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意匠の新規性喪失の例外と早期審査の関係【動画】

次の各ページに関連して、意匠の「新規性喪失の例外」と「早期審査」の関係について、解説動画をYouTubeに投稿しました(3分8秒)。

意匠の「新規性喪失の例外」と「早期審査」の関係について、考えてみます。出願前に商品販売やネット掲載等によりデザインを公開した場合、ご自身のデザインであっても意匠登録を受けられませんが、最初の公開から1年以内なら、「新規性喪失の例外」として、意匠登録を受けられる場合もあります。

その際、公開済みの出願意匠は「早期審査」を受けるチャンスでもあります。創業後10年未満の中小企業様や個人事業主の方でしたら、審査を早めてもらうことができます。新規性喪失というデメリットを、少しでもメリットに変えることができます。

但し、推奨される本来の手順は、商品発売等の前に「まずは出願」です。その後、条件を満たせば、早期審査も申請できます。この点、ご留意ください。

2026年5月現在の情報であり、弊所の見解です。

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意匠の新規性喪失の例外と早期審査の関係【動画】

 


(作成2026.05.10、最終更新2026.05.10)
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【続編】意匠出願、図面か写真か? ビジネスも考慮した戦略的な使い分け【動画】

出願意匠の特定方法(線図・写真・CGなど):意匠出願は図面か写真か?」の内、「【実務の視点】ビジネスも考慮した使い分け」について、解説動画をYouTubeに投稿しました(3分40秒)。

意匠登録出願を、図面(線図)でするか、写真でするか?

以前投稿した「基礎編」に続き、今回はさらに一歩踏み込んだ「実務・戦略編」を3分で解説します。

意匠登録は「登録すること」自体がゴールではありません。大切なのは、「いかにビジネスを守るか」という視点です。

  1. コストを抑えたい
  2. 一日も早く出願したい
  3. 自社商品を確実に保護したい
  4. 競合他社を効果的に牽制したい

これらの目的に合わせ、実務上どのように図面と写真を使い分けるべきか。意匠専門の弁理士の視点から、ビジネスに直結する「戦略的使い分け」をコンパクトにご紹介します。

2026年5月現在の情報であり、弊所の見解です。

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【続編】意匠出願、図面か写真か? ビジネスも考慮した戦略的な使い分け【動画】

 


(作成2026.05.04、最終更新2026.05.04)
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意匠の「新規性確保」と、将来の「証明への備え・対策」【動画】

意匠の新規性喪失の例外(商品販売後・ウェブ掲載後の意匠登録出願)』の内、『出願前の「新規性確保」と、将来の例外申請の「証明への備え・対策」』について、解説動画をYouTubeに投稿しました(6分41秒)。

意匠登録を受けるには、商品販売やSNS投稿等によるデザイン公開前の出願が原則ですが、「売れるか売れないか分からないものに手間や費用をかけてられない」という現実もあります。そこで、重要なのは、いかに将来の『意匠登録の可能性』を残すかです。今回は、そのためのポイントを解説します。

出願前の「新規性確保」のポイントから、(デザイン公開後に出願したくなった際の)将来の「証明への備え・対策」まで、 弊所の多数の受任実績から得た知見を凝縮しました。

なお、出願前のデザイン公開(販売やSNS投稿等)を弊所が推奨するものではありません。可能な限り、デザイン公開前に出願してください。動画でも言及のとおり、その方が、特許事務所(弁理士)の手数料が余分にかからず、安く出願できます。

2026年4月現在の情報であり、弊所の見解です。

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意匠の「新規性確保」と、将来の「証明への備え・対策」【動画】

 


(作成2026.04.23、最終更新2026.04.23)
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出願意匠の特定方法(線図・写真・CGなど):意匠出願は図面か写真か?【動画】

出願意匠の特定方法(線図・写真・CGなど):意匠出願は図面か写真か?」について、解説動画をYouTubeに投稿しました(9分25秒)。

意匠登録出願の出願意匠の特定方法についてご紹介します。意匠登録出願の際、図面と写真、どちらが正解か、他にはあるのか、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

2026年4月現在の情報であり、弊所の見解です。

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出願意匠の特定方法(線図・写真・CGなど):意匠出願は図面か写真か?【動画】

 


(作成2026.04.13、最終更新2026.04.13)
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出願意匠の特定方法(線図・写真・CGなど):意匠出願は図面か写真か?

