目次
- 実用新案登録費用のまとめ
- はじめに
- 実用新案登録出願費用(出願料金)
- 登録料の納付
- 実用新案技術評価の請求
- 訂正の請求
- 関連情報
>小山特許事務所の実用新案登録費用(特許印紙代+弊所手数料)
>実用新案登録費用を安くできないかお悩みの方へ
>特許と実用新案の費用の比較(特許費用の減免後とも比較)
>特許か実用新案かの費用面からの検討
>実用新案は意味がないのか(メリット、デメリット、権利者勝訴例など)(実用新案でも高額の損害賠償請求や差止請求が認められることがある事実)
>実用新案登録とは・実用新案権の取り方 など - 本ページの解説動画:実用新案登録費用(実用新案の出願から登録までの費用)【動画】
実用新案登録費用のまとめ
実用新案の出願から登録までの費用(料金)についてのご説明です。
詳しくは後述しますが、基本的には、「出願」の際に、費用が発生します。「基礎的要件の審査」に伴い「手続補正」により、【実用新案登録請求の範囲】の【請求項】の数が増加した場合、登録料(出願時に納付すべき第1~3年分の登録料)について追加納付が必要です。登録後も権利を維持するには、「登録料の納付」が必要です。
登録後には、必要に応じて、「実用新案登録に基づく特許出願」、「実用新案技術評価の請求」、「訂正の請求」が可能ですが、その場合には、それら手続について費用が発生します。
手続を特許事務所(弁理士)にご依頼の場合、特許庁費用(特許庁の印紙代)の他、代理人費用(特許事務所の手数料)が必要です。
以下、まずは全体像をフローチャートで示した後、個々の手続と費用について、文章でご説明させていただきます。
なお、基本的には、赤字は特許庁費用、青字は代理人費用、緑字は参考情報です。
- 【ご注意】2023年9月26日現在の料金です。最新情報は、特許庁ホームページにてご確認ください。
- 【ご参考】2023年12月2日現在、変更はございません。
- プリントアウト用pdfファイル:実用新案登録費用(実用新案の出願から登録までの費用)
(1)実用新案登録までに、出願料と設定登録料が最低限必要です。いずれも出願時に納付します。
(2)請求項数1の場合、特許庁費用は、出願料14,000円、設定登録料(第1~3年分の登録料)6,600円となり、合計で20,600円です。これが実用新案登録のための最低費用となります。
(3)請求項数10の場合、特許庁費用は、出願料14,000円、設定登録料(第1~3年分の登録料)9,300円となり、合計で23,300円です。
(4)権利の有効性を確認するには、所望により実用新案技術評価の請求が可能です。その請求費用は、請求項数1の場合で43,000円、請求項数10の場合で52,000円です。
(5)特許事務所の弁理士にご依頼の場合、これに代理人費用が加算されることになります。
※実用新案技術評価の請求は、実用新案登録に基づく特許出願、実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正について、制限を生じさせます。十分にご注意ください。詳しくは、実用新案登録後の留意点をご覧ください。
以下、各手続と費用についての具体的な説明となります。
はじめに
(1)典型的な流れと費用を示しています。
(2)特許庁費用は、改定される場合があります。
(3)特許庁費用は、軽減又は免除される場合があります。詳しくはお問合せください。
(4)代理人費用(特許事務所の手数料)は、事務所により異なります。発生タイミングも事務所により異なることがあります。
(5)小山特許事務所の場合、一般的な費用は、実用新案登録費用(特許印紙代+弊所手数料)のページをご覧ください。打合せを通じてアイデアの内容を把握した上で、お見積りさせていただき、それに納得いただけましたら、正式にご依頼の流れとなります。
(6)請求項数10の場合を例示しています。
(7)書面(紙)で手続される場合、手続にもよりますが、別途、電子化手数料が必要です。
(8)請求項に応じて料金が変わるものがあります。請求項とは何かについては、実用新案登録請求の範囲についてをご覧ください。
実用新案登録出願費用(出願料金)
実用新案登録を受けようとする者は、「願書(実用新案登録願)」に、「明細書」、「実用新案登録請求の範囲」、「図面」及び「要約書」を添付して、特許庁長官に提出しなければなりません(実用新案登録出願書類の例)。
実用新案の場合、出願後、早期に登録されるため、出願時に、「出願料」だけでなく、「設定登録料(第1~3年分の登録料)」も納付する必要があります。
- 特許庁費用(出願料)=14,000円
