断事例)

【13】不服2022-18095

意願2021-20007「キャップ付きボトルストッパー」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】部分意匠、位置、大きさ、範囲、用途及び機能、共通、複数部品か一体不可分か、キャップの有無、本願部分に対応する用途及び機能を有していない、一部の用途及び機能に相違、両部分の形状について検討するまでもなく非類似

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1.本願意匠

(1)意匠に係る物品

 「キャップ付きボトルストッパー」であって、上から順に、
 頭頂部に位置するキャップと、
 中空の頭部、くびれ部、中栓部から成る中間部品と、
 球体の部品と、
 中栓部に係合する外栓
 の4つの部品から成る。

 

(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能

 意匠登録を受けようとする部分は、
 キャップの外面(第1部分)、
 中間部品の頭部及びくびれ部の外面(第2部分)、
 外栓の外面(第3部分)
 の3か所部分である。

 第1部分は、頭頂部に位置し、頭部の直径と同じ直径の大きさであって、頭部の一部を担う範囲である。第1部分は、中空の頭部を塞ぐという用途及び機能を有する。

 第2部分は、キャップの下端から外栓の上端までに位置し、全体の高さの約2分の1の高さとする大きさ及び範囲である。第2部分は、頭部及びくびれ部として、ボトルに栓をするときまたは栓を開けるときに手指でつまむという用途及び機能を有する。

 第3部分は、キャップ付きボトルストッパーの略下半分という位置大きさ及び範囲である。そして、外栓の外面は、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉し、かつ、下端中央の開口部は、ボトルを傾けた際にボトルの中身が外栓の内部に流れ込むという用途及び機能を有する。

 

2.引用意匠

(1)意匠に係る物品

 「ボトルストッパー」であり、一体不可分であって、キャップは付いていない。

 

(2)引用部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能

 引用意匠中、本願部分に相当する部分(引用部分)は、ボトルストッパー全体の外面であって、ボトルストッパー全体の位置大きさ及び範囲である。そして、頭部及びくびれ部の外面は、ボトルに栓をするときまたは栓を開けるときにボトルストッパーを手指でつまむという用途及び機能を有するものであり、栓部の外面は、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉するという用途及び機能を有する。

 

3.両意匠の対比

(1)意匠に係る物品の対比

 本願意匠に係る物品は「キャップ付きボトルストッパー」であって、上から順に、キャップ、中間部品、球体の部品、及び外栓の、4つの部品から成るものであるところ、引用意匠に係る物品は「ボトルストッパー」であり、一体不可分であって、キャップは付いていないものである。

 

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の対比

 本願部分は、上記1.の(2)のとおりであるのに対して、引用部分は、上記2.の(2)のとおりである。

 

4.判断

(1)意匠に係る物品の類否判断

 キャップの有無という違いがあるが、いずれもボトルに栓をするというものであるから、両意匠の意匠に係る物品は、共通していると認められる。

 

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能の評価

 本願意匠の第2部分(本体部の頭部及びくびれ部の外面)と引用意匠中の頭部及びくびれ部の外面は、位置、大きさ及び範囲、並びに用途及び機能が共通しているといえる。

 本願意匠の第3部分(外栓の外面部分)と引用意匠中の栓部の外面は、位置、大きさ及び範囲が共通し、ボトルに栓をしたときにボトルの口内周面に触れてボトルを密閉する点で用途及び機能が共通している。

 しかし、引用部分は、中空の頭部を塞ぐという本願意匠の第1部分に対応する用途及び機能を有していない

 また、引用部分は、ボトルを傾けた際にボトルの中身が外栓の内部に流れ込むための開口という本願意匠の第3部分に対応する用途及び機能を有していない

 

(3)両意匠における類否判断

 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するが、本願部分と引用部分では、一部の用途及び機能に相違が認められるため、両部分の形状について検討するまでもなく、本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない

 


関連情報

 


弊所独自の観点で、編集・加工を行っています。
正確な全文は、審判番号から審決公報をご確認ください。
(作成2024.02.01、最終更新2024.02.01)

Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠登録のメリット・デメリット【動画】

意匠登録のメリット・デメリットについて、解説動画をYouTubeに投稿しました(8分24秒)。

意匠登録のメリットとデメリット、意匠登録の必要性について、考えてみます。

意匠(いしょう)とは、物品・建築物・画像の美的な外観・デザインをいいます。意匠の実施を独占したい場合、特許庁に意匠登録する必要があります。

2024年2月現在の情報であり、弊所の見解です。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。
手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