意匠登録出願:図面と写真、どちらが正解?、他には?、メリット・デメリットを解説

GUIDE 意匠登録がはじめての方へ

意匠登録の基礎知識(制度の概要や権利の取り方)については、まずはこちらのページをご覧ください。


目次(図面か写真か、どちらで出願?、他には?)

 


意匠登録によるデザイン保護

新商品やそのパッケージなどのデザインを保護したい場合、特許庁に意匠登録する必要があります。意匠登録するには、デザインを特定して意匠登録出願し、審査をパスしなければなりません。

デザインの特定は、多くの場合、六面図と呼ばれる一組の図面で行います。物品を前後左右上下から見た6枚の図です。より具体的には、正面図背面図左側面図右側面図平面図底面図です。

その他、必要に応じて、斜視図(斜めから見た立体図)、断面図(切断して示す図)、拡大図(一部を拡大して示す図)、参考図(使用状態や透明部などを示す図)なども使われます。

図面に不備がある場合、登録を受けられない場合もあります(図面に不備がある場合の取扱い)。

 


特定方法の種類

デザインを特定する方法として、次に示すように、様々なものがあります。

出願意匠の特定方法(線図・写真・CGなど):意匠出願は図面か写真か?

  • 線図
  • 写真(モノクロ、カラー)
  • CG(3D-CAD図)
  • 現物(ひな形、見本)
    ※ひな形とは、いわゆる模型のことです。
    ※見本とは、意匠登録を受けようとする意匠そのもの(現物)です。

 


特定方法の選択

上述した各特定方法(線図、写真、CG、現物)のメリット・デメリットなどを検討してみます。弊所の見解です。

線図

線図の例(全体意匠)
線図の例(部分意匠)
【メリット】

  • 最も一般的な意匠の特定方法です。
  • 形状のみの意匠としたい場合に適します。すなわち、意匠の構成要素として、形状、模様、色彩がありますが、その内、模様や色彩を限定せず、形状のみの意匠とできます。その点で、権利範囲を広く確保しやすいです。但し、模様や色彩を付加(限定)した図とすることもできます。
  • 図面を作成できれば、実物がなくても出願できます。
  • 実物そのものでなく、実物を多少変更した図にもできます。
  • 商品開発時のCAD図(設計図)を利用できる場合もあります。
  • 「意匠登録を受けようとする部分」を実線で描き、「その他の部分」を破線で描くことで、部分意匠として意匠登録できます。
【デメリット】

  • 写真のように実物そのものを撮影する訳ではないので、図面に間違いがないかの確認が重要です。図面に不備がある場合、出願拒絶、登録無効の原因となることがあります(図面に不備がある場合の取扱い)。
  • 実物しかない場合、実物からの図面作成の難易度や費用の問題があります。
  • 実物との乖離に注意が必要です。すなわち、その図面で、本当に自社商品が保護されるのか、検討が必要です。一部の部品を削除したり、実際の商品よりも簡略化したりした場合、少なくとも(権利の中心である登録意匠そのものが)商品ズバリの権利にはなりません。また、侵害訴訟で比較する対象は、相手方の商品自体です。逆にいえば、相手方商品と比較するのは、自社商品ではなく、その写真でもなく、あくまでも図面となります。商品同士は似ていても、図面とは異なることがあるかもしれません。権利者は商品を再現したつもりでも、第三者がそのように解釈するとは限りません。
  • 素材感・風合い・質感などがうまく伝わらないことがあります。この点でも、実物との乖離に注意が必要です。