- 特許庁費用(第1~3年分の登録料)=( 2,100円+(請求項数×100円))×3年
- 別途、代理人費用(小山特許事務所の実用新案登録費用)
- 【例】請求項数10の特許庁費用
出願料=14,000円、第1~3年分の登録料=9,300円、合計=23,300円
出願後、「基礎的要件の審査」が行われます。基礎的要件の審査では、次の点が審査されます。特許出願の場合とは異なり、実体的要件(新規性や進歩性などの登録要件)の審査は行いません。
- 物品の形状、構造又は組合せに係る考案であるか
- 公序良俗又は公衆衛生を害するおそれがないか
- 実用新案登録請求の範囲(請求項)の記載要件に違反しないか
- 考案の単一性(一出願にまとめられる範囲)を満たしているか
- 明細書、実用新案登録請求の範囲、図面に必要事項未記載又は著しく不明確がないか
基礎的要件を満たさないと認められたときは、「補正命令」がなされます。これに対して、指定期間内に「手続補正」することができます。この補正により、【実用新案登録請求の範囲】の【請求項】の数が増加した場合、登録料(出願時に納付すべき第1~3年分の登録料)について追加納付が必要です。
基礎的要件を具備する場合、「実用新案登録」され、実用新案権が発生します。
登録料の納付
第4年以後も権利を維持するには、前年以前(たとえば第4年目の納付なら第3年目が終了する前)に特許庁に登録料を納付しなければなりません。納付しない場合、実用新案権は消滅します。登録料の納付を継続する限り、出願日から10年まで、実用新案権を保有することができます。
- 特許庁費用=
第4~ 6年は毎年 6,100円+(請求項数×300円)
第7~10年は毎年 18,100円+(請求項数×900円) - 別途、代理人費用
- 【例】請求項数10の特許庁費用=
第4~6年は毎年9,100円
第7~10年は毎年27,100円
なお、所定要件下、「実用新案登録に基づく特許出願」が可能です。すなわち、出願日から3年以内の制限、実用新案技術評価の請求に伴う制限、無効審判請求に伴う制限がありますが、実用新案登録に基づく特許出願(いわば特許出願への変更)ができます。但し、実用新案権を放棄しなければなりません。
以下、必要に応じて行う手続です(必須ではありません)。
実用新案技術評価の請求
- 特許庁費用=42,000円+(請求項数×1,000円)
- 別途、代理人費用
- 【例】請求項数10の特許庁費用=52,000円
◆実用新案技術評価とは?
- 権利の有効性の確認や第三者への警告等に必要な実用新案技術評価書を取得するには、特許庁に実用新案技術評価の請求が必要です。
- 実用新案登録は、実体的要件の審査を行わずになされるので、本来無効となるような権利が登録されることがあります。そこで、先行技術文献及びその先行技術文献からみた権利の有効性に関する客観的な判断材料を提供するための制度です。
- 文献公知(インターネット上の開示も同様)による新規性、公知文献から見た進歩性、拡大先後願、先後願に関する評価がなされます。
- 請求しなくても構いません。
- 実用新案登録に基づく特許出願、及び登録後の訂正が制限されるので、請求に注意が必要です。
訂正の請求
- 特許庁費用=1,400円
- 別途、代理人費用
◆実用新案権の訂正とは?
- 実用新案登録後も、所定要件下、実用新案登録請求の範囲などを訂正できます。
- 実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正は、最初の実用新案技術評価書の謄本送達日から2月を経過するまで、又は無効審判について最初に指定された答弁書提出可能期間を経過するまでで、全期間を通じて1回のみ可能です。
- 請求項の削除を目的とする訂正は、原則として、いつでも何回でも可能です。
関連情報
- 小山特許事務所の実用新案登録費用(特許印紙代+弊所手数料)
- 実用新案登録費用を安くできないかお悩みの方へ
- 特許と実用新案の費用の比較(特許費用の減免後とも比較)
- 特許か実用新案かの費用面からの検討
- 実用新案は意味がないのか(メリット、デメリット、権利者勝訴例など)(実用新案でも高額の損害賠償請求や差止請求が認められることがある事実)
- 実用新案登録とは・実用新案権の取り方
- 特許と実用新案の違い
- 実用新案登録後の留意点
- 特許費用(特許の出願から登録までの費用)
- 意匠登録費用(意匠の出願から登録までの費用)
- 商標登録費用(商標の出願から登録までの費用)
(作成2022.03.08、最終更新2023.12.21)
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