意匠登録のメリット・デメリット【動画】

 


(作成2024.02.01、最終更新2024.02.01)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

意匠登録のメリット・デメリット

意匠(いしょう)とは、物品・建築物・画像の美的な外観・デザインをいいます。意匠の実施を独占したい場合、特許庁に意匠登録する必要があります。

ここでは、意匠登録のメリットとデメリット、意匠登録の必要性について、弊所なりに考えてみます。

意匠登録の詳細については、「意匠登録とは・意匠権の取り方」をご覧ください。

ご依頼ご相談は、お問合せのページからお気軽にご連絡ください。

目次

 


意匠登録のメリット

(1)技術的に新しくなくても、デザインが新しければ登録できます。

意匠登録の対象は、物品・建築物・画像のデザインです。特許のように、技術的な新しさは、要求されません。

技術的に新しくなくても、デザインが新しければ、その保護を図ることができます。

 

(2)出願意匠が先行意匠と同一・類似であるか確認できます。

意匠の登録要件の一つとして「新規性」が要求され、出願前に公知となった意匠と同一・類似の意匠は、意匠登録を受けることができません。日本国内に限らず、外国で公知となった意匠も、意匠登録を受けることができません。そのため、意匠登録されるということは、従来、同一・類似のデザインがなかったことになります。理論上、「世界になかったデザイン」ということになります。

意匠登録出願の審査を受けることで、他人の意匠権との抵触も確認できますから、他人の権利を侵害しないかについて、自社で製造販売する際の一つの安心材料になります。但し、他人の登録意匠等との利用関係や、特許権等との抵触関係までは審査されません。そのため、意匠登録を受けても、実施できない場合もあり得ます。たとえば、登録意匠の一部(部品や部分)について、他人が先に意匠登録を受けている場合などです。

なお、特許や商標の場合、出願して拒絶になると、その情報は公開されますが、意匠の場合、仮に拒絶になっても、原則として(一部の例外を除き)、他人に知られることはありません。そのため、たとえば、自社商品の出願意匠が、先行する他社の登録意匠に類似するとして拒絶されても、他社に知られることはありません。権利の抵触関係が知られず、安心です。

 

(3)登録意匠と同一・類似の意匠の実施を独占できます。

意匠登録を受けると、意匠権者は、登録意匠のみならず、これに類似する意匠についても、独占排他的に実施することができます。権利侵害に対しては、製造販売の差止めや、損害賠償を請求することができます。意匠権を侵害した場合には、刑事罰が科される場合もあります。また、登録意匠と同一・類似の意匠について、他人の登録を排除することができます。

このようにして、独占範囲を確保することで、今後のデザイン変更についても、設計の自由度を確保することができます。

 

(4)特許と比べて、安価に登録できます。

特許と比較して、出願から登録までの費用が、非常に安いです。具体的には、出願から登録までの費用は、特許の場合、最低でも169,800円が必要ですが、意匠の場合、24,500円で済みます(2024年1月現在)。中小企業や個人などの場合、特許費用の減額を受けられる場合もありますが、それとの比較でも、通常、意匠登録の方が安くなります。詳しくは、次のリンク先をご覧ください。

 

(5)特許と比べて、早期に登録できます。

審査期間(拒絶理由通知または登録査定までの期間)について、特許は平均10ヶ月ですが、意匠は平均6ヶ月です(2022年)。いずれも、所定要件下、審査を早めてもらうことができます。

特許の場合、拒絶理由通知(特許しない旨の通知)の可能性の方が高く、その対応のため、長期となることも多いです。もちろん、意匠の場合も、拒絶理由通知がくれば、その対応が必要となります。

しかし、多くの場合、特許と比べて、意匠登録の方が早く権利化することができます。

 

(6)特許と比べて、長期に保護できます。

権利の存続期間(出願日からの期間)は、特許は20年、実用新案は10年ですが、意匠登録は25年もあります。しかも、登録料も、特許と比べて安価です。

 


意匠登録のデメリット(注意点)