写真

写真の例(全体意匠)
写真の例(部分意匠)
【メリット】

  • 実物があれば、図面がなくても、出願できます。
  • 複雑な形状や模様にも対応できます。
  • 色彩や模様も構成要素とできます。
  • 線図と比較して、素材感・風合い・質感などを伝えやすいです。
  • 権利範囲に自社商品を確実に含ませることができます。
  • モノクロ写真でもカラー写真でも構いません。色彩の影響を排除・軽減したい場合、モノクロ写真が考えられます。
  • 「意匠登録を受けようとする部分」をそのまま残し、「その他の部分」をたとえば赤色で着色して、部分意匠として意匠登録できます。
【デメリット】

  • 六面図を構成する各図の整合性に注意します。遠近感(前方が大きく、後方が小さく見える現象)が生じるため、その軽減に配慮します。また、布製品やチェーンなど、形状が安定しない物品の場合、特定の姿態で撮影します。
  • ぼけ、かげ、背景や反射面への写り込み、黒つぶれなどを防止する必要があります。
  • 模様や質感なども構成要素となります。場合により、部分意匠の利用は考えられます。

CG(3D-CAD図)

CG, 3D-CAD図の例(全体意匠)

  • 部分意匠には、写真の場合と同様、着色して対応できます。
【メリット】

  • 線図より実物との乖離を軽減できます。素材感・風合い・質感なども伝えやすいです。
  • 複雑な曲面がある場合など、線図では表現しにくい物も図示できます。
  • 写真よりも、六面図の整合性を確保できます。
【デメリット】

  • 線図や写真よりも作成の難易度が高いと思われます。

現物(ひな形、見本)

現物出願の例(全体意匠)

  • こわれにくいもの、容易に変形・変質しないもの、取扱い・保存に不便でないもの、厚さが7mm以下のもの、・・・など、所定の要件を満たさなければなりません。そのため、多くの場合、図面か写真での出願となります
【メリット】

  • 実物があれば、しかも提出条件に合致すれば、手軽に出願できます。
  • 提出物品を確実に保護できます。
【デメリット】

  • 提出できる物品について、各種の制約があります。
  • 見本、ひな形にあらわされた模様・色彩について、願書で、模様や色彩を除外する旨の記載はできません。不適切な記載として、削除を求められます。そのため、模様や色彩も構成要素となります。場合により、部分意匠の利用は考えられます。
  • 特許庁への郵送・持参が必要となり、オンライン出願だけで完結しません。
  • 特許庁提出用の他、手元の控えとして、もう1品必要です。手元に控えがなければ、何を出願したか詳細を確認できず、拒絶理由通知への対応に苦慮すると思われます。控えを用意できない場合、最低限、写真で残しておくべきです。

まとめ

どれで特定するか迷われるなら、通常、線図でよいと思います。

複雑な曲面があるなど、物品によっては、写真やCGが有利なこともあります。

実際問題として、図面や写真等の内の「何を用意できるのか」で制約を受ける場合もあります。

物品の形態や素材等図面作成等の手間や費用出願の目的(たとえば他社権利との関係が心配なら自社商品ズバリが安心なこともある)なども考慮します。

【実務の視点】ビジネスも考慮した使い分け

意匠登録において、「線図」は常に推奨される王道ですが、一方で、すべてのケースでそれが唯一の正解とも限りません。

図面が適するもの、写真が適するもの、どちらでも大差ないもの、があります。既にCADデータがあればそれを活用すればよいし、そうでないなら、商品の性質、図面等準備のコストやスピード、出願目的などを考慮して、どちらがよいか決めます。

例えば、ライフサイクルが非常に短い商品や、すでに完成している商品のデッドコピーを即座に防ぎたい場合などは、「写真」を選択すれば、商品ズバリを確実に保護できる上、(実物しかないなら)コストとスピードでも優位なことが多く、極めて合理的な戦略です。

「図面が描けないから消去法で写真にする」のではなく、実物の質感の再現や、自社商品を確実に権利に含める安心感、そしてコストやスピードを考慮して、あえて「積極的な戦略として写真」を選択するという道もあります。

また、1件あたりの出願費用を抑えれば、全体意匠、部分意匠、関連意匠などを駆使して、様々な観点から権利取得できます。それにより、網状に多面的な保護を図り、競合へのけん制力を増すことができます。

「最高の図面(あるいは写真)」を用意すること自体が目的ではありません。重要なのは、その権利を使って「いかにビジネスを守るか」という視点です。

また、「とにかく図面」という観念にとらわれ過ぎて、出願が遅れたり、コストで断念したり、ましてや肝心の自社商品が保護されないのでは、本末転倒です。商品の性質や予算、そして「何を、いつまでに、どう守りたいか」という出願目的に合わせ、柔軟に手法を使い分ける戦略的な判断が求められます。

【事例でわかる】意匠戦略の鍵「多面的な保護」とは?

単一の出願だけでなく、複数の権利を組み合わせることで、競合他社が「少し形を変えて真似をする」隙間をなくすことができます。商品デザインを、あらゆる角度から守る「多面的な保護(網状の保護)」です。

例:新しいボールペンを開発した場合

意匠戦略:商品の「多面的な保護」:全体意匠、部分意匠、部品意匠、関連意匠によるデザインの多面的保護。意匠権、特許権、実用新案権、商標権による重畳的保護。パッケージの意匠登録も可。

① 全体意匠
ボールペン全体のデザインを保護します。形状のみの意匠の他、模様等の付いた意匠にもできます。
② 部分意匠
特徴的な部分(たとえば軸の一部、クリップ部)だけを保護します。他社が他の部分(たとえば握り部)の形を変えても、特徴部が似ていれば権利行使できます。
③ 部品意匠
独自の「替え芯」の形状などを保護します。消耗品のシェアを守ります。全体意匠でも、部分意匠でも構いません。パッケージの登録もできます。
④ 関連意匠
基本デザインからの「バリエーション(色違いや細部違い)」をまとめて保護できます。部分意匠の関連意匠もできます。関連意匠の関連意匠もできます。
ここがポイント!
このように「面」で権利を張っておけば、競合他社は「どこを真似しても、どこかの権利に触れてしまう」という状況になります。「少し変えれば大丈夫」という安易な模倣を、入り口で断念させる強力なバリアとなるのです。
 
その他、デザインを保護する「意匠権」以外に、技術的アイデアを保護する「特許権・実用新案権」、ブランドを保護する「商標権」による多面的な保護を図ることもできます。

 


意匠登録に関するご相談

ご依頼ご相談は、お問合せのページからお気軽にご連絡ください。初回、相談料は無料です。

日本全国からリモート相談できます。弊所からEメールで招待状をお送りしますので、そのメールに記載のリンクをクリックするだけで接続できます。事前に図面や写真をお送りいただければ、弊所からそれを画面表示して、相談できます。画面操作はすべて弊所で行いますので、はじめてでも安心です。

全件、弁理士小山が直接に担当させていただきます。過去350件以上の代理実績があります。この実績が本当かは、特許庁でお調べいただけます(J-PlatPat)。

 


関連情報

 


(作成2026.04.08、最終更新2026.05.04)
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意匠登録のメリット(必要性)【要点・図表】の動画解説

意匠登録のメリット(必要性)【要点・図表】について、解説動画をYouTubeに投稿しました(3分14秒)。

意匠登録のメリット(必要性)のまとめです。弊所オリジナルの図表で確認してみます。

左側のグレーの欄に記載の課題(お悩み)があり、それを「意匠登録(いしょうとうろく)」で、右側のように解決できると考えています。右側のグリーンの欄が、意匠登録のメリットになります。

2026年の情報であり、弊所の見解です。

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手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


意匠登録のメリット(必要性)【要点・図表】の動画解説

 


(作成2026.02.25、最終更新2026.02.25)
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意匠審決の読解18(共通点に比べ相違点が類否判断に与える影響が大きく非類似)

【18】不服2025-9825

意願2024-500946「車両用グリル」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】本願出願前には引用意匠以外に見られない態様、特定の角度から見た部分的な一致、意匠全体に占める割合、需要者の注意、一枚の厚板からなる一体的でシンプルな印象、複数の部材からなる複雑な印象、印象を強める、本願出願前から公然知られていて本願意匠にのみ見られる態様ではない、略横長で扁平である印象、比較的縦横のバランスが取れている印象、共通点に埋没する程度の僅かな相違