以下、デメリットというほどのものではありません。意匠制度をご利用される際の注意点となります。

(1)技術的アイデアを保護することはできません。

意匠権は、あくまでデザイン(外観)に関する権利です。登録意匠と同一・類似のものが権利範囲です。デザインが異なってもよい場合(技術的アイデアを保護したい場合)、特許または実用新案登録する必要があります。特許と意匠登録との双方による保護を図ることはできます。

特許と意匠登録との違いについて、詳細は、「特許と意匠の違い」をご覧ください。

 

(2)権利の取得と維持に費用がかかります。

意匠登録には、費用がかかります。登録後も、毎年、登録料(年金)の納付が必要です。但し、前述したとおり、特許よりも安価です。

なお、仮に真似されてもよいなら、商品販売に際し、意匠登録は必須ではありません。権利の取得や維持に要する費用と、意匠登録によるメリットとを比較して、出願の要否を決める必要があります。

 

(3)権利範囲(類似範囲)か否かの判断が容易とはいえません。

見た目で分かる権利であり、特にデッドコピー(ほぼそのままの模倣品)は抑えやすいです。しかし、登録意匠と類似するか否かの判断は、必ずしも容易とはいえません。たとえば、他社商品が自社の登録意匠と類似するか否かの判断に、他社商品と登録意匠とだけを見比べて済む訳ではありません。通常、その他の周辺意匠も知る必要もあります。

類似範囲の確認と拡張は、関連意匠制度を利用できます。登録意匠(本意匠)と類似と思う意匠を、関連意匠として登録できたなら、両意匠は類似することになります。その他、特許庁による判定制度もあります。

 


意匠登録に関するご相談

ご依頼ご相談は、お問合せのページからお気軽にご連絡ください。

  • 日本全国からご相談いただけます。相談料は初回無料です。
  • インターネットを介したリモート相談が可能です。弊所からEメールで招待状をお送りしますので、そのメールに記載のリンクをクリックするだけで、ご参加いただけます。あとは、弊所がご提示する画面を見ながら、ご相談いただけます。画面操作はすべて弊所で行いますので、はじめての方でもご安心ください。
  • 来所によるご相談(要事前予約)、会社やご自宅でのご相談も可能です。

 


関連情報

 


(作成2024.01.31、最終更新2024.01.31)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

小山特許事務所YouTube動画の視聴回数上位5選

弊所YouTube視聴回数ランキング

小山特許事務所の弁理士小山は、「小山特許事務所のYouTubeチャンネル」として、特許、実用新案、意匠登録、商標登録などの知財について、各種の解説動画をYouTubeに投稿しております。

投稿動画の内、視聴回数(再生回数)の多いものから5つをご紹介します。2024年1月7日現在の情報です。

話し方は素人感満載で、動画も基本的に編集ナシのため微妙ですが、内容自体は今でも大丈夫です!。出だしを耐えると、その内、慣れるかと・・・

分野別(法域別)にまとめた「再生リスト(プレイリスト)」は、次のリンクからお進みください。動画の一覧から、ご希望の動画を選択できます。比較的最近投稿の動画の方が、多少見やすくなっていると思います。

 


【第1位】コンパスによる楕円の描き方

視聴回数=10,943(2024年1月7日現在)

 


【第2位】商標登録出願から登録までの流れ

視聴回数=3,629(2024年1月7日現在)

 


【第3位】特許明細書の書き方(実践編)

視聴回数=2,882(2024年1月7日現在)

 


【第4位】斜視図(等角図)の描き方

視聴回数=2,361(2024年1月7日現在)

 


【第5位】特許出願から登録までの流れを詳細に

視聴回数=1,595(2024年1月7日現在)

 


(作成2024.01.07、最終更新2024.01.07)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

小山特許事務所YouTube動画の高評価上位5選

弊所YouTube高評価ランキング

小山特許事務所の弁理士小山は、「小山特許事務所のYouTubeチャンネル」として、特許、実用新案、意匠登録、商標登録などの知財について、各種の解説動画をYouTubeに投稿しております。

投稿動画の内、ありがたくも高評価をいただいたものがあります。ここでは、高評価数(いいね!)の多いものから5つをご紹介します。「評判のよいもの」トップ5となります。2024年1月7日現在の情報です。