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1 本願意匠と引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品

 どちらも車両用のグリルであるから、両意匠の意匠に係る物品は、一致する。

 

(2)両意匠の形状等

 ア 共通点

(共通点ア)全体

 全体を、正面視略横長かまぼこ状の枠にメッシュを設けたものとし、真ん中に略縦棒状の仕切りを設け、該仕切りの上端寄りに略横長楕円形状のプレートを形成している点

(共通点イ)仕切りの態様

 仕切りは、下端近傍が、下端に向かって裾広がり状に形成している点

 

 イ 相違点

(相違点ア)全体

 本願意匠は、枠、メッシュ及び仕切りが、おおむね同じ厚みで同一平面をなす略厚板状のものであるに対し、引用意匠は、メッシュを枠及び仕切りの背面側に取り付けたものである点

(相違点イ)プレート

 本願意匠は、プレートが、仕切りとおおむね同じ厚みで同一平面をなすのに対し、引用意匠は、仕切りの表面側に取り付けている点

(相違点ウ)メッシュの孔

 本願意匠は、正面視ハニカム状の略角丸六角形状であるのに対し、引用意匠は、メッシュの孔の形状が略楕円状である点

(相違点エ)全体の縦横の長さの比

 本願意匠は、約1:1.8であるのに対し、引用意匠は、約1:2.3である点

(相違点オ)枠の両側の立ち上がり角度

 本願意匠は、約80度であるのに対し、引用意匠は、約70度である点

(相違点カ)仕切りの上端

 引用意匠は、仕切りの上端近傍が、上端に向かって湾曲して広がっているのに対し、本願意匠は、広がっていない

 

2 両意匠の類否判断

(1)意匠に係る物品

 両意匠の意匠に係る物品は、一致するから、同一である。

 

(2)両意匠の形状等の共通点及び相違点の評価

 ア 共通点の評価

(共通点ア)

 この種物品の分野において、全体を、正面視略横長かまぼこ状の枠にメッシュを設けたものとし、真ん中に略縦棒状の仕切りを設け、該仕切りの上端寄りに略横長楕円形状のプレートを形成しているものは、本願出願前には引用意匠以外に見られない態様であるが、正面という特定の角度から見た部分的な一致にとどまるから、(共通点ア)が、両意匠の類否判断に与える影響は一定程度である。

(共通点イ)

 仕切りの下端は、意匠全体に占める割合が小さく、格別、需要者の注意を惹かないから、(共通点イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものである。

 

 イ 相違点の評価

(相違点ア)

 本願意匠は、枠、メッシュ及び仕切りが、おおむね同じ厚みで同一平面をなす略厚板状のものであることで、需要者に、全体が一枚の厚板であり、一体的でシンプルな印象を与えているのに対し、引用意匠は、メッシュを枠及び仕切りの背面側に取り付けたものであることで、需要者に複数の部材からなる複雑な印象を与えていることから、需要者に与える美感は大きく異なり、(相違点ア)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。

(相違点イ)

 プレートが、仕切りとおおむね同じ厚みで同一平面をなすことで、全体が一枚の厚板である印象を強めるのに対し、引用意匠は、プレートを、仕切りの表面側に取り付けていることで、複数の部材からなる複雑な印象を強めることから、需要者に別異の印象を強く与えており、(相違点イ)が、(相違点ア)と相まって、両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。

(相違点ウ)

 この種物品の分野において、メッシュの孔を正面視ハニカム状の略角丸六角形状としたものは、参考意匠に見られるとおり、本願出願前から公然知られており、本願意匠にのみ見られる態様でなく、格別、需要者の注意を惹くものではないから、(相違点ウ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものである。

(相違点エ)

 引用意匠は、12.3であり、略横長で扁平である印象を与えているのに対し、本願意匠は、11.8であり、比較的縦横のバランスが取れている印象を与えていることから、(相違点ウ)が、両意匠の類否判断に一定程度影響を与えるものである。

(相違点オ)及び(相違点カ)

 メッシュの外形の左右の辺の立ち上がり角度(相違点オ)及び仕切りの上端の態様(相違点カ)は、意匠全体を占める割合が小さく、(共通点ア)に埋没する程度の僅かな相違であるから、(相違点オ)及び(相違点カ)が、両意匠の類否判断に与える影響は小さいものである。

 

(3)両意匠の形状等の類否判断

 両意匠の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察し判断した場合、

 (共通点ア)及び(共通点イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は一定程度又は小さいのに対し、

 (相違点ウ)から(相違点カ)が、両意匠の類否判断に与える影響は一定程度又は小さいものの、

 (相違点ア)及び(相違点イ)が、両意匠の類否判断に与える影響は大きく需要者に別異の印象を強く与えるものであるから、相違点全体が相まって、両意匠の類否判断に与える影響が大きいものである。

 したがって、両意匠の形状等を全体として総合的に観察した場合、両意匠の形状等は、共通点に比べて、相違点が両意匠の類否判断に与える影響の方が大きいものであるから、両意匠の形状等は類似しない

 


関連情報

 


弊所独自の観点で、編集・加工を行っています。
正確な全文は、審判番号から審決公報をご確認ください。
(作成2026.02.20、最終更新2026.02.20)

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秘密意匠について(必要性、メリット・デメリット、請求手続、請求費用)【動画】

秘密意匠について(必要性、メリット・デメリット、請求手続、請求費用)について、解説動画をYouTubeに投稿しました(6分45秒)。

秘密意匠とは何か、秘密意匠の必要性、メリット・デメリット、請求手続、請求費用について、わかりやすく解説します。

2026年2月現在の情報です。

なお、再生速度は変更可能です。画面右下の歯車のアイコンをクリックいただき、1.25倍、1.5倍などに変更できます。
手っ取り早く動画内容を確認されたい場合、お試しください。

 


秘密意匠について(必要性、メリット・デメリット、請求手続、請求費用)【動画】

 


(作成2026.02.20、最終更新2026.02.20)
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意匠審決の読解17(共通点は公知であるが、相違点は先行意匠に照らして本願意匠のみの特徴的なもの)

【17】不服2025-9614

意願2024-7657「浴槽」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】外形状、内部の形状等、需要者の注意を強く惹く部分、共通点は出願前から公然知られている、両意匠にのみ見られる態様とはいえない、姿勢の安定性や出入りのしやすさを想起、秩序のある凹凸に富む入り組んだ印象、先行意匠に照らして本願意匠のみの特徴的なもの

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1 本願意匠と引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品

 いずれも「浴槽」であり、両意匠の意匠に係る物品は、一致する。

 

(2)両意匠の形状等

 ア 共通点

 (共通点ア)全体について、平面から見た浴槽の輪郭形状を、浴槽の左右をそれぞれ同径の略円形部とし、その両円形部と最もくびれた中間部とを滑らかな略凹弧状でつなぎ、一体となるように形成した略落花生形状としている点

 (共通点イ)縁部について、平面視において端部を略鋭角状の細幅とし、正面視において縁部全体を水平に形成している点

 (共通点ウ)壁部について、正面視において縁部から外壁の下方に向けて外方向に緩やかに傾斜させ、外壁の下部付近で丸みのある膨らみを有する点

 

 イ 相違点

 (相違点ア)内壁下方について、平面視において本願意匠の内壁には左側及び右側の略円形部の最も膨らんだ箇所に互いに対向するように、略変形三角形状の載置台を計4つ形成しているのに対し、引用意匠の内壁には載置台が確認できない点

 (相違点イ)浴槽底部について、平面視において本願意匠の浴槽底部には略円形部と中間部との境界部分にそれぞれ直線状の段差を形成しているのに対し、引用意匠の浴槽底部は、お湯が張られているため、具体的に特定出来ない点

 