話し方は素人感満載で、動画も基本的に編集ナシのため微妙ですが、内容自体は今でも大丈夫です!。出だしを耐えると、その内、慣れるかと・・・

分野別(法域別)にまとめた「再生リスト(プレイリスト)」は、次のリンクからお進みください。動画の一覧から、ご希望の動画を選択できます。比較的最近投稿の動画の方が、多少見やすくなっていると思います。

 


【第1位】商標登録出願から登録までの流れ

高評価数=48(2024年1月7日現在)

 


【第2位】コンパスによる楕円の描き方

高評価数=41(2024年1月7日現在)

 


【第3位】特許明細書の書き方(実践編)

高評価数=31(2024年1月7日現在)

 


【第4位】先願(特許法39条)と拡大先願(特許法29条の2)

高評価数=31(2024年1月7日現在)

 


【第5位】特許出願から登録までの流れを詳細に

高評価数=26(2024年1月7日現在)

 


(作成2024.01.07、最終更新2024.01.11)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

実用新案のメリット・デメリット【動画】

実用新案は意味がないのかに関連して、実用新案のメリットとデメリットについて、解説動画をYouTubeに投稿しました(12分54秒)。

実用新案のメリットとデメリットについて解説します。

実用新案は意味がないことはないです。実用新案も意味があります。実際、実用新案でも「1億円を超える高額の損害賠償請求」や「製造販売等の差止請求」が認められることもある“事実”があります。

実用新案にはデメリットもあります。大手企業の多くが特許を選択するのは事実です。しかし、資金力に差がありますから、大手企業の知財戦略を真似る必要はありません。

資金力に不安がなければ特許、手軽に安価にということであれば実用新案です。

2024年1月現在の情報であり、弊所の見解です。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。
手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


実用新案のメリット・デメリット【動画】

 


(作成2024.01.03、最終更新2024.01.03)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.

小山特許事務所のYouTubeチャンネルの再生リスト

知財動画のご紹介

小山特許事務所の弁理士小山は、「小山特許事務所のYouTubeチャンネル」として、特許、実用新案、意匠登録、商標登録などの知財について、各種の解説動画をYouTubeに投稿しております。投稿は、分野別に「再生リスト(プレイリスト)」にまとめています。

以下は、その再生リストへのリンク集となっています。

下記から、ご希望の再生リストをクリックすると、そのリストに含まれる動画の一覧が表示されますので、ご希望の動画を選択してください。再生リスト内の動画を順にすべて再生することもできます。

人気の動画、高評価の動画は、本ページ末尾のリンクから確認いただけます。

 


特許の解説動画(その1)

動画再生リスト「特許 その1」=特許とは、特許の取り方、特許出願から登録までの流れ、特許費用などの動画

 

特許の解説動画(その2)

動画再生リスト「特許 その2」=出願審査の請求時期、特許拒絶理由、進歩性判断などの動画

 

特許法の逐条解説の動画

動画再生リスト「特許法の条文解読」=条文の読み方、特許法と実用新案法の用語の対応関係、特許法第1条~の逐条解説の動画

 

実用新案の解説動画

動画再生リスト「実用新案登録」=実用新案登録とは、実用新案権の取り方、特許との違い、実用新案登録出願から登録までの流れなどの動画

 

意匠登録の解説動画

動画再生リスト「意匠登録」=意匠登録とは、意匠権の取り方、意匠登録の例、意匠登録出願から登録までの流れなどの動画

 

商標登録の解説動画

動画再生リスト「商標登録」=商標登録とは、商標権の取り方、商標登録の必要性、商標登録出願から登録までの流れなどの動画

 

商標類否判断の解説動画

動画再生リスト「商標類否判断」=商標類否判断手順、商標類否判断のための子音の比較などの動画

 

図面関係の解説動画

動画再生リスト「図面関係」=斜視図・等角図の描き方、コンパスによる楕円の描き方、六面図などの動画

 

特許庁統計の解説動画

動画再生リスト「特許庁統計」=特許庁統計の特実編、意匠編、商標編の動画

 

その他の動画

動画再生リスト「その他」=知的財産・知財とは、特許庁の期限通知サービスのご紹介、特許事務所・弁理士の守秘義務などの動画

 


人気の動画は、次のとおりです。

 


(作成2024.01.02、最終更新2024.01.07)
出典を明示した引用などの著作権法上の例外を除き、無断の複製、改変、転用、転載などを禁止します。
Copyright©2024 Katanobu Koyama. ALL RIGHTS RESERVED.