2 両意匠の類否判断

(1)意匠に係る物品

 両意匠の意匠に係る物品は浴槽であり、一致するから、同一である。

 

(2)両意匠の形状等の共通点及び相違点の評価

 両意匠は、床面に設置する「置き型」と呼ばれるタイプの浴槽であり、設置後も浴槽の外形状全体が見られることから、浴槽の外形状は、需要者の注意を強く惹く部分である。また、浴槽は内部に湯を張り、座って入浴することから、外形状だけでなく浴槽の内部の形状等も需要者の注意を強く惹く部分である。

 

 ア 共通点の評価

 この種物品分野について、

 (共通点ア)浴槽の左右を同径の略円形部とし、その両円形部と最もくびれた中間部とを滑らかな略凹弧状でつなぎ、一体となるように形成した略落花生形状の輪郭形状とするものは、例えば、参考意匠1に見られ、

 (共通点イ)縁部を平面視において略鋭角状の細幅とし、縁部全体を水平とするものは、例えば、参考意匠2に見られ、

 (共通点ウ)壁部を正面視において縁部から外壁の下方に向けて緩やかに外方向に傾斜させ、外壁の下部付近で丸みのある膨らみを有するものは、例えば、参考意匠3に見られるとおり、

 いずれも本願出願前から公然知られており、両意匠にのみ見られる態様とはいえないが、(共通点ア)から(共通点ウ)は、両意匠の外形状全体の態様を表し、共通感を醸し出しているから、両意匠の類否判断に一定の影響を与えている

 

 イ 相違点の評価

 (相違点ア)は、内壁下方に係るものであって、本願意匠が内壁に左側及び右側の略円形部の最も膨らんだ箇所に互いに対向するように載置台を計4つ形成したものであり、入浴中の姿勢の安定性や入浴時の出入りのしやすさを想起させるととともに、秩序のある凹凸に富む入り組んだ印象であるのに対して、引用意匠は内壁に載置台が確認できないことから、需要者に与える美感は大きく異なり、(相違点ア)が両意匠の類否判断に与える影響は大きいものである。

 (相違点イ)は、浴槽底部の形状等についての細部に係る態様の相違点であるが、中央部が左右よりも低くなっている本願意匠の態様は、この種物品の先行意匠に照らして、本願意匠のみの特徴的なものであり、引用意匠の浴槽底部が特定できないことを踏まえても、(相違点イ)が、類否判断に与える影響は一定程度ある。

 

 ウ 形状等の類否判断

 上記した共通点及び相違点の評価に基づくと、両意匠の形状等について、共通点が類否判断に与える影響は一定程度であるのに対して、相違点が類否判断に与える影響は大きいか、一定程度あって、需要者に別異の美感を与えているというべきであるから、両意匠の形状等は、類似しない。

 

(3)小括

 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品は同一であるが、その形状等においては、相違点が両意匠の類否判断に与える影響は共通点のそれを凌駕しており、意匠全体として見た場合、両意匠は、需要者に別異の美感を与えているというべきであるから、両意匠は類似するということはできない。

 


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(作成2026.02.18、最終更新2026.02.18)

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意匠審決の読解16(両部分の位置大きさ範囲は一致、形状等も類似するが、用途及び機能が相違し非類似)

【16】不服2025-14379

意願2024-17854「包装用噴射器」拒絶査定不服審判事件

原査定を取り消す。本願の意匠は、登録すべきものとする。

意匠法第3条第1項第3号(新規性)

【弊所メモ】部分意匠の類否判断。意匠に係る物品は同一、両部分の位置・大きさ・範囲は一致、両部分の形状等は類似するが、両部分の用途及び機能は類似しておらず、用途及び機能の相違が類否判断に与える影響が極めて大きいため、本願意匠は引用意匠に類似しない。

◆図面・写真・画像は、審判番号から、特許庁の審決公報をご覧ください。

 


1 本願意匠と引用意匠の対比

(1)意匠に係る物品

 どちらも液体等の内容物を収容して注出する容器であって、その用途及び機能は共通しているから、意匠に係る物品は、一致する。

 

(2)両部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲

 ア 両部分の位置、大きさ及び範囲

 両部分は、いずれも容器本体の上端部に設けられた注出口の周囲の、容器本体よりやや縮径させた位置から上方に、突出して注出口の外側に設けた略円筒状の周壁であり、容器全体に占める位置、大きさ及び範囲は一致する。

 

 イ 両部分の用途及び機能

 両部分は、周壁により注出口付近に空間を設けるという点では機能の一部に共通性が認められるが、空間の用途は相違しており、その他の用途及び機能についても、以下のように一致しない

 本願部分は、キャップの噴射口周りの略円筒状の周壁であり、その用途及び機能は、本願部分を噴射対象物である布製身回品に押しつけることで、内容物を噴射口から噴射し、また、噴射される内容物を布製身回品と共に区画して空間を構成する用途及び機能を有している。

 一方で、引用部分は、キャップの一部である周壁箇所であり、キャップを下にして容器を倒立させて保管する際に、注出開口と接地面が接触しないように空間を設ける用途及び機能を有しており、両部分の用途及び機能は一致しない

 

(3)両部分の形状等

 ア 共通点

 両部分は、全体が一定の厚みの略短筒形状である点において、共通する。

 

 イ 相違点

 全体の縦、横(径)の長さの比率について、本願部分が約1:3.14であるのに対し、引用部分は、約1:3.57で、本願部分の方が引用部分より縦長である点において相違する。

 

2 両意匠の類否判断

(1)意匠に係る物品

 両意匠の意匠に係る物品は、一致するから、同一である。

 

(2)両部分の位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能

 両部分の位置、大きさ及び範囲は一致する。また、両部分は注出口付近に空間を設けるという、一部の機能について共通する。

 しかしながら、本願部分は、当該部分を噴射対象物である布製身回品に押しつけることで、内容物を噴射口から噴射し、また、噴射される内容物を布製身回品に浸透させるため、布製身回品と共に区画して空間を構成する用途及び機能を有しているのに対し、引用部分は注出開口と接地面が接触しないように空間を設ける用途及び機能を有しており、両部分は用途及び機能に相違点を有している。

 この相違点は、当該箇所の可動性にも係る相違点であり、すなわち、当該箇所が使用時において、本願部分は下方に押し込まれるのに対し、引用部分は固定されているといった相違も相まって、需要者の注意を引くものである。

 そうすると、需要者は、本願部分について主に、内容物の噴射が空間内に行き渡るかとの観点から観察するのに対し、引用部分については、倒立させた際、抽出口が接地しない程度の間隔が設けられるかとの観点から観察することとなる。この観点の相違は、両部分について、需要者に異なる美感をもたらすものといえる。

 したがって、両部分の用途及び機能は一致しておらず類似していないのであって、当該用途及び機能の相違が両意匠の類否判断に与える影響は極めて大きい

 

(3)両部分の形状等

 ア 共通点の評価

 両部分は、一定の厚みの中空円筒形状である点において共通しており、この共通点は需要者に共通の美感を強く与えていることから、両部分の共通点が類否判断に与える影響は大きい

 

 イ 相違点の評価

 両部分においては全体の縦、横径の長さの比率について、本願部分が約1:3.14であるのに対し、引用部分は、約1:3.57で、本願部分の方が引用部分より縦長であるものの、その差はわずかであるから、相違点が両部分の類否判断に与える影響は小さい

 

 ウ 形状等の類否判断

 両部分の形状等における共通点及び相違点の評価に基づき、部分全体として総合的に観察し判断した場合、共通点が両部分の類否判断に与える影響は大きいのに対して、相違点が両部分の類否判断に与える影響は小さいものであるから、両部分の形状等は、類似する

 

(4)小括

 そうすると、両意匠は、意匠に係る物品は同一であり、両部分の位置、大きさ及び範囲は一致し、両部分の形状等においては類似するが、両部分の用途及び機能は類似しておらず、当該用途及び機能の相違が類否判断に与える影響が極めて大きいため、本願意匠は引用意匠に類似しない

 